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投稿レポート

2002/09
brookさん

このレポート・写真の著作権は、「brook」さんにあります。
無断で転写・転用を堅くお断りいたします。

「源流釣り+茸狩り」レポート
山形県朝日連峰○×川

 さぁ出発!9月最終週だよ。源流釣りへ! 渓流釣りは、殆どの漁協が10月より禁猟となってしまいます。今年最後に相応しい場所、山形県朝日連峰○×川(川の名は明かしません。危険な為)へGOGO!!
 26日、仕事もそこそこにお昼には行方不明。でも、殆どの人は知っている9月末の私が行方不明になることを!
 ガソリンスタンドで「軽油満タン」。お兄ちゃんが、「今年は、何処行くの」と聞いて来た。「山形」と答えたら、目を丸くしていた(笑)。 軽油満タンOK!エンジンON!あぁ toto(サッカークジ)買って無い。「悪いK君、タイヤのエアー見といて!」
「おばちゃん、toto。」 危ない所でした。「お願いエスパルス勝ってねぇ。」と心の中で祈りつつ。「1200円」
 家に、帰宅してシャワー浴びて出発です。途中、釣具屋に寄って予約していた餌をゲット。「brookさん、今年はどちらへ」またや!なんで!「○×川だよ」「すげ〜ぇ」 平日のお昼です。「げぇ」店員が集まって来ます。 「帰ったら報告するから」「行ってきます。」何とか振り払い。ルート1でインターへ!
 マクドで月見バーガーをゲット!東名で一路厚木ICまで。 途中、トイレ休憩入ったけど割りと早く到着です。八王子向けてGO!
 途中、マクド寄って月見バーガーを2個ゲット。9末です。月見も、もうすぐOFFに入ります。食いとかな後悔する。
 八王子の熱帯魚ショップ寄って!ネオセラ居ました。20cmサイズは微妙です。
★になってしまうケースが良くあります。
 そして、後輩SO(黒部源流に付き合ってくれた良い奴です)宅へ・・・。部屋は整理整頓されていない。とりあえず、ザックのパッキング。寒いかなぁ。シェラフ200gにしよか500gにしよか?悩みます。結局200で、シェラフカバーあるから何とかなる。
 参考までにザックの中身、シェラフ(ダウン)200g、シェラフカバー(ゴア)、エアーマット、レインウエアー(ゴア)テン場用、レインウエアー(ゴア)お出掛け用、長袖Tシャツ(ダクロン)テン場用とお出掛け用を各1枚、半袖Tシャツ(ダクロン)、フリース上着、靴下2枚、パンツ2枚、タイツ、タオル、サブザック、菜箸、ヘッドライト、カメラ、釣具、餌、ビニール袋、ビニールシート、ナイフ、テープ(ザイール代わり)、ライター、携帯食、ペットジュース、お酒を2種類、トイレットペーパー2ロール(多い日も安心)と言ったところです。これでも、既に80Lザックの2/3は埋まってしまう。80Lザックはピーンこないでしょう。では、60cmスタンダード水槽と40cmスタンダード水槽を合せた容量です。そこに、共同装備と4日分の食料とビールが加わります。
 では、吉牛大盛り食ってSAさん家へ、ここで車を乗り換え一路、埼玉市へGO!このSAさん、タフです。毎日25`自転車通勤です。凄過ぎ!スキーのモーグルも超ウマ。源流に同行するのは初めてですが、足手纏いにならない様に。
埼玉市で、もう一人乗車です。私が憧れていましたKさん。この源流釣りをやっている人で、Kさんを知らない人は居ないでしょう。私以外の3名は、その筋の本で活躍されていましてSO君の力でなんとか同行出来たのです。
Kさん現れました、かなりお酒が入っています。きっと後は寝てくだけです。イメージ通りです。東北道に入る前に、行動食2回分調達。Kさんは、お酒類2回分と言ったところです。持参されてクーラーにも非常酒がストックされています。かなりの「ツワモノ」!!山形道に入り、私が運転です。インター降りてからKさんが誘導してくれましたが、かなり不安です。SAさんが起きてくれまして、寝ながら案内して頂きコンビニの駐車場で「ご就寝!」  「大丈夫???」 「こんなところで寝てしまって!!」「おやすみ」
 決して、晴天と言えない朝です。車止めまでの林道を意識は朦朧とドッタンバッタンと揺られながら! 車止めには、10台程度駐車して有り、地元の車が7割ぐらいです。殆どが「キノコ取りの車でしょう。」と願いつつパッキングです。 おぉ重たい!マジ!一人500のビール4缶に食料と共同装備が加わった。
 でも、行かなくては私の名札付けた「大イワナ口開けて待ってます。」 時計は、9時を指しています。かなりまったり出発!!家から片道800`遠くへ来ちゃったよ。 明日は、子供の運動会行けるかなぁ←行ける訳無く。

 


入渓準備


初日の舞茸

 
 スタートしてから、我々の後ろから釣り人2名。秋田からやって来られたそうです。 きっと、山形からは近いのでしょう。
  途中で、おねぇちゃんを発見? いや、ここは正直に、かなりのおばあちゃん発見。大事そうに、籠を抱えている。あれ、マイタケ!舞茸だよ。しかもデカイ!!!! 一同皆、こう思った。おばあちゃんが取れるのだから希望が持てる。
  総帥Kさん、「行けば120%舞茸はある。」
私以外のメンバーは、天然マイタケの味を知っている。私は、雪国マイタケの味しか知らない。少し前進したのち、後ろの2組をやり過ごし後に。マイタケ取り開始。この第一ポイントは、長年この時期に通っているKさんの指示の元。SO、Kさんは下へ。SAさんと私は、上へ。かなりの急斜面です。立てない。上手く登れない。木の枝を掴んで這い上がり、ひたすらミズナラの木の周りを捜索。SAさん、マイタケに対しての情熱、執念等が今年はバージョンアップしているらしい。「先に降りて下さい。」と言い残し、30分以上帰って来なかった。後に、SAさんは「マイタケマン」の称号を得たことは言うまでも無い。凄いぞ、天然マイタケ!! 
 呼んでも返事が無い。ホイスルを使うが応答無し。SOは、現場で待機。
300m程度しか進まず第2ポイントを捜索中に、SAさん通過。SOと合流し、三人で一回目の給水場所へ。沢の水が美味い。と4人で辺りを見回す。
尾根づたいで登れば、アクセス可能な場所に、ミズナラが・・・マイタケマン出動!
 数分後、「あった〜!」の声。その後、更に捜索している様子。また、帰って来ないぞマイタケマン。どうやって降りて来たか定かでは無いが凄い崖を手ぶらで登場。 有ったが、「もう少し育てたい。」開いていないそうだ。総帥Kさん、「帰りには無い」と判断。私とSOがカメラを持って同行。2株ゲット。小さい株は、帰りのお楽しみ。
 今日の夕食のメニューは自然にマイタケカレーに決定した瞬間であった。
 その後、昼食予定地の渡渉点まではマイタケマンが探しながら遥か彼方へ飛んで行った。私は、慣れないトラバースの為で足の親指が詰まってしまい下りに痛みを覚え、休憩を余儀なくされた。Kさん、SOには迷惑を掛けてしまった。
 かなり下に本流がチラリと見え隠れする。きっと、100mは有る。足ひとつ分の道幅しか無い。落ちたら本流までストッパーが無い箇所も増えて来た。登山道とは違う。
 更に崩れている箇所も足のやり場に困ってしまう。登山靴では、無く。ウェーディングシューズなのでシューズの中で、指が遊ぶ。「痛い痛い」と自然に声が出る。
 渡渉点手前に、一人テントを設営。どうやら、出発点の2人組では無くお互いソロの様です。
渡渉点にマイタケマン、いやSAさんの姿があった。本流は減水している為、難なく渡渉出来たのだが、明日からの天気を考えると「帰りはどうなるの」と不安が過った。
総帥Kさんは、トラロープが以前張って有り、途中でロープが切れ。しがみ付く形で対岸まで辿り付けたらしい。良かったです。渡った方のロープが切れて、渡ろうとしてる方でしたら帰れませんと心の中で納得!!
 昼食を早々と済ませ。マイタケ・ミーティング、この渡渉点よりマイタケ・パラダイスが待っている。マイタケ総帥の指示の元、マイタケ部会の活動開始。
しかし、私達マイタケ部会は発見することが出来ずに時間が過ぎて行く。部会のメンバーの顔に焦りの色が?きっと減水した本流を渡渉して来たキノコ取りがチェックしたのでしょう。現にこの辺りは、先週別の源流クラブのベースキャンプ場になっていたそうである。
 また、辛いトラバースとその時、先頭SOが、「ちょっと見て来ます。」と急斜面を這い上がる。居る筈の総帥Kさん、SAさんの姿も後方の森の中!
少し休憩、親指が痛い。後方には、無かった様でKさん達と合流。「SOは、」「上です。」上から「あった〜」とSOの叫び声!!!しかも、「デカイ」「入れ物持って来て」「4株ある。」総帥に「行って来ます」とSAさんと私。ニコニコしながら、コンビニ袋をザックから取り出し。いざ、上へ。上へ。
 SOの声はするが斜度がキツ過ぎて、姿を確認出来ない。ようやく発見。
流石マイタケマン!既に現場で「デカイ」「デカイ」の連発!!!
 かなりのツワモノです。マイタケ群を見た瞬間。「でか〜」と私も叫んでしまった。
きっと、この瞬間です。マイタケ部会の一員と実感した時でした。
 記念撮影。顔の2倍はある。これよりデカイの物が有るそうです。普段、郷ひろみの雪国マイタケのパックしか知らない私にとって。これから始まるマイタケ三昧、マイタケ地獄が訪れる事など知らずに収穫を祝っていたのでる。


テン場


さぁ!舞茸の森へ

 
 なんとか、親指の痛みと細かな休憩を入れて貰い。マイタケ部会ベースキャップ地へ。時計は3時半を回っていた。初めての私には工程時間はさっぱり把握出来ない(汗)。
 タープを張る位置と焚き火の位置を確認。しかし、ゴミが乱雑に捨ててある。
こんな、綺麗な森なのに残念だ。この私以外の三名が、一昨年、会のメンバーとその有志一同で清掃山行(渓流シーズンOFF時)に来たそうだが2年でゴミは溜まる。少し悲しい気持ちに。
 何故か、木の脇にデポされたグランドシートが立て掛けてある。不思議な感じがする。あっと言う間に、設営完了。薪を確保。炒めたマイタケが、カレーの具へと消えて行き、その天然マイタケの美味しさに魅了されていった。美味い。バター炒めもgood! ビールで乾杯してからは、まったりとマイタケに舌鼓。初日の疲れも有り「ご就寝」と思ったら「蚊」と「総帥の鼾」で2時間は床に付けなかった。
 恐るべき源流。
 遠くで川の流れる音だけが聞こえたのも束の間、雨がシトシト降り出した。
寝る前は、星空がブナの葉から見えていたのに。明日は、やはり雨なのか?
 釣り出来るかな。


ジャーン!舞茸


おっと恐い、熊の○○

 

 源流の朝は、早く無い。7時半起床。SOがコーヒーを入れてくれている。Kさんは日本酒を。コーヒーのいい香りで、私は目覚めた。朝から、小降りだが雨は止みそうに無い。朝食は食長のSOが作ってくれます。昨日の残りを利用したマイタケドライカレー。お任せして、水汲みとお手洗いを済ませます。雨は止みそうにありません。 他にデポしてあったグランドシートで焚き火の上にタープとして設営。
かなりまったりと時間は流れ。10時過ぎ。釣りには行きそうに有りません。
 昨日のマイタケを隠します。マイタケ採りに採られてしまうそうです。彼らはプロです。
 11時、テン場の裏山に舞茸取りに何故か出発。4人である程度の間隔を保ちながら上へ!上へ!!しばらく歩くと鹿のフンが・・・良かった踏まなくて!
 フラッシュの光が・・Kさんの姿が見えます。写真を何枚か撮っています。
「有りましたか?」首は横に。種類は分かりませんが、老木にきのこがいっぱい取り付いています。きっと何年後にはその木は倒れてしまうのでしょう。
 ミズナラ、トチの木の寿命は2・300年だそうです(確信が持てませんが)。
 それから、急斜面を駆け上がってもミズナラは数本しか見つかりません。
いつの間に、総帥の姿が無く。隣を散策している筈のSOは最初から見えません。どうしよう。心細くなります。尾根に出ようとしたその時、総帥が「向こうを探しなさい」と一言。また、谷側の捜索に。滑ります。そこで、一服!!! こうなったら、頂上目指して!!! しかし、総帥が「8合目までしか、舞茸は無いよ。」と言っていました。8合目は、何処。今、何合目。とかなり不安。 とりあえず、上へ。掴まえる枝が有りません。斜度は、60度から70度。殆ど新品のレインウエアーが汚れていきます。雨で更に滑り易く。 少し登って様子見て、ミズナラの周り見て、掴まる物が無いので視界は広がります。おっとヤバイ!鹿の糞です。「かなりのチョコボールが落ちています。」頭上も開けて来ました。だんだん、この木は、ミズナラ?と疑い始めたその時です。今までで一番の急斜面に群生しています。「鹿の糞」じゃなくて「舞茸」!! あまり斜度のキツイところには、無いとも聞きましたが、この下の角度から見る限り3株はあります。下からはアクセツ不可能。一旦、上に登ってから。気持ちは、焦りますが遠回りしなくては行けそうに有りません。かなりのすり鉢状です。登っては落ちて!登っては、転んで!!何とか木の根元に辿り着きましたが、 このミズナラ、雪の重みで、根から下に向いて伸びてから上に生えています。他の木の枝を掴んで下ります。舞茸3株確認。サブザックの中に、ビニール袋。出せません。落ちそう。再度、根まで登ってザックより袋を取り出し。ウエアーのポッケに。下って左手に木の枝、右に舞茸。シマッタ!!!写真!写真!!!!またまた、登ってカメラ片手に下ります。写真をパチパチ。一株採っては、上に登って下ってと忙しいです。私は動物園の猿か?もしかしたらと思い木の反対側を見ましたら、2株あります。反対側は、掴まる所がありません。仕方無いので、ミズナラの木を跨ぎながら下ります。改めてこのミズナラを観察したら、象の鼻の様に一度、下がってから上に伸びています。
 上見たらSOの姿がちらり!大きな声で「あったぞ〜」「応援いります?」「なんとかなる」「上見てきます。」その瞬間。足が滑り!必死で木にしがみ付く。危機一髪。見た目よりも大きくようやく、1株を袋に。上でSOと合流した。僕採ってきますの一言に甘えてしまった。結局、木の根にも小さいのが2株あった。SOも量は、少ないがあったらしい。あとは、マイタケマンと総帥に任せて下ることに。SOが登って来た尾根沿いを下る。
 SOが確認した筈のミズナラも再度二人で再確認。基本ですね。
 途中に熊の糞が2箇所もあった。テン場から、直線で100m地点にも、新しそうな落とし物が・・・。こわ〜。森では、動物の糞を踏んではいけません。靴に付いた糞の匂いで、その種のテリトリーを荒らすことになるからです。
 なんとか、テン場に到着。やはり総帥とマイタケマンは帰っていない。メシの支度時に、総帥がヒラタケやらを採って戻って来ました。誰か入った形跡があったそうです。残念。 私の収穫を総帥に誉められる。素直に嬉しい。かなり嬉しい。
 2時過ぎと遅めの昼食です。メニューは、舞茸和風スパ。
 3時過ぎ、マイタケマン帰らず。
 3時半、軽そうなサブザックで登場。
私のマイタケを見て、「やったじゃないですか」「これでマイタケ部会の幹部です」
知らなかったこの会に幹部制が引かれていたとは。 マイタケマンも5株あったらしいが、「もう少し育てたい」と採ってこなかったらしい。この雨だから、改めて山に入る人は居ないでしょう。25000の1の地図にマイタケの在りかをチェックするところは、流石です。
 食事が終わる頃には、雨は止んでいた。せっかくだからとSOと私がテン場したに向かう。日の暮れるのも早いので、時間は無い。SOが竿を出す。あたりは無い。増水により渡渉も釣り上がるのも下がるのも無理と判断。先に上でSOが釣り終わるのを待つことに。テン場からでもきっと見えると思いテン場に戻る。3人でSOが上がって来るのを待つ。 しばらくしたら、SOのホイスルの音は鳴り響く。SAさんが、「流されたか?」 SOは、泳ぎは上手く無い。三人に緊張が走る。総帥は、お酒飲みながらテン場で待機。SAさんは、つり場へ。私はテン場の高台からSOを探す。SOが上から歩いて来た。私の位置が知りたくてホイスルを鳴らしたらしい。早速、SAマイタケマンに知らせに行く。居ない。再び上に。テン場に戻って焚き火にあたっていた。安心。どっから上がったの???やる事の無い私は、再び下に降りてSOの竿を出したポイントに糸をたらす。反応は無いが竿を出すだけで落ち着く。
 日暮れが近いので、テン場に戻る。このガレ坂を今日は何往復したのだろう。疲れてしまった。ま、私がこの騒動の原因だから仕方が無い。水を汲みと私に遣れそうな事は、しなくては!明日は、釣りに行きたい。
 ビールで収穫を祝う。総帥が、舞茸を初めて見付けたら、「踊らないかん(笑)!!」 「踊れませんでした。(笑)」SOが「あそこで踊ったら無傷じゃないですよ(笑)。」「今度、見付けたら気合入れて踊ります(笑)。」大収穫で、笑いが絶えない。
 夕食は、舞茸チゲ鍋と海藻サラダとキノコ汁。メインは、マイタケマンが持って来た
「大笑い茸」=マジックマシュルームである。総帥は、食べたが苦いだけだったそうである。テン場で落ちていた網で焼いてみる。これも経験。一口、苦い。収穫でニコニコしていたが、特別大笑いは無かった。マイタケマンが一番多く食べていた。変化無し。 「恐れるに足りない大笑い茸」であった。
 あつあつご飯にチゲ鍋は、温まる。総帥から「キノコ汁」はもう少し炒めてないと注文が入る。しかし、「SOの食長は初めてだが良い」とお褒めの言葉。SOも嬉しそうである。
 明日の計画が、立てられた。
 議題に、私の人選が間違えと言う話題に。これでは、舞茸採りでしか無い。
もう一人の後輩Hと行けば、「釣りオンリー」私が「人選間違えました。」と話したら
大笑い茸の効果か。爆笑してしまった。
 朝食たべたら、マイタケマンは雨降ってなければ、マイタケ回収。3人で本流から沢を釣り、後からSAさんが追う。合流して昼食。
 その夜も、鼾と蚊に悩みまがら床に付く。釣りできるかなぁ?
深夜、雨が振り、風が出て来て、タープ内に振り込み寝苦しい。
「釣りできるかなぁ?」

 

 


豪華な舞茸三昧料理


岩魚の刺身

 

 3日目。今日もコーヒーの香りで起床。とりあえず、雨は降っていない。
雨で濡れたものを干して。今日の朝食は、舞茸ご飯。総帥が言う様に、ごぼうの香りに舞茸の香りが負けてしまた。ごぼうは入れないと学習。マカロニサラダが美味しい。総帥に誉められるSOでは、出発です。SAさんの大事なドバミミズを分けて頂きます。デカイ。SAさんは、マイタケマンに。我々は、本流に向かいます。マイタケを隠して!!マイタケマンは、「留守番しているかも知れないから、どんどん先に行って下さい。」との事でした。「来ないのかなぁ」私に「ここ一番でドバ使って下さい」と言い残し山へ消えて行った。
 本流には、昨日下ったガレ沢より奥のこれまたガレ沢を下る。それ程の増水は感じません。 7mの竿を初めて使う。春に購入したが、黒部に持っていっただけで。やはり少し重い。仕掛け作って。SOは、先週の仕掛けを使う。SOは、毎週何処かの源流に入っている。失業中のSOは、時間がたっぷりとある。この生活していたら、当分、社会復帰は無理と思われる(笑)。
 気持ちは、焦る。Kさんは、川原からキノコを物色している。竿は、出さないのかなぁ。よし出来た。と最後にラインの余りをカット。「げげげぇ仕掛け切ちゃった(涙、涙)」 Kさん、SOとの距離が開く。仕方が無い。追いついてから作ろう。ここまで、ドンくさい自分に会うのは、久ぶりである。出来れば、会いたく無かった。焦りからか?
 再度、仕掛けを作り直し、スタート!SOは、尺前後の岩魚を連発する中。当りすら無い。Kさんから、バッタを貰い。「釣れるから」と励まされた。
 この時、今までの自信が砕けてしまっていた。当りはあるが乗らない。苦悩の本流は直ぐに終わり、雨で溯上した大物を狙いに沢に入る。竿を6m竿に換える。予め6mの仕掛けは用意してあった。Kさんが、「竿を貸して」とひと振りしたら34cmの岩魚が付いて来た。凄い。SOと私は、目を丸くして言葉を失った。
 今の時期、「瀬のこの辺りで釣れる」と教えてくれる。それから、SOと私は、順番に魚を上げる。私が、釣ったらSOが、私の前に行き釣りをする。サイズは9寸止まりだが、食べごろサイズである。SOが特に綺麗な9寸を上げた。昼の刺身に決定。
 F1では、私が入った。当りは有るが乗らない。当りは、その都度違い。明らかにサイズは落ちていった。3度目には、泣き尺(30cmは無い)岩魚が釣れるだけ。
 竿を縮めて、左をヘツル。小さいゴルジュだが足場は悪い。
F1を抜けたら、昼食。沢の水を汲み、お湯を沸かす。SOは、刺身の準備。
Kさんは、酒を出して一杯。私も頂く。しまった注ぎ過ぎ。シェラカップ一杯。
一口、ブランデー。しかも、アルコール度数が高い。刺身をつまみに。「美味い!美味い!!」ラーメンも出来た。瞬間、マイタケマン登場。いや釣り師のSAさんです。4人でいただく。もう一回、作ろうと思ったら雨がシトシト。シェラのブランデーを
一騎に。この沢は、ゴルジュ帯までは行かないものの。増水は危険である。竿をしまって魚止めの滝まで急ぐ。

 Kさんは、自分の城で舞茸採りへと下る。SAさんのスピードは速い。幾つかショルダーとリボンを使い。魚止めから30分と所から、SAさん、私、SOの順に竿を出す。
 サイズは、泣き尺ばかり、大きいのが釣れない。魚止めはもう直ぐ。
総帥より「漬け食べたい」とリクエストがあった。8寸9寸を2本キープして網に入れ。岩に括り付け、活かして置く。最後の淵を上がり。見えた「魚止め。」手前で尺が出たがこんなものでは無い筈、魚止めには・・・。
 SAさんが、魚止めに竿を入れる。 小さな滝に、小さな滝壺ではあるが実績はある場所。連日の雨で、本流の溯上物が・・。SAさんは、根がかり。竿はそのままで私が竿を出す。当りだ!!デカイ!!!SAさんのドバを丸呑み。一騎に合わせる。竿先が撓る。 魚の重たさを感じる引き・・・。滝壺に入りそう。私は移動を余儀なくさせられた。抜けるサイズでは無い。姿が見えた。SAさんSOも「デカイ!デカイ」の連発。慎重に手元に。流れに魚が呑まれる。呑まれたら最後、水流と魚の重さで切られてしまう。SOが「抜けませんか」「無理、ハリス.8」ここは、強引に手繰り寄せる。「キャッチ」急いで網に入れ。針を外す。「良かった。」サイズは41cm。綺麗な魚帯である。正しく溯上物です。どこと無く、アメマスチックな感じがします。
 自然とSAさんとSOと握手していた私がそこに居た。
SOが「遣りましたね、最後に起死回生の逆転打を打ちましたね」と言ってくれました。SOも竿を入れたかったと思いますが、ここまで来た私に譲ってくれました。
SAさんも釣りたかったに違いありません。後から追って来たのですから。これで、私のレコードは、記録更新です。写真を何枚か撮れもらう中、SAさん、SOは竿を出します。 場が荒れてしまったので当りすら有りませんでした。納竿です。また、滝に行きゆっくり魚を落ち着かせてから、滝壺へと帰って行きました。 三人の協力が無ければ、こんな体験は出来無かったと感謝しています。また、あの岩魚にも感謝しなくてはいけません。
 
 雨は、少し強くなって来ました。急いで来たルートを降ります。お土産岩魚をぶら下げて!結構あります。本流まで。SOは、対岸の沢を少し出してから帰るとの事でした。SAさんは、テン場へ。
 私は、本流でSOを待つことに。SOは、「先に戻って良いですから」しかし、動いてないと寒い。我慢出来ずに一路テン場へ。遠くにSAさんの後姿が見えます。
 テン場に帰りますと行きに出会った秋田の方とKさんが火を囲んでマッタリ状態でした。先に戻ったSAさんに私の岩魚の情報を聞いていた様で「brookさんおめでとう、来たかいがあったね」と総帥の一言で救われ。ホッとして、足元みたら新しい舞茸の山。マイタケマンSAさんもニコニコしながら袋から取り出す。足元は総帥のでした。綺麗な舞茸です。マイタケマンの方は沢山あります。冷え切った体を焚き火に当たりながら、秋田の方を交え会話が弾む。流石KさんSAさんの事はご存知でした。話は、岩魚より舞茸の話ばかり。ここへは、魚釣りに来たのだが(汗)。
 秋田の人を総帥が夕食に誘う。5年前にデポしたお米で過ごしているそうである。「この人、デポはいけない事だがツワモノ」です。総帥Kさんの指示の元、記念撮影です。一畳程のシートにいっぱい舞茸を並べての撮影会。何株収穫したのだろう?20株?25株? 総帥は、良い物だけチョイスして来たそうである。確かに良い舞茸である。私も舞茸の目聴きの力が備わったの?批評してる。恐るべし舞茸部会。
 少し暗くなって来たがSOは帰らない。熊に襲われたか? 「良い奴だったのに残念である。さぞかし心残りでしょうに。」帰りが遅い。
 秋田の方は、自分のテン場に戻って行き。8寸岩魚を1匹追加してSOも帰って来た。本流から登って来る沢を間違え。登れず、下れず状態になっていたらしい。
山は、危険である。
岩魚を刺身に下ろすが手元が暗い。今日のメニューは、舞茸の天ぷらと素揚げ。飯に、総帥自慢のキノコ汁。岩魚漬けに岩魚の唐揚げとマカロニサラダである。とても山奥とは思えない豪勢な夕食である。
 明日は、舞茸を持って帰る為、少しでもザックのスペース確保の為、つまみと酒も。今日の釣果と料理に満足な私がそこに居た。話題は、秋田の人。舞茸。岩魚と尽きることが無い。あぁ。楽しい。笑いが絶えぬ宴です。
 今、思い浮かべても総帥のキノコ汁は最高!初日のSOが作ったものとは桁が違う。天ぷらも最高でした。舞茸部会に入会して良かった。天ぷらにパラパラッとお塩をかけて!いけません!お腹が・・・。 明日は、下山です。帰りたく無い。

   
 最終日の朝。総帥の鼾に慣れたのか?疲れの性か?良く寝れました。どうやら、一番鳥だったらしい。皆さん熟睡されています。焚き火に、火を入れ。バナーでお湯を沸かして。お手洗い。何故かお通じ抜群。舞茸の香りがします。
 沢で顔洗い。 総帥がお目覚めて空を伺ってまいす。 「今日は、天気もつでしょう。」確かに、雲は薄い。渡渉は出来そうです。
 コーヒーが出来るまで、SAさんとSOは起きなかった。
 総帥の酒は、既に底を付いて料理酒まで空になる。「ツワモノ」である(笑)。
 朝からヘビーに、舞茸天丼。味噌汁、マカロニサラダ。
ガスは使い切る。ガス缶潰せば舞茸が入る。
まったりと時間は過ぎて行く。コーヒーを再度作ってタバコが美味い。今日で、ここともお別れです。明日から禁猟になってしまうと思うと寂しい。ゆっくりとテン場を片付けます。 11時。集合写真を撮って下山します。渡渉も難なく出来た。
 行きに、育てる為に取っておいたSOとマイタケマンの舞茸を回収。マイタケマンの状態は、背中に80L。胸に25Lサブザック。片手にビニール袋とツワモノぶりを最大に発揮。これで、良くあのしょっぱいトラバースが出来る。しかも、先頭で。
タフの二文字で片付けられない。私の両足の親指は、ネオプレーンのソックスからダクロン厚手のソックス2枚履きのお陰で行きより痛く無い。
 4時に車止めに到着である。再度、舞茸を並べて記念撮影。そして、その舞茸の中から順にお土産選び。マイタケマン、総帥、私、SOの順である。悩んでしまう。総帥以外は、良い舞茸の基準が分からない。マイタケマンはどうやら形に拘って要るようだ。4人ニコニコしながら、「本当にそれがいいの」とチャカシながら
4順目からは流石に総帥も悩んでいます。結局、6順しても何株かは残り。共通の知り合いのお土産に。4人で大小30株近くはあったのでしょう。

 林道をガタゴト進みます。車内に舞茸の香りがプンプン!山を超え、里に下る途中。夕日がとっても綺麗です。あえて写真は撮りません。こんな綺麗な夕日は初めてです。きっと忘れる事は無いでしょう。1ヶ月過ぎても鮮明に覚えています。運転しているSAさんと助手席の私、「綺麗です」「綺麗」の連発!!子供に見せてあげたかった。
 
 里に下りて総帥は、アルコールの補給。SAさん、SOはアイス。私は、かっぱえびせんにコカコーラと思い思いの水分補給をします。 国道に入るころには、辺りは真っ暗。お腹もスキスキ。新しそうなレストランへ。汗臭い体が、気になりますが・・・・・。 有難い事に、ご飯のお代わりOKでしたので、ほかほかご飯に山形牛を十分堪能でき、幸せな気持ちに。総帥は、地ビールに舌鼓。
 帰宅途中に、SAさんの実家(福島県)に寄って、舞茸を置いて行くことになり、マイタケマンの親孝行に全員が賛同。温泉は、止めにした。SAさんが「けんじろうが居るから・・・」「けんじろうが・・・・」と車の中で「けんじろう」という名がよく出てきた。運転しながら「けんじろう君は、弟だ」と勝手に私は理解していた。
 車のエンプティ・ランプが点灯する。サービスエリアで給油。20時48分!危なかった21時でこのスタンドは閉まってしまう。「運が良い」とSAさん。運転している自分はヒヤヒヤものです。
 福島ICで、高速を離れ「けんじろう君」の待つSAさんの実家へ。実家に到着して、初めて分かった。「けんじろう君は、お父さん」でした(w)。造園業営んで居られる様で、庭には盆栽から植木がズラリと。ご両親だけで住まわれて居る様だ。
 夜遅くの訪問にも関わらず、総帥には、お酒。私達は、ビール。お刺身等のごちそうが並ぶ。SAさんが残りは運転するとの事で、安心した私もアルコールを補給出来た。けんじろう君(お父さん)は、愉快な人です。おかあさんは、SAさんに「そんな危ないところばっかり行って」「遊んでばっかりで仕事ちゃんとやっとる」と先週帰省したばかりの息子に。SAさん、「いつまで経っても子供扱いされとる」と泣きも入るが羨ましい。私は、8歳の時に母親を失ったので、味わえない光景である。けんじろう君は、以前は大手の会社に勤務されて居たそうだが、定年を待たずに趣味であった造園をはじめられたそうである。
 いろいろ事情はあると思うが、やはり親子かなぁと感じた。 
 30分の予定が・・・1時間以上もお邪魔してしまった。毎日、20時には床に着くお二人には、さぞかし睡魔が襲ったことでしょう。23時近くまでお邪魔してしまった。総帥Kさんも上機嫌です。
 一路、埼玉市へ。途中、別の会の方からSOの携帯に。「今どこ辺り」「何時ごろ、Kさん宅に舞茸取り伺えば良いの」と催促が入る。 
 Kさん宅に到着。催促の電話があったTさんが自宅前に車を横付けして仮眠を取って居ました。「恐るべし、舞茸」一度、食べたら深夜に関わらず人を出動させてしまう。

 総帥Kさんとは、ここでお別れです。4日間のお付き合いでしたが「来年もまた、行きましょう」との言葉に。Kさんの暖かさを感じた。しかし、「また、行きましょう」って釣りに? 舞茸取り??

 来年は、今年に長女が生まれ。今回、同行出来なかった後輩Mも交えて舞・・いや源流釣りに行きたいものである。

 日付は、10月1日。今年の源流釣りは多くの収穫を得て、納竿となった。
 【by brook】 

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