水流渓人「hot-news」

2005年6月29日 「ロックタワールート〜KYバリエーション〜1スラ〜第2コブ岩乗り越し登攀」宮崎県/比叡山

 


 
  

水曜登攀隊、初見ルートの旅はさらに続くのだ・・・
  
今日は5時前に待ち合わせした。日の出前の日向・美々津
   
   

あっ!「狸雲」だ!!

 
 6月の「水曜登攀隊」は、毎週を予定していたが、15日は私が仕事になり、22日は雨で中止になった。良い事ではないのだが、今年の梅雨は雨も少なく、岩を登るには助かる。ただ予報の気温は、真夏日となりそうで、早朝集合で岩場がカンカン照りになる前に上に抜ければいい・・・なんて、都合のよい計画ではあった。しかも、いつもの様に初見のルートなので、時間の配分など予想すら出来ない・・・・・のにである。(-o-;)アホヤ!イヤ・・・この悩みのない無垢な精神が初見の旅を続けさせているのかも知れない!
  

 
無責任なルート図
いつもの様にアテにならないルート図・・・たぶんこんな感じぃ〜(^^;)
  

 さてさて、都農神社に集合し、門川町のいつものコンビニで食料調達。なんだか、延岡方面で事件でもあったのだろうか・・・検問が随所に見られる。
 今回は、少し早めの集合であり、2週空いてのクライミングだから、オッサンが子供みたいに興奮して前夜眠れず・・・の状況(-_^;。聞けば、小松の親分まで、「なんだか早い集合は、嬉しくてわくわくしますよね!」などと、言っている。
 「初見ルートへの挑戦!水曜登攀隊の初心に帰って来たみたいで、いいもんですねぇ!」などと、お互い確認しあうオッサン二人であるが、実に小松の親分のやる気と努力によってそうなっているだけだが、私は無理をせず、とにかく途中リタイアなんて迷惑な話にならない様に努めている。だから、迷いもせず「掴む」「踏む」「はしご利用」なのである。自分は努力せずいい気なもんだ(-_-#)

  
すぐの比叡神社 比叡神社のすぐ右奥が取り付き
     
1P/40m/IV+  
苔むした壁、泥のつまったホールド・・・結構大変(-o-;)
これでIV+なんだな!間違いないんだな!エエ〜ッ?
さて、ロックタワールート核心!
2P/30m/VI
威圧的なロックタワーが立ちふさがる エーゼロになったが、上に抜けた!
  

 ここは、当然「5段テープアブミ使用」のセカンド水流ちゃんである!モンクアル?ピナクルへ向け狭い隙間を抜けると、「ルートが判らん!ここで一旦ピッチを切るわ!」と、小松の親分の声が聞こえた。左右探ってみたが、ルート(ピン)が見えないみたいだ。
 なんとか、この水流ちゃんでも蠕動運動でニジリニジリ抜け出れた隙間であった。しばし息を整え、ルートを探り始めた小松の親分である。右に大きく回りこんだところで、「あぁ〜、ここにピンがあるわぁ〜!」と言ったか、「ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜ん。」と言ったか、たぶんどこかに蜂の巣穴があったに違いない。けたたましい数の蜂(たぶんヒメスズメバチ)が、飛び交い始めた。「痛ッ!刺された!」と、小松の親分はそのままロックタワーと呼ばれるピナクルの上に逃げた。下でビレーしている私の上は、蜂の羽音が不気味で仕方ない。1mほど上の岩の隙間に置いた私のリュックには数匹の蜂が止まっている。その時はどんな種類の蜂だか判らなかったが、スズメバチより一回り小さく、あのカチカチ言う攻撃音も無かった。しかし、このまま下降してその場を離れたい気持で一杯だった。お互い、息を潜めていたが、「どうします?」と声をかけてみた。「落着いたら登りましょうか?とりあえず・・・。」と、声が返ってきた。あ〜ヤル気なんだぁ〜と消極的な水流ちゃんでもある。
 
 団体での蜂の羽音が聞こえないが、時折偵察の蜂が旋回している。頃合いを見計らって、小松の親分はスリングをアブミ代わりに、サッとコーナーからカンテへ登り上がった。と言う事は、私のフォローありと言う事だ。出来るだけあの岩の隙間を通らないようにジワッと登る。ピナクルへ飛び移ると、やはり羽音が聞こえてきた。がむしゃらにアブミでコーナーをやり過ごすと、カンテが天国に感じた。

  
3P/15m/IV  ほんまにIV級やな?オイラ一箇所ピン掴んだぜ!オマエガヘタナダケ!(>_<)
  

 そのまま、1スラの亀の甲スラブ下のテラスまで私が先に行く。空は、雲が覆ったり、青空になったり、たまに雨がパラついたりである。しかし、日が差すと暑い事この上ない。しばし、行動食と水分補給をする。
 「あそこで敗退せんでよかったネェ〜!」と、喉元過ぎれば・・・であるが、見上げて「KYバリエーション5.11a」を行こうと決めるのだがから、さすがの小松の親分である。粘らず、垂らしてあるスリングをたぐってA0で抜ける。私は、3ピン目まで、1本だが「フィフィオート改修機能付き5段アブミ」を腰のハーネスから取り出し、エンヤコラサッサ〜で、RCCボルトからリングボルトに変わる辺りのスラブが最高やなぁ〜!と、感じながら登る。

KYバリエーション5.11a
  
6・7Pは、1スラスーパー・・・いつも50mロープを一杯に延ばし1ピッチで登る。
簡単なところは、水流ちゃんも進んでリードする欲望も持ち合わせている(^-^)。
フォローする小松の親分が、中間のフレークの直登を試みる。
気合いの掛け声一発!で、岩角に手を掛けた。
「フォローだからできる思い切り!じゃね」と、言っていた。
  
最後まで攻めの登攀をする水曜登攀隊である。
1スラノーマルの新ルート「第2コブ岩を直登するルート」で、A1。
すでにフリー化されているそうだが、それはそれは厳しい。
小松の親分はA0、私はA1だ。
  
  
Aピークへは私を先に行かせてくれた。 下山後、記念写真。
  

 Aピークへ抜け弁当を食べた。「諦めんで良かったねぇ〜!」心底2人で語り合った。疲労と暑さで、私は完全にバテていた。よくここまでモチベーションを持続出来たもんだ!と、谷から吹き上げる風に当たっていたら、すっかりへたり込んだ。そこからの下山は酷いもので、いつもの倍の時間をかけ、痛くてたまらない左足を一歩一歩確かめるように下に置いていった。立木に掴まれるから下山している様なもので、千畳敷についた頃、ようやく自分に戻れた気がした。
 左足の痛みを、未だに何をどうしたらいいのか悩んでいる。悩んでいるが、帰路いつもの温泉で、この上ない充実感に浸った。

体重77.5kg(-o-;)
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  自宅3:30----.都濃神社で仮眠----合流4:45----比叡山登山口6:15----登攀開始6:50----2P終了8:55----蜂回避----ロックタワー終了10:50----KYバリエーション----第2コブ岩直登----Aピーク12:45----昼食----下山13:20----千畳敷----駐車場14:30----お舟出の湯----帰宅17:30

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