水流渓人「hot-news」

2008年11月5日 「雌鉾岳/庵の秋ルート」宮崎県

体調に自信の無い水流渓人なので、大崩山の小積ダキ登攀は中止にして貰った。
「まぁ、登れる所でいいじゃないですか!」のつもりだったが、
宮崎市内の若きフリークライマー「KASE君」「TKOくん」が、初鉾スラブで【カメレオンルート】に挑む!
なぬなぬ?(-_-メ;)・・・オヂサン達を挑発するんじゃぁ〜ないよ(^◇^)
水曜登攀隊の精神「所見チャレンジ」に火がついたではないか(ё_ё) 

    

 朝、佐土原駅に次女・長男・次男を送ると、小松の親分との待ち合わせ場所「都農神社」は、いつもの7時半が集合時間となる。高鍋付近で鳴る携帯電話!「鉾に行くんでしょ?ご一緒させてください!」と、先日、埋もれ木ルートをご一緒したKASE君からだった。都農神社にやってきたのは、小松の親分と、KASE君と、その後輩の「TKOくん」。はじめまして!の挨拶を交わすTKOくんだが、先日から何度かメール交換をさせていただいている。KASE君同様のさわやか青年・・・3人子持ちで、KASE先輩を子供の数で上回るナンノコッチャ
 聞いて、私は毛か逆立った!毛は無いだろう!!って、大きなお世話ぢゃよ・・・(`へ´) 。毛が無くても、皮膚は逆立った感覚をもたらすんぢゃよ!初鉾スラブを・・・、なんと【カメレオンルート】から、2人でチャレンジすると言うではないか!そんな宣言に、助手席で爛々と目を輝かせているのは、小松の親分・・・。「で、私達はどこに挑戦しましょう?」「んっ?登る!でなく、挑戦?」と思うが、また、調子よく口からあれこれ言うのも、かなり水流渓人的な私である。知っている7+とか7−とかある【庵の秋ルート】を・・・。そして、それがカメレオンルートのすぐ近くを抜けている事も・・・。そして、日曜日、nama師匠が、総勢10名で「春はあけぼのルート」を登り、紅葉の素晴らしさを山の会のメーリングリストで流していた。「ん?紅葉なのに、春はあけぼの?・・・水曜登攀隊は、紅葉は秋だから、庵の秋ルートだもんね!絶対、その方がいいもんね!」と、鼻息荒くなるのも当然である。

 
 
職場先輩の「KASE君」右、後輩「TKOくん」左 じんさん、小松の親分
  
  

登山口から見上げる鉾岳には、紅葉の絨毯が敷き詰められている。

  
  

ルートは、こんな感じでしょうか?たぶん(^◇^;) 

 
 

 そう言えば、鉾岳に来たのは去年の6月以来・・・。来て見ると、やっぱりいい!紅葉の色合いが、とっても好きな感じになっていた。ロープを結び、1ピッチずつ、高度と景色がその迫力を増す。紅葉も、1つのピッチ毎に、違った感動を与えてくれる。しばし、目から沁み込んだ感動に浸っていると、次は厳しい登りが待っている。なんとも多種な印象が胸に残る。 

   

1Pは、カメレオンルートも庵の秋ルートも同じ・・・。ピン1本というのが緊張する。50m。

 
  
3P、フォローするじんさん、確保する小松の親分 3Pをフォローする水流渓人・・・至福!
  
  

この紅葉を2005年に見た!そして、今、その中にいる。変わらぬ自然がそこに残る。

  
  

5P、中央バンド

リードするKASE君

 
 

7P/7+級をリードする小松の親分

初アブミでフォローするじんさん

 
 

 2人が挑戦する「カメレオンルート」の看板ともいうべきコーナー手前である。レイバックでコーナーを掴み上がり、浮いた大きなフレークのハングを乗り越す。ピナクルにスリングをかけ、支点を作ると、息を飲む右トラバースだ!リードのKASE君は、フレンズでのバックアップも取らず、一気にコーナーを登り上がったそうだ。上から詳細は見えないが、この高度感と、あの絶妙のバランスを安定して見せるのは、やはり強い度胸と高い登攀技術なのだろう・・・。
 若い世代が、こうやって挑戦出来る・・・いや、続けられる岩場・ルートが比叡や鉾や、宮崎にはたくさんある。登られてこそ!のルートだと、開拓された方達は思われている事だろう・・・。どんな思いとか、こだわりとかでなく、来て登られてルートは残るのだと思う。私は開拓したことも整備に関わった事もないが、登られなければ、確実にルートは消失する。若い世代のクライマーが、自分達で登りに来て欲しい!と、開拓した人達世代は思っていることだろう・・・。先日、
「宮崎の岩場ルート整備協議会」が立ち上がった。開拓・整備、そして地元との協調をされている「鹿川・庵」の方達が、整備(リボルト)を計画されている。多額の費用がかかることから、山の会単位・個人単位でのカンパを広く呼びかけれられている。(ご賛同・ご協力いただける方は、ぜひご一報ください。)
 山歩きから始まって岩登りをしている私がいる。岩登りを止める理由を探してばかりいる。向上心もなく、フォロー人生を精進するだけだが、やはり往年の岳人であらせられる先輩から「山はこうあるべき論」を聞くのは耳に痛い。て言うか、絶対にそんな価値観にはならない事は明白だからだ!好きな山行のスタイルや、好きなクライミングの形態を、「こうあるべき論」で語られても、まったく次元が違っていて当然だと思う。でも、、ボルダリングやフリークライミングを楽しむ若者が、こうして比叡や鉾のルートへチャレンジして来る。クライミングの進行形として山歩きがあっても良いと思う・・・いや、今後はそんなスタイルになってしまう気さえする。国体での山岳競技は、もはや、その姿を、人口壁での「ボルダリング」と「フリークライミング」に変えた。

  
  

岩にいる時間を共有できる・・・つまり、仲間だ!とても感じの良い二人だ!

 
 

そんな若者の果敢なクライミングを横目に、いつもの様にアブミを駆使する水流渓人も必死なのだ!

最終7−級をリードする小松の親分 とおとお庵の秋ルートを登りきるじんさん
 
   
さらに、2の坊主頂上へ しばし、カメレオン組を待つ!
  

見下ろせば、鉾岳谷の紅葉は、最盛期である。

 
  

全員集合でパチリ!なんとも嫌味なヘッドランプだ!若者を待っても日までは暮れませんよ!!

 
 
懸垂下降して・・・ 後は紅葉の中、下降路フィックスをたどる
 
 

 30台前半のKASE君とTKOくんの状況を聞くと、私も宮崎に戻ってきた頃を思い出した。長女が、まだ1歳・・・そして、2年おきに子供が4人になった。子供が小さいから、手がかかるからと、遊びに行かない事はなかった。「忙しい」や「子供」を理由にするのは、やはり水流渓人的には言い訳にしか聞こえない。遊ぶ親父からこそ本物の子供が育つ?のぢゃよ!ホンマカイナ?

 
  

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西都発6:30---都農神社7:30---槇峰----鹿川キャンプ場駐車場9:45----入山10:00----取り付き10:40----登攀開始11:03----中央バンド12:30----庵の秋終了点14:40----2の坊主15:30----昼食----全員集合16:30----懸垂下降16:40----下山開始16:50----取り付き17:04----鹿川キャンプ場17:30----帰路----日向・お舟出の湯----自宅20:30

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