尾鈴山は、毎日眺めている山。渓流釣りに、沢歩きに、山歩きにたくさん訪れている。だが、沢から山頂に立つのは、今回が3度目。そして、左俣は、私は初めての遡行となる。
水量やや多めだが、気分は乗っているので、最初の淵から泳いで取り付く。取り付いたのは、甘茶滝がある登山口からで、この甘茶滝は流れのすぐ右が階段状
に、楽に登れる。そして、滝・滝・滝・・・と、連続する。気分良い滝登りが続く。私なら巻きだが、小松の親分がしつこくクリアしてくれるおかげで、他のメ
ンバーも大きな達成感を貰う。
尾鈴は、岩がでかい!そして、多少の増水では濁らない。4日連休の初日、私は家族ではなく仲間と沢で過ごした。こんな時間を惜しむように、今まで家族と
過ごした連休である。でも、子供達もそれぞれに用事がある今、私は自分をやさしくするために自然に身を置いているのかも知れない。沢の中では、沢音しか聞
こえない。仲間の声も聞こえにくい。大きな沢音がしているはずなのに「静か」と感じるのはなぜだろう。
沢登をした3日後、いつもの同窓会へ参加した。都合25人ぐらい集まっただろうか?その内5人が医者だった。同級生には医者が多い。いつもそれぞれに話
すが、話が合致した一人と、深く話してみた。最近の自分を相談する。最近の自分は、仕事が上手く行った時ほど虚脱感と何かに対する焦りを感じてしまう。た
まになら良いが、最近、特に仕事が順調だから、余計にそんな感情が溜まって行って仕方ないのだ。傾向的には、もっとひどくなると「鬱」だが、医者であるそ
いつも、特に感じる同じ傾向の感情だという。「ハードルを下げな!」と言われた。以前の自分を知っている自分は、今はすでに経験と技術が上にあるから、サ
ラリと済ませる仕事になってしまい、以前の判断を今に持ってくるから、上手く行き過ぎて不安になるのだという。「そんな時、ボクは後輩達がする様な簡単な
手術をして、もう一度基本に戻ってみる。そうしないと、常に上を目指す自分が自分を潰してしまう。ハードルを下げて、これでいいか?もう一度、確かめてみ
たらいい!」少し胸の痞えが取れた気がした。もう一人の友達の医者からは、「自分のメジャーは、いつも自分で確認して置かないと・・・。」と言われた。
皆、そういう年齢なんだなぁ〜!
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