下部
いつものウォーミングアップ。IV級30bを一気に登って、草付きから取り付きを目指す。適度なホールドを拾いながら登ると視界が広がる。かえって草付き
のザレ場が、浮き石が多く悪い。薄いクライミングシューズで石に挟まったりすると大変なので新調に歩く。
1P/IV+/35m
TAカンテ・3KNルートと同じ。いつもはかぶり岩の右から直接登り上がるが、ルート図通り、3本打ちハーケンのプレートから右上する。かぶり岩上に立つ
と抜群の視界、もう一本上の支点にロープを通し左フェースに出て一歩が核心。上がればハンガーボルトに支点をとり左上の松の木に抜ける。
2P/IV/30m
松の木から右にとるのは初めてである。珍しく私のリードで階段状から狭いテラスの平行ピンにたどり着く。ずいぶん高度感が出てきて秋の風が寒いぐらいに吹
く。新しいクライミングシューズと、ネンザ対策のテーピングが足を締め付け、脱ぎたい衝動にかられる。
3P/IV+/40m
斜め逆層気味のスラブを登る。段違いを2箇所乗り越すところは、IV+級にしては難しい感じがする。微妙なホールドに緊張感も上がり、ナックルスラブスー
パーとコースを分ける傾斜のきついフェース下の黒光りするスラブのトラバースも微妙なバランスだ。立木でビレー。
4P/IV+/45m
小休止の後、右のスラブへと出る。すぐ藪となり隣の「奧の細道」の3Pに出てしまい、下降してルートを検討する。よく見ると正面の松の木奧に、真新しいRCCボルトが見えた。そこを乗り越すところが核心で、スラブに出るとグイグイ行く。
5P/V-/45m
ナックルピークに抜ける核心のV−級。真っ青な青空と、高度感が気持いいこと極まりない。右上気味に細かいカチホールドを拾う。傾斜が増す頃直上となるが、後は楽になりピークがすぐそことなる。
6P/III/15m
実質的に5Pが終了点だと思えるほど簡単な上りでピークに立つ。いつもの景色より澄んだ空気が、より矢筈岳や丹助岳を近くに感じさせてくれる。II峰に目をやれば、始まりかけた紅葉が常緑樹に混じって、実にいいコントラストである。
展望所で昼食を取り、ギアを整理して下山。
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