水流渓人のページ「登山日記」No.510

 
2012/08/09
「尾鈴/袋谷」
ふくろだに

沢登りと言うより、釣りと言うより、ちょっと遊んだみたいなもんだが・・・
 
短いゴルジュ入口にて ゴルジュ右壁をフォローする次男 雨で急斜面エスケープ
 

 めずらしく、次男の沢リクエストが入る。のんびり釣りながら沢歩きをするにはいいかなぁ〜と、雨の多い最近・・・袋谷にした。ここは、彼のヤマメのビギナーズラックの沢でもある。
 しばらく変な降雨なので、水量は多い。ただ、夏の尾鈴は特有の天気なので、突然どしゃ降りというのは覚悟しなくてはならない。朝の尾鈴は、雲も高かった ので心配なく、丹念にヤマメの当たりを探るぞ!と、ワクワクした。バス終点の「細」から左折し、しばらく未舗装路を走ると、最初の橋のたもとが入渓地点で ある。身支度を整え、沢に降り立つ。息子は、しばらくぶりで、少し気も高ぶっていたのか、ルアーをとんでもないキャストをしていた。ただ、幼い頃から沢歩 きをしているので、沢靴での歩きは実に安定していた。なかなか当たりもないままに、数多くのポイントにキャストし、ゴルジュの入口を迎えた。短いゴルジュ だが、先はトユ状になり、水量が多いととんでもない!
 ゴルジュの右壁にロープを延ばす。何度か乗り越している8m程の壁だが、今回は様子が違っていた。スタンスを決め、浅いかぶりに立ち込むも、ホールドが 見当たらない。どうにも難しく、このまま突っ込んだら滑り落ちる可能性も感じた。周辺を探ると、小さい木の腐った残骸があった。おそらく、この木を掴み上 がっていたのだ!グッと右の下方に小さい木があり、ここにバックアップを取れば、5m落ちてもグランドフォールは避けられるかな?と、思ったが、ヒビる親 父の様子を、下でビレイしているつもりの息子は、笑って見ていた。瞬時に、私はバックアップを取るのを止め、落ちても、ビレイしているつもりの息子にテン ションがかからない方を選んだ。落ちれば浅い流れにグランドフォールだ。息子は、落ちた親を見た事がない。今まで、どんな山登りも、沢登りも、何事も無く 完了していた記憶しか無い。こんな親を信頼しきった状況こそ、危険だと、瞬時に思った。息子が、親が落ちるかもしれない疑いを持てた時にこそ、パートナー と成り得る。だか、この日、その状況は無い。枯れ葉の中を探ると、朽ちた木の根が確認できた。一か八か、取れない!と信じ、ジワリと右手をかけ、下の枝に 大きく左足を延ばして置いた。なんとか、切り抜けた。
 100mほど巻いて、川に降り立つと、突然雨になる。本降りになる頃、沢から抜ける決断をした。目指した尾根のエスケープ斜面は、とてもきつく危険な状 況を回避しての林道抜けとなる。その頃、青空に戻っていた。もっと沢に入りたく、釣りたい息子が、羨ましげに青空を見上げた。

 

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参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠          
年齢 53         16
ピーク(山行)合計 693         99
 
 
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