初めて次女が沢登りをする。結構、楽しみにしている次女に、沢の楽しさを経験して欲しいと思っていたが、身支度をしていると雨になる。
今回は、私も途中までしか行った事のない「欅谷」を選んだ。横に遊歩道が通っているだけで心強い。実際、歩き始めると遊歩道は見えないので、常に位置は
地図で確かめておくことにした。やはり、緊張感を持続しておくことは大切な事で、沢山のことを子供達には教えたいと思っている。出来る限り水筋を通り、登
れそうな滝は挑戦したいと思っている。避けたり巻いたりする事はいつでも出来る。でも、ある程度こだわりを持ち、それを楽しむと言う事を教えるには、沢は
いままで経験した事の集大成の様な気がする。
沢に降り立つと、一旦どしゃぶりとなる。萎えそうな気持を高ぶらせながら、最初の小滝をどう登ろうか検討していると、次女と長男は沢蟹を追いかけて歓喜
の声をあげている。「よっしゃ!」と少し明るい気持になる。続く小滝をあれこれ言いながら登るのは、実に楽しい。初めての次女も、弟より上手に登ってく
る。スケール感のある斜滝が迫る頃、雨も上がり青空も見えてきた。リュックのロッドを取り出し、ルアーをセットする。長男、次女、私の順にポイントを探り
ながら遡行した。腕が悪いのが最大原因だが、条件も悪く全く釣れない。1時間ほどで、またどしゃぶりとなった。
大岩の下が洞穴みたいになっている場所で雨宿りをする。腹も減ってきたので、弁当ほ広げる事にした。実に旨い!岩の中は、蜘蛛達の住処になっているの
か、いろんな種類の蜘蛛がそこらを這い回っている。時々、足を這うが、次女はとても興味深く見ている。手にとってみたり、その行動に大笑いしたりしてい
る。どこにいるのか、いろいろ隙間や石の下をめくったりした。蜘蛛の巣は嫌いだが、蜘蛛は平気な長男も、足が長くて体が丸い蜘蛛が好きだ。弁当を食べなが
ら、這い上がってくる蜘蛛を見てはフォークでつついていた。我が子ながら、「楽しむ」のなんたるかを確認させられてしまう・・・。雨足が弱まるのを待って
出発した。
右から沢が入ってきた。見上げると、遊歩道の特徴的な三角の丸太橋である。「さぎりの滝」まで・・・と思っていたが、さっさと切り上げる事にした。遊歩
道を戻り始めると、後方数メーターのところに落石があった。けたたましい音で落ちてきたので、無事に胸を撫で下ろした。
次女は、遡行中に右の人差し指を捻ったみたいで、少し腫れていた。
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