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投稿レポート

2002/03/16
西都山岳会「NAMAさん

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月度ミツバレポート

雪降山西尾根登山報告

宮崎県西都市/古里の山歩き

メンバー  NAMA・マッキー・川キョン

雪降山の位置→マピオン地図

 銀鏡に来るたびに思うことがあった。
 銀鏡の集落をすぎて銀鏡川右岸沿いの道路を車で2・3分登ると、右手に雪降山山頂に集まる急峻な尾根の群れが見えてくる。一見、中国の桂林を思わせるそんな景色が眼前に迫ってくる。「此処を登ってみたい」いつもそう思っていた。
 先週、樋口山に登るのに此処を通ったそのときに、来週は此処を登ろうと決めた。
 雪降山は、どこから登っても急峻な山だが、登内地区の方からはやや緩くなっている。一般登山道はこちらからになっている。標高こそ990.4mだが、たくましく男らしい山である。だからこそ1000mに満たないのに雪降山(雪は降らないのに?)と立派な名前があるのだろう。
 平成2年春にわが西都山岳会で山開きを行った山でもある
 銀鏡の集落を過ぎて少し行くと征矢抜の集落だ、そこを過ぎるとすぐの所に川沿いに広くなっている所があり、吊り橋がかかっている。そこを渡ると柚の畑となっている。その中ほどが西尾根の取り付きとなる。此処の標高は285m。林道があっちこっちと張り巡らされた今時、この高さからの登山も珍しいと思った。頂上までの標高差は705.4mもある。
8時45分登山開始。
 尾根に取り付くと、足が滑りそうなくらいの急斜面だ。そこを30分ほど登ると最初の岩壁(390m地点)がでてくる。逆層でもろく、ブッシュまじりの岩はル−トファイティングが難しい。おまけにいつ落ちるか分からない岩が所々にある。正面に3mくらいのチムニ‐がある。そこに入り奥にフレンズをかませて右側にのり越えると、後は木登りクライミング、ザイルピッチで15mくらいだった。
 このあたりに来ると岩ツツジがいたるところに咲いている。おまけに春の風が心地良く吹き、最高のクライミング日和だ。
 またしばらく登ると2番目の岩場だ。ザイルピッチで20mくらいのこの岩場はあまり大したことなかったのだろう、どのような場所だったのか記憶に出てこない。残念だ!!。
 3番目の岩場は560m付近でこのル−ト最大の壁だ。尾根の真中はフェイスになっててなかなか取り付けない。右側に回り込めば逆層の岩で大きく切れ込んでいる。左側のブッシュとドロ混じりの壁に取り付き、小さな木の根っこをホ−ルドに10mくらい登るとその上は逆層のフェイスで手が出ない。右に大きくトラバ−スすると下のほうは体がすっぽりと入る4mくらいのチムニ‐がある。そこに入り込みフレンズをかませて右側のフェイスに出て直上すると終了だ。ザイルピッチで30m。此処がクライミングの終了点で標高約600m。全体の岩場のグレ−ドは4級ぐらいだろう。此処までの所要時間は4時間。

 こういった場所でのクライミングはジグザグにル−トをとったりするので、ザイルが引っかかりやすくなり滑らなくなる。そうなるとザイルが重くてたまらない。
 ここらまでは後ろを振り向くと銀鏡の舗装道路が真下に見え高度感も結構ある。そして、毎年山開きをする烏帽子山の全容が見える。どこまで山が伐採してあるかはっきりと分かった。
 此処から先は単なる樹林帯の急な尾根で、ただひたすら登るのみである。が、たまに岩ツツジの群落が目を楽しませてくれた。一般道の稜線に出たのが14時20分、頂上に着いたのが14時30分。

 雪降山は平成2年に山開きをした山で、標柱が立っているかどうか気になっていた。着いてみると立派に立っていて文字も綺麗に読み取れ、我が西都山岳会の名前が書いてあった。その横に古い標柱が立っていたのでよく見てみた。すると昭和41年西都山岳会と書いてある、我らの先輩達が立てたもので当時の県民体育大会の時のだろう、とっても懐かしかった。私もそのときは在籍してたが、担当したコ−スが違ったのでこの標柱には記憶がない。
 15時に下山を開始した。一般登山道も含めて、どういうル−トを下ろうか迷ったが、登ってきた尾根の一番下りやすそうな尾根を選んで下ることにした。
西尾根の下りは、気をつけなければならない。痩せ尾根特有の急峻で細い、それに樹林帯の尾根は見通しが利かず間違いやすい、くれぐれも尾根を踏み誤らないように細心の注意が必要だ。

 西尾根の最初にある右側の尾根を下ることにした。この尾根は岩ツツジの宝庫であるかのように咲き誇っていた。2箇所の(それぞれ15m)懸垂下降をへて急斜面を下り沢へ出る(17時水分補給)。そこからいくつかの尾根を横切り、再び沢に出る(17時40分)。そこは本流(銀鏡川)との出合いだ。本流を渡渉して登山口に18時着となった。
 今回の登山はきつかったけど地元の山の険しい部分にチャレンジしたと言う満足感もあり、ひじょうに楽しい山行だった。
小さい山だが、標高差700m登山時間6時間15分、下山時間3時間は古里の山を堪能するに充分だった。
 【報告・NAMA】 

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