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投稿レポート

2002/08/3〜4+08/18
西都山岳会「川キョンさん

このレポート・写真の著作権は、「川キョン」さんにあります。
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8月度ミツバレポート

鹿納谷沢登り報告/2段

宮崎県/鹿納山

メンバー/NAMA,ZEN爺,梅ちゃん、マッキー,ジッチャン,ありゃま

『今回の沢はすごいど〜。ゴルジュはあるしめったに行けんとこやし、行かんかったらアホやわ!!』
6月に登った鹿納山の枯れ沢の下部になる。下部のほうが絶対おもしろいと、その時から今回の案がででいた。リべンジなるか。

8月3日(土)天気は晴れ。西都を6時出発し8時鹿川着。なつかしの綱の瀬荘(もはや朽ちかけていた)を通り過ぎ綱の瀬川を越える。沢登りの身支度と今夜のキャンプ用品と荷物を分けて本日の終了点近くの林道まで車を1台回しに行く。

9時30分入渓。連日の猛暑がウソの様、入渓したときの水が何とも心地よく、空の青さと緑の木々と透き通る水。なんと広く大きな明るい沢だ。無色透明色にエメラルドグリーン色にバスクリーン色。はじめの内は大きなゴーロが続く。釣師NAMAさんの後ろをユックリついていくが、30分くらい進んだところで、釣竿の先端がポッキリ!早くも釣りはここまでで終了。(あ〜あ〜 今夜のヤマメの塩焼きは幻かあ・・・)
小さなナメのすべり台がチョコチョコ現れ、そのたびにキャーキャー楽しんで水の中にザブン。自称:娘っ子たちは大はしゃぎだが、なかなか前へ進まないので、最後尾の梅ちゃんがしびれをきらし、
「先はまだまだながーい。いくどー。いくどー」
と声をはりあげる。
淵が現れるとNAMAさんが釣りのジェスチャーをしてうなじを垂れる。絶好のヤマメのポイントがあるわ、あるわ・・。

コ−スタイム ・


明るい渓相


エメラルドグリーンの淵


 乾いた岩はすべりにくく大きな岩をポンポン飛んでいく。以外と身の軽いZEN爺。下手すると滝つぼにドボンというところをヒョイと飛ぶ。臆病なのはマッキーと足の長さが気になる私はおそるおそる・・・。
12時ようやく二股に出る。ここで昼ごはん。ここから左が鹿納谷になるようだ。梅ちゃんとNAMAさんが地図を広げて真剣に検討している。文明の利器のGPSを取り出して間違いないことを確認。ここらで、もう寒くて寒くて震えが止まらない。岩に寝そべって日向ぼっこする。
 13時左の沢を進む。沢幅が少しずつ狭くなっていくのがわかる。地図で現在地を確認しながら滝をまっすぐ進む者、安全地帯を進む者、自分でいけそうなところを探して楽しみながら遡行していく。いよいよゴルジュ帯、本日の核心?に入っていくが深すぎてまっすぐ進めない。はるか右上方へ林道が見えてくる。距離が50mはあるかなあ。結局左岸を高巻くと沢ははるか下方に・・たぶんアトちょっとで終了点のはずであるが、藪をこいで斜めに進んでいくと道がはっきりしてきて林道にでる。赤いテーピングあり。ここから降りた人があるようだ。


風呂と違うって!


終了点も近い

 16時、本日の遡行終了。本来なら車がもっと上まで入る予定だったが、林道途中が先日の台風で土砂崩れしており、その手前の滝のところまで。林道を30分ほど歩いて車をデポしたところへ到着。
明るいうちに夕食の準備テント設営、男性組は下へ置いた車を取りにとそれぞれ作業開始。
「えっへっへ。実は釣竿もう一本あったんだ。」
と誰かさん。夕まずめ狙いにいそいそでかける。今夜のメニューは、キムチ焼きそばにしゃぶなべ。早々に下ごしらえも済ませ、石のいすに円陣組んで男性人を待つ。今夜も期待の梅ちゃんビールは日が浅く、ありゃまちゃんご希望のエビスビール。梅のワインを忘れたと鹿川の唯一のお店で赤ワインを仕入れた2人が帰ってくる。釣りキチは放っておいて乾杯!!。おいしく仕上がった、しゃぶなべを頬張る。程よく出来上がった頃、腹をすかしたNAMAさんが帰ってくる。坊主か?と思いきやなんとヤマメが10数匹。幻ではなくなった。鹿川で養殖でもしてたの?との声もちらほら・・・
 梅ちゃん料理長がぶつぶつ言いながら腕を振るって刺身を作り、
「フライパンじゃうまく焼けぇ〜ん!」
とジッチャン。それでもヤマメの刺身に塩焼きにバター焼きができあがり贅沢の極み。『世は満足じゃー!』クーラーも扇風機もいらず満天の星をながめて夜が更けていった。


ZEN爺・・・修行僧にも見える。


生まれて初めての懸垂


8月4日(日)6時。すがすがしい朝を迎える。
今日の行動はどうしよう。昨日の終了点に戻り深いゴルジュの中を見てみよう。沢登りではなく沢くだり?と話が決まり、釣師梅ちゃんと、体調不良のマッキー組みが最終地点でソーメンを作って待つことになる。
8時半、二手に分かれる。藪をこいで沢へ下りる。5bほどの滝とスプーンカットの大中小の滝壷?が段々になっている。滝にうたれるZEN爺。まるで露天風呂に入っているように水に浸っている面々。いよいよゴルジュの中だ。ここからザイルを出して滝下りをしていく。ZEN爺が『写真』『写真』とせがむ???。
「こんな体験二度とないかもしれんから俺を撮ってェ」
「ハイ了解」
シャッターチャンスを狙って待ち構える。さあここだというときに画面が真っ暗。電池切れとは(ああ無情)
リッチャン、ありゃまチャンも初体験の懸垂下降。慎重に下っていくが着地がうまくいかず水圧と奮闘する場面もあり、思わずヒヤリ!。最後はザイルをながーくながーくのばして、バスクリーンより濃く深い滝壷へ。岩からNAMAさんが飛び込む。沈んだまましばらくあがってこない。
「あれっ、カッパかな?」
と思ったら、白い帽子を手で押さえながらスーッと、浮き上がってきた。続いて自称娘っ子たちも飛び込み、がたがた震えながら泳ぐ。ZEN爺は滝の上から高見の見物。あとはザイルを頼りに今朝来たところへ戻る。1時間半くらい遊びに熱中していた。後で聞いた話だが上の林道のほうで見ていた梅ちゃんとマッキー。なかなか進まんし、動かんし・・・
「なんしちょとやろか?」
とイライラしていたそうな・・・。
11時。さあ二人の待つ場所まで急ごう!これから先は快適なナメ滝登り。自然の造形とはとても思えない、言葉では表せないほど美しい。ほんとにここは宮崎の山奥だろうか?
12時最終地点に到着。待ちくたびれた2人と合流する。釣りは散々で、ルア−のすぐ横を山女魚がそっぽをむいて通り過ぎて行ったとかでくやしがっていた。
滑らかな岩の上でランチタイム。ソーメンを茹で、網で水切りをしようと沢の中でNAMAさんがスタンバイ。「あっー!」声とともに皆一斉に注目。熱と重みに耐えかねて網がやぶれソーメンが沢の中に消えた。ZEN爺、梅ちゃん下流へ走る。ジッチャンとありゃまちゃんはもぐってソーメンのつかみ取り。みんなの真剣な顔と落胆振りに大笑い。半分はヤマメのえさになってしまった。これぞまさしくソーメン流し。清らかな水底にソーメンがしずんでいる。おわんとはしを持って梅ちゃんがすくいに行く。
林道を歩いて車の所まで・・・、昨日から沢で冷やしておいたスイカをほおばって帰路につく。最後の最後まで笑いの耐えない沢登りで夏の疲れを吹き飛ばす大満足の2日間だった。

 同じ日に別の沢に入っていた延岡の山仲間であるNさんの訃報を聞いた。悲しい事故だ。今回もヒヤリとする場面が何度かあった。沢はちょっとした油断がほんとに命取りになると改めて思い知らされた。明日はわが身。同じように山を愛する者の教訓として肝に銘じ、冥福を祈りたい。

【報告・川キョン】

8月18日 鹿納谷「8/4の未遡行部を登る」

 

なぜだか笑う!

マッキー、ファイト一発!

滝左をへつる

間もなく終了点


【おジョー様方】白/チーチャン・青/倉ちゃん・赤/ろみひー・青/マッキー

 【報告・NAMA】 

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