水流渓人のページ「家族登山日記」No、130
2003/5/5
貫山
 ぬきさん
711.6m
 

平尾台の羊群原

のんびり歩く・・・

家族集合写真

 

 
 何という穏やかな景観だろうとため息が出た。山は、コースの困難さや標高やそんなものだけではないとつくづく思う。平尾台の石灰岩柱の丸い羊群 原・・・、カルストの台地に青空も緑の草も、そして降り注ぐ太陽も吹き渡る風も・・・。ここが100万人をかかえる北九州市であり、市街地から15分の距 離であることに、さらに驚くばかりである。
 
 高い木の無い草原を歩く。振り返るたびに家族も、歩いてきた道も、カルスト台地も、市街地も、そして海まで視界の中にある。私にある2つの瞳だけでは見 渡せないパノラマであるが、この満ち足りた気持ちはどこから来るのだろう。山を登ると言う行為自体、情報から来る固定観念で自分の中で出来ているとした ら、こうやって小さなリュックに家族全員の水とおやつだけを持ち、運動靴で身軽に歩けることを「登山」とは言わないのだろうか?でも、ここにはいわゆる登 山としての山の価値以上のものがあると思う。
 
 丘を登り詰めて、次の丘が見える。丘の上に引かれた一筋の線をたどり、もう少し小高い丘に立つ。山頂からの景色は、驚くほどのものではない、驚きはしな いがゆっくりと雑多な日常時間から開放されるそにな安らかな景色である。人々の暮らしがすぐそこにあり、海も、雲も青空もそこにある。「時間」・・・ 「時」・・・、いやこの景色こそ「時空」の文字が似合う気がした。

家族6人揃って登った。こんなに穏やかな登山をしたのは初めてだ。きつい登りで見えてきたのは現実の厳しさであるとしたら、この貫山で見えてきたのは何だ ろう?きっと、そんな今までに考えることも出来なかった、たくさんの事を見直すゆとりなのかも知れない。子供達と、同じ風に包まれたやさしい時空だった。
 

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参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠 やまびこ仲間
年齢 44 43 13 11 9 6 他12名
山数合計 178 71 59 62 64 48  
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