水流渓人「hot-news」

2004年10月6日 「比叡III峰/白亜スラブルート」宮崎県
 

  
6月14日のクライミング以来、ようやく、小松の親分と都合が合った(^-^)
仕事の都合・・・、天気・特に台風・・・、などなどで3ヵ月半が過ぎた。
それもあったが、夏に重なる行事を、私も小松の親分も優先させた。
おかげで、子供たちとの夏休みも充実していた。
9月上旬に、山岳会の例会で計画はしていたが、またも台風・・・(-_-#)
そして、ようやく今日がやってきただけである。
その間・・・
このHPを見ていただいている方達から、
「水流ちゃん、どうした?」
「水曜登攀隊は、どうした?」
と、
ご心配を頂いた。本当に有難いと思った。
で、
白亜スラブルート》をチョイスする、全開の小松の親分・・・、
アンド、魂が口から抜け出た水流ちゃんです。
 

待ち合わせの都農神社へは、尾鈴山を左に見ながら車を走らせる。

 この鼻息荒いルートを選んだのには、それなりの理由もあった。6月14日に、比叡3峰の「天空の階段」を一緒に登った【タエちゃん】、そして【川キョン】が、このIII峰の「左方カンテルート」をつるべで登ったと言うではないか・・・(@_@)
 週末、韓国クライミングツアーへも、nama会長とタエちゃんは行くのである!そんな状況下、燃える男「小松の親分」は、抜群のモチベーションをここに集中させたのである。
 おかげで、水流ちゃんはアヘッたのである。

  
III峰を貫通させたトンネルを過ぎた所に、
駐車スペースがある。
トンネルを戻り、その際を入るとすぐ取り付き
   

その名の如く、中央に白く圧倒的なスラブがある。
覆いかぶさるように、見ただけでIII峰はスンゲェ凄い(@_@)
どうやって登ろう?などと、この時点で考えるとトンズラしたくなるので、
眼前数十センチの岩肌だけを見てから考える事が、
今の水流ちゃんに許された選択肢なのかも・・・(^o^;)

【アッ!電柱が修理されている】→前回
   
比叡には珍しいこのハンガーボルトから、
その旅は始まる・・・
1P/III+/35m
   

1P終了点から「矢筈岳」「丹助岳」。いや、ホンマにエエ天気で、良かった!
壁側を見ると、あまりにもスンゴイ傾斜のクラックが見えたりするので、後ろを見る(^^;)

 2P/VII-(5.10b)/25mをリードする小松の親分。A0になるが、そんな事気にする水曜登攀隊ではない・・・。いや、それは私だけかも知れないが、フォローで取り付き、数手のレイバックで腕の限界・・・、わなわな震える指先で、なんとかアブミをかけ各ピン停車の有様(-_^;

 2Pの終了点から取り付きを見る。さらに下方には、綱の瀬川。傾斜がきつく、下が見えにくい。水流ちゃんの足と、命の「アブミ」ちゃん。

3P/VI+(5.10a)・A0/45mさぁ!その名の「白いスラブ」である。
出だしうすいフレークから始まり、スラブ中央のフィンガークラックをつなぐ。
フィンガーは、辛い。パンプする。しかも45mは、存分に辛い(楽しいというべきなのか・・・)。
ここでも、最後の3つのピンにアブミを出してしまった。限界なのである(>_<)
  
    
4P/VII-(5.10b)・A1 コーナーからハングを越え、コーナーの左垂壁へ
  
ハングを越え、左垂壁を攀じる小松の親分。ここが核心に思えた。
私は、完全に指の力が抜け、肘でアブミにぶら下って耐えた。下のアブミを回収するのにてこずる。登りあがったときには、口から魂が抜けていた。感覚が戻ると、極度の吐気がした。

3Pを登ってくる宇部のM浦さん
 
下方を見て驚いた。水曜に登っているパーティが見えた。
ぐんぐん近づいてくる。
素晴らしいスピードで、とうとう3P終了点で一緒になった。
無駄の無い登り・身のこなしを見たら、その実力は一目瞭然である。
宇部から来られたM浦さん・・・。
お話しすると、驚きの連続(◎_◎)
すでに、鉾岳のルートを1本登攀終了し、白亜スラブが本日2本目・・・
比叡・鉾のルートをほとんど登られている事・・・
なななんと、このルートを知ったのが、私のHPだと言うから(@_@)・・・
 

4P終了点で、M浦さんと小松の親分・・・
ここから、先へ行ってもらい水曜登攀隊(特に水流渓人)は、呼吸を整え栄養補給・・・
 
 そして、石舞台は待っていてくれた・・・

 5P/V+/25mの最終ピッチを攀じる。後悔ばかりしながら、力つきそうになりながら、なんとかたどりついた4Pであった。でも、この最終ピッチは違っていた。どのホールドも、どのスタンスも、登りつめた者だけが立てる「白亜スラブルート」の、その石舞台へのものである。小松の親分と、それも3ヵ月半ぶりの握手をした。石舞台下からは、心地よい秋の風が吹き、綱の瀬川の大石が、しばし敷き詰められた庭園の玉砂利の如く・・・であった。たっぷりかかった登攀時間であったが、紛れも無くその石舞台の上でもオッサン2人は立っていた。

   
最終ピッチへ向かう小松の親分 石舞台に立つ「水曜登攀隊」(^_-)〜☆
  

 下山報告をママに入れた。「温泉入って来るんやろ・・・。夕食は?」と、いつもの会話に、抜けた魂が戻った気がした。続いて、当然仕事中のnama会長へ報告を入れる。嬉しそうに「よし!また、報告をHPへ入れておけよ!」と言ってくれた。
 帰路、いつもの温泉に浸かる。あちこちヒリヒリしている感覚が、なんだか嬉しい感じがした。

    
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