水流渓人のページ「登山日記」No.360

 
2009/11/03
「根子岳」
地獄谷〜南尾根〜天狗峰〜東峰

  
南尾根 天狗峰にて 振り返ると・・・
   

 その計画は、10月の例会の時に提案された。『どこで、今年は紅葉を楽しもうかなぁ?』なんて、皆が考え始めた時期である。画期的?な、namaさんからの提案に、皆のため息が漏れた。
 事務局のチエちゃんから、募集を知らせるメーリングリストが配信される。結局、14名の参加応募らしい・・・。『人数が増えれば、コースも考えないとい けないなぁ〜!南尾根は無理かも知れんど・・・!』と、数日前にnamaさんが漏らしていた。しかし、私は密かに思っていた。地獄谷から南尾根への挑戦 は、去年、案内役の勘違いで敗退している。なんとしても、今年はリベンジするはず!!と・・・。ハイキング組と、登攀組を選択する意思確認のメールが送信 されるが、参加希望者全員が登攀縦走に手を上げるという阿万人気は衰え知らずである。さぁ・・・どうする!?
 西都を5時に出発する。私の車、そして、ずいぶん山男に洗練されてきたタカオ君の運転する車は、7時15分には高森町に到着した。コンビニに寄ると、本 官さんとじんさんの同乗した、ビシバシさんの車が到着した!「地獄谷から登るっちゃけど、登山組の案内役は本官さんに頼むっつよ!」と阿万さんの企 み・・・。アヤちゃんが、珍しく本官組へと手を上げた。

【登山口】何登山口というのだろうか?根子岳に向かって、右/大戸尾根、左/南尾根・・・。牧場の中の登山口には、たくさんの登山者の車が駐車していた。 牧柵の出入り口から谷へと行列。なんとも素晴らしい青空が広がり、14名もの仲間が揃うと、気持ちも弾むというものだ。

【地獄谷】堰堤を過ぎると、正に、紅葉の錦の中を歩く。谷は両壁が迫り、なんという迫力だろう・・・。今日のこの日を、偶然にもここで過ごす事になろうと は・・・山を登り、namaさんという男に出会わなければ、成し得ない事であった。ハーネスをつけると、登山組と別れ、さらに傾斜の増す谷をニジリニジリ と掴み上がった。namaさんは、去年間違えた地点から右に進んだ。尾根を避け、更に超悪場の谷を攀じった。南尾根の鞍部へと突き上げるべく、彼の経験か ら得た五感は冴えに冴えた!

【南尾根へ】なんとヤバイ草付だったろう・・・。草壁を攀じるとは、説明もしにくいが、足元眼下には、腐れ壁よろしくザレにザレた、ガレガレの谷底が口を 開けて待っている。地獄谷・・・その名にふさわしくも厳しいルートである。ひょいと、鞍部の笹に分け入り立つと、南峰から南尾根を登攀縦走している、この 開拓集団「フェニックス山の会」の面々の先に立つ事になった。

【天狗峰へ】尖峰とばかり感じていた天狗峰が、屏風の様に見えていた。異空間とは、この事を言うのだろう・・・。天狗の基部に立つまでは、どこにルートが 存在するのか?何かの魔法にかかったみたいに、その基部へと導かれた。縦走路に立ち、なんと安定した場所に来たのだろう・・・!ホッとした気持ちで、天狗 峰の壁を西から東に見上げた。namaさんがリードで取り付く。そのすぐ後ろをタカオ君がリードで取り付く。彼の成長ぶりは、なんだかスゥーッとした顔つ きと、謙虚な態度が表していた。天狗のテッペンで、高岳を指差し、正確には「鷲ヶ峰」を指差し、「次はあそこを登りたいです!」と洩らしていた。

【全員で】登山組みは、すでに天狗の東側基部に待機していた。namaさんとビシバシさんが迎えに行く。残った私らは、しばし景色と余韻に浸っていた。次 々と仲間が上がってくる。狭い山頂で、皆で食べる昼飯は、これまた違う味がした。天狗での集合写真は、鹿児島「黒稜会」の方にシャッターを押してもらう。

【下山】天狗峰の北側トラバースルートを、全員で通過した。渡りふり返ると、名物?「キケン」の文字と、壁と、阿蘇の山々が見えていた。ここを通過する西都山岳会の面々は、この時ばかりは、名物!「おしゃべり」も聞こえてこない。
 東峰へと縦走路を進む。結構なアップダウンだが、もう危険な場所はなく、絶好調の「おしゃべり声」に背中を押され歩くのも悪くない。
大戸尾根へ。時折、絶景の根子岳が見渡せる。しびれの切れたビシバシさんが、「口ばかり動かさんと、足、動かせよぉ〜!!」と激を入れるが、しばし声が途 切れるだけで、ペースは安定したままである。少し歩き、立ち止まり、少し歩き、立ち止まり・・・を繰り返す事数十回で、牛の草食む牧草地へと降り立った。

 この日の登山も、忘れられないものとなる。人は、満足のレベルを低く保つ事は、本当は難しい事で、もっと!もっと!と気持ちを高めてしまう。そうする と、感動のレベルや、満足感は低いものになる。どうしたら気持ちを低く保てるのだろう・・・。自然の中に身を置く事で、自己の小ささを確認できる感性を持 ち続ければ、感謝の気持ちは持続出来るはずだ。私は、常にそんな気持ちを忘れまい!と、最近努力している。謙虚であれ!と、言い聞かせている。
 

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4: 45自宅発----5:00西都発----高森町7:18----大戸登山口8:00----登山開始8:20----地獄谷2班に分かれる9:20-- --南尾根稜線10:15----天狗基部11:00----天狗峰12:14----合流----昼食----下山13:00----東峰14:30- ---大戸尾根----登山口15:40----高森温泉----高千穂夕食18:00----西都着21:30

参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠           西都山岳会
12名

庵2名
年齢 50          
ピーク(山行)合計 457          
 
 
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