水流渓人「hot-news」
 
2007年10月24日 「比叡2峰/正面壁ルート/水曜登攀隊」宮崎県

なんと美しい曲線を描いているのだろうかぁ〜・・・水流ちゃんの坊主頭d(-_^)good!!ナンノコッチャ〜

  

そう言えば、7・8・9月と、ウォーキングもサボっていた。
なんだか、家族中が忙しくしていた。
相も変わらず遊んでいるのは、私だけだが・・・。
10月に入って、またママと歩き始めた。
あれこれ話すと、足が地に付く感じがしてきた。
家のローンを完済したが、自動車が限界を迎え買い替えを余儀なくされた。
(-o-;)・・・あ゛〜またローンだぁ〜!
長女の進学の問題・・・、進学校に通いながら「専門学校」へは、脱線する感覚に陥ってしまう。
しかし、本当の彼女の将来は、これからは自分で先を開かないと仕方ない!
ただ、私は親としてもう少し関わってあげたい気持ちもある。
次男も、姉兄に続き同じ学校に入る為には「受験」しなくてはならない(>_<)。
めまぐるしい10月。
案外、1つ1つ片付けているのは、前に歩いているのかも知れない。

 

 

 
 

 10月、3峰の「天空への階段ルート」・「比叡の果てルート」と、気迫あるルートを登った。続いての今日、「ラストフロンティアルート」かな?と思っていた。しかし、「白亜スラブルート」と言われれば、断固変更を申し出よう!と思っていた。なぜ?すんげぇ辛くて怖いから!だけど、いつも気がつくと不安定な場所に立っている。小松の親分は、意表をついて「2峰正面壁ルートをやりましよう!」と言い出した。しばし、ラストフロンティアへと傾きかけたが、やはり闘志をむき出しにした。今日は、川キョンもいる。
 朝、雲を焦がして陽が昇ろうとしている。

 
 
 

【比叡U峰】は、本格的なごっつい岩塊である!

 
 

【正面壁ルート】

          0P 20m 5.7(X+)  登り始めて5m程度X+ではないぞ!の難しいスラブ
          1P 40m 5.10+(Z)・A0  ハングを超え、傾斜のきついフェースを直上。
          2P 35m 5.10-(Y+)・A0   凹角からフェースを登り、ハング下を左上しスラブへ。
          3P 45m 5.10-(Y+)・A0   スラブからフレーク、ハング下をハンドトラバース。
          4P 35m 5.9+(Y)・A0 ホールドの乏しいスラブからクラックの走るスラブ。そしてゆりかごテラスへ。
          5P 35m 5.10-(Y+)  出だしの強いスラブを登ると、傾斜が落ちひと登りで終了点。

  
  
2峰の基部からはニードルが見えている。 基部を通り、奥の取り付きへ向かう!
   
     
0Pの終了点、つまり1P取り付き! 豪快なハング乗り越しから1Pは始まる、
 
 

A0で処理していく小松の親分とは違い、水流ちゃんは「正調:アブミ登攀」である(^_^ゞ
ハング乗り越しは、かえってA0の方が正解!岩角にお尻を乗せればハング終了!
しかし、ここからのフェースが、結構つらい登りなんだな(^o^;)

 
 

迷い

 岩登りをしながら、岩登りをする人は何を考えるのかなぁ〜?私は、最近の岩登りでは、景色が目に入っていないみたい。見ているのだが、あまり記憶に残っていない。岩人たちが言う「厳しいながらも素晴らしいルートでした!」とか、「やはり、岩登りは達成感でしょうか?」とか、そんな賛美する様な気持ちを、正直抱けないでいる。とりつかれた様にここに来ている。『とりつかれてしまった・・・!』それでいいのではないのか?だが、「のめり込む」とか「はまる」というものでは無い感覚だ。そんな自分に違和感を覚えるが、また来ている。のんびり・・・ゆったり・・・する事が罪悪で、厳しく・・・辛く・・・する事が良し!なのか?面白いという感覚なのだろうか?
「岩登りをする人って、なんとしても岩に行くよね!ほとんどの事を犠牲にして・・・。」
そう見えるのだろうか?我が子との関わり・・・、夫婦の関わり・・・、家族の関わり・・・、山以外の人との関わり・・・、なんかそんな事をさて置いているだろうか?今まで、そんな事を天秤にかけたりする事は無かったが、岩の世界でモノを考えてばかりいるのだろうか?今は、山登りをしていながら、岩の世界に踏み込まない事の方に強い意志を感じている。

 

●懐古●

 なんとも言えない感覚。それは、人恋しくてたまらなく、借りたアパートで悶々とテレビを見ていた感覚・・・。同僚達と飲む酒も、気を紛らす為にしたパチンコもマージャンも、ただただ空しさの境地に落ちていくだけだった。大阪に就職した私は、性を異にする存在の暖かさを求めていた。あちこち彷徨い、結婚して20年を迎えようとしている。「今でも一人だったら?」という会話をした。あれこれ話したが、結婚のたまらない喜び、子供を育てる有難味、家族でいられる愛おしさ・・・包まれているから、今は一人の感覚は判らないと思った。でも、今の幸せすぎる環境から、一気に一人の環境になったとしたら発狂するのではないか?とも思う。そういう不安を突き詰めれば、最初から一人の方がいいのでは?という考えもある。
 仲間というのは、家族でも夫婦でも親子でもない。仲間は仲間なんだと思う。ある一点を接点に、それ以外は触れ合う事はない。それだからいいのだろうが、その一点に、境遇の違う状況の違うもの同士が何か共通の話題?目標?思いやり?を絡めあう。変な状況だ。それでいいのだろうか?いいのである。そこに私は存在していないからだ。訳の判らん事を書いている。いいのである。訳の判らん状況というのは、そこらにゴロゴロ転がっているものだ。
 そう言えば、我が家の女房に、『ダンナの親と同居』とか『親を最後まで看取る』ということの、大変さ煩わしさを語る人がいた。いる。自分は、同居などした事も無く、看病や介護などしたこともないのにだ!少なくとも、ママは結婚した頃から私の母と同居であり、母の最期も看取ってくれた。だから、ママが素晴らしいというのでもない。していない人がつまらないと言っているのでもない。経験した事が、他の人に通用するはずも無いが、経験した事も無い人が意見を言うと言う事もなんだか変だ!相手の身になる・・・ってどういう事?皆、自分の事を言われる前に、相手の事を好き勝手に言ってるだけサ!!自分を持っている人は、無闇な相談はしないし、適当な意見は言わないサ!!情けないのは、無闇な相談をして、適当な意見に従う事なんだろうなぁ〜!  グサッ(>_<)

 
  
1P終了点から川キョン。 平日に珍しい・・・「天空への階段ルート」を登攀している3人のクライマーが見えた!

2Pのコーナーを攀じる小松の親分。
ここを過ぎると、フェース。続いてハング下をヒェ〜と言いながら行き、またフェース(^o^;)

 
 

3P【小松の親分、空を飛ぶ】
登り始めて、10m以上ロープが出た時、小松の親分が仰け反った。
私には、オレンジのヘルメットが岩から剥がれ落ちるように見えた。
瞬間、左でロープをタグり気味に、ビレー器を押さえていた。
続いて、「落っ〜!」。
50cmほどの岩が割れながら降り落ちるのが見えた。
岩は、右にいた川キョンの右2m程を音を立てて落下していった。
アンダー持ったフレークが、いきなり剥がれたそうだ!
足を少し打ったみたいだが、ハング下の核心部をやり過ごした。

 
 

ハング下の難しいハンドトラバースを、簡単にアブミで処理する水流渓人(^_-)〜☆

 
 

その、ハング下の恐怖のトラバースを行くカッコイイ川キョンを激写す!凄い高度感だ!

 
 
4Pゆりかごテラス前、快適なクラック 最終ピッチ、ウイニングクライミング?みたいな
 
 

終了点で、3人仲良く・・・矢筈岳・丹助岳をバックに!

 
 

【瞬間】

 人は、過去も未来も生きられない。人は今という瞬間しか生きられない。・・・実にそうだ!そうなんだが、理屈でも人は生きていけない。多くの複雑な感情と、正直さを押し隠す通称:理性って現象で、さも人らしく生きている。たくさんの我慢と、範囲を定めて見る夢。実は、クライミングもそういう中に存在している気がする。登攀終了した瞬間から、この2峰正面壁ルートは、過去になり、今という瞬間はすでに岩を登っていない。という事は、こうして書いている今、私はPCの中に存在している?来週は、休日に仕事が入り断念の予想で、次の週にはせめて○○ぐらいは・・・と、出来そうな夢を語っている。
 
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 2峰正面壁ルート、1度登って2度と登らなくていい!と思い、2度目登った。あー、なんで来たんだ?と後悔しながら、もう最後にしよう!と決心していた。そして、3度目を登るという、なんとも弱い意志である。しかし、4度目は断じて断ろうと、小松の親分に聞こえないように心に誓った(^o^;)

 
 

下山する前に、振り返って1枚写した。
「また来るよ!」なんて、言いたくない。そんな厳しい状況にいたのは確かだ・・・。

 
 

【総評(^^ゞ】

 なかなか出来の良いレポートが書けた。全体的に、訳判んネェ〜感が実にいい!それは、私にはビンビン判るからだ!文章は、自分の為に書いても、誰か一人の相手にめがけて書いても、読む人が好き勝手に想像しながら自分の経験の中で心に描く。「なんだ、しょ〜もねぇ〜なぁ〜!」でいいのである。私にとっての日記みたいな現在なんだよね!登山レポートと親切丁寧に読者に方たちのために・・・って、私のウェブサイトは、違うんだよね!正確に状況を語ることより、なんだか捻じ曲がったひねくれの心境は、読むだけで、私にはあの2峰のゾクゾク感に包まれてしまう!・・・のだ。
 本当に調子悪いのか?と思える小松の親分のチャレンジぶりである。なんだか、ホコホコした感覚に包まれながら家路についた。途中、温泉の露天風呂から見た月は素晴らしく、月の明かりが日向灘に反射していた。「また!」「お疲れさんでした!」いつもの挨拶を交わして別れた。

 
 

 
もうすぐサヨナラ「スペースギア」

 

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