いや、寒いったらない。風がビュンビュンである。
で、1P。スーパールート6級へ。小松の親分が登れば、ロープがつながっているのでそのまま私もスーパールートへ行く事になる。ボルダーの1級を落とし
た小松の親分は、ここのところフリークライミングにも精を出している。登り自体に、強さと粘りが素晴らしい。だんだん私は付いていけなくなって来ているの
では・・・・・と、不安も大きい。以前登った時は、A0になりながらアヘアヘ登り、あれから少しは上達しているのでは・・・と、勝手な自分への期待もあっ
た。取り付いて岩に足が残らない。寒さで手の感覚がない。結果はアブミが無ければ登れない始末である。重ねて恐怖が先に立ち、横へ体重を移せない。辛い登
りが30m続き、へこたれさそうになりながら、更に風の強い2Pのテラスへ立つ。
2P、7級のスーパールートを断念した。風に参ってしまったからだ。ノーマルでも6級だが、少し風が弱いフレークを登る。小松の親分は、フレークの下に
立つと、フレンズを1本差し込むと、フレークの末端を掴み、今までに無い速さでハンドトラバースし切り抜けた。ハンガーボルトにクリップすると、傾斜のキ
ツイコーナーを登り、立木でビレー体勢に移った。私も、最初の離陸に手間取ったものの、フレークを掴むと、なんとか今まで一番気持ちよく切り抜けることが
出来た。しかし、そこからの直上が思い切りが悪く、ぎこちない登りになってしまう。立木まで行くと、少し上の平行ピンまでは私が先行する。
3P、クラックを登る。小松の親分の登りは、ここでも進化していた。いつもよりフレンズのプロテクションを半数しか取らなかった。グイグイとロープは出
て行った。風はますます強くなり、体感温度が低く凍えてしまっていた。フォローする私は、いつもは考えられない体力消耗を感じていた。足の踏ん張りも、ク
ラック内を手で保持することも、予想以上の力が必要だった。なぜなのか判らないが、怖さであることは判っていた。完全にクライミングという行為、そして
ニードルというルートに「怖さ」を覚えていた。
ニードルの頭から懸垂下降をする。更に怖い。地面に降り立ち、しばし体の力が抜けてしまった。何度かリベンジしておかなくては、今後が無いような気さえする・・・そんな弱気にさせられた1日だった。
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