2003年7月9日 「比叡山/T峰・第2スラブノーマルルート」宮崎県
今年の梅雨は、本当によく降った。「行くぞぉー!」の掛け声も、毎回の雨天中止状態に、イライラ感が蓄積されてきた。・・・と思っていたら、猛暑の天気が数日前から始まる。(@_@;) 今月は、シフトの関係で水曜日に積極的な休みとなっている、山の会・事務局同級生コンビ「川キョン先生」と、2回目のクライミングとなる「ヨネヨネ」が参加。早くに取り付けばと思うも、日はグングン高い位置になってきた。
さぁ、取り付き。ヨネヨネの顔が引きつっている。 水流ちゃんのリードで「お願いしまぁーす。」
第2スラブへは、いつもの第1スラブルートが1Pで左の草付きへ行かず直上する。先週の濡れた岩と比べると、同じ場所とは思えないほど快適にガシガシ登れる。35mで平行ピンを迎える。もうすこし登って立ち木で切ってもいいが、9mmの50m赤ザイルと、なぜか47mの青ザイル・・・届かないと悲しいし、どうせ切らないと3Pへの取り付きには届かない。 いよいよ第2スラブノーマルルートの核心となる3Pの基部に来た。左端は1.5スラY-級、小松の親分に登らせてもらったルートである。中央には2スラスーパーZ級が引かれ(^^;、右端に2スラノーマルX+級である。私の経験上、X+級をリードで登った事が無い。努力と経験不足の自分には、やはり手強いグレードであるが、どこかで克服しないと登れるルートが限られてしまう。思い切って川キョン先輩の胸を借りる事にさせていただくが、「トライするわ!」と言ったものの、初見でX+級の初リードは怖いのが正直な気持ちである。
感想は?・・・と聞かれると「途中で逃げ出したくなった。」「恐かった。」の後に「ヤッタァー!」が来る。練習不足は隠せない。傾斜と乏しいスタンス・ホールドに、何度も指の力が抜け、剥がされそうになった。もう、滑らない・・・落ちない・・・と信じて登りきった。一番厳しい場所で強い日差しに照らされ始めた。止めたい気持ちと、折角ここまで来ているのにという気持ち・・・、正に精神面に強く左右されるのがクライミングだと思った。小さいテラスのビレー点で、深呼吸をした。凍らしたお茶の旨かった事・・・。 下を確保する体勢を完了させ、「登ってよーし!」と叫んだ。私のX+初リードも大変かもしれないが、次に登ってくるヨネヨネも、クライミング2回目で初のX+である。しかし、ノーテンションで上がってきたのには驚いた。最後に川キョンが、ヨネヨネの落としたヌンチャクや、私がかけたフレンズやらを回収して上がってきた。しかし、灼熱の太陽が頭にくるほど照りつける。1Lの水分を摂取してしまった(´ヘ`;)
4Pを登るヨネヨネだが、「おーい!ルートを外れているぞぉ・・。」心理として、優しそうに見える方に行きたくなるのは判るが、ピン方向へ行かないとザイルがヌンチャクから外れないのだ(^o^; とかなんとか言いながら、笑顔でヨネヨネは登ってきた。
5Pは、傾斜の緩いスラブをかぶり岩まで登り、草つきを右へトラバースしてテラスへ立つ。私とヨネヨネが同時リードで登り、川キョンを迎える。冷えたトマトを3人でかじる。
6Pをリードした川キョン、立ち木でビレーしているのだが、猿が嬉しそうに木に抱きついているようにも見えない? ・・・おっと先輩、失礼いたしましたm(_ _)m
比叡山・南面T峰は、夏には過酷な暑さになる。やはり登攀開始は日の出でなくてはならないと思った。また、今年の目標にしていたX+のリードクライミングは、Tスラスーパーの核心に置いていたのだが、今回、とうとう初見でリードに挑戦できた。やはり、川キョンのビレーがあるからであるのは明白である。私は、彼女の生徒であるのだが、挑戦する意識も培われてきたのだろう・・・。とりあえず、今の正直な感想は、「もうしばらくは、この2スラの核心のリードは恐くて間を開けたい・・・。」って事。今も、本当に私がリードしたのか自分ではまったく信じていない。
5:10自宅発--7:30比叡駐車場--もたもた準備--8:10登攀開始--12:30終了点---昼食---13:30下山--V峰見学--16:30門川温泉----19:00自宅着
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