あちらこちらで、今をピークの紅葉情報を聞くが、ニューピークに心を奪われている今年である。夕刻から仕事が入っていた事もあったし、前日からの雨で、
山歩き・・・考えていなかった。前夜に、ママの「行ってもいいよ!」との返事に、急にテンションが上がった。この山を選ぶには、もう少し情報収集もした
かったが、10/3の尾崎山撤退の時、登山口のみ確認しておいたので、後は地形図頼りである。
自宅から2時間。西都〜西米良〜石河内と通り、上椎葉への「桑の木林道」に入りとすぐで登山口となる「山どり尾峠」の広場に着いた。ガスが立ちこめ、雨
が落ちるのも時間の問題・・・身支度をして落ち葉のグラデーションとなった林道を少し歩けば、左の弱い尾根に「石仁田山へ」の小さい標識に出会う。杉
林・・・くぬぎ林・・・と息をはずませ登ると、三角点のある1251mピークに着く。少し藪に隠れ、全体的に目印も色を失いかけているので、なんとなく下
りで間違えそうな気がして倒木とテープで目印を足す。(下山時、その少し手前からスズタケを掻き分け過ぎて、5分ほどつきぬけてしまう!まぁ、楽しい出来事だが・・・)
ここから、尾崎山と同様・・・スズタケ行進が混じる。でも、ガスに白く覆われた自然林の世界は、まるで水墨画で、時折、紅葉した木々が淡く彩を映し出し
ていた。本当に静かな山だと思った。登る人も少ないのだろうか・・・、天気のせいだろうか・・・目印は見落としそうなほど色が褪せていた。登山道?自然に
帰りつつあるその踏み跡は、この山の満足感を高めてくれる。ブナや、ミズナラや、ヒメシャラの大木が立ち、標高1300mを越すと、ピークからほぼ直角に
コースを右に曲げる。地図を見ればその通りなのだが、ノッペリとした起伏のない台地の様は、神経を集中させるポイントである。ここから、いったん下り、更
なる素晴らしい自然林の世界を歩くと、あっけなく山頂に出る。
全体的に、コースは、目印登山をする人には不向きな感じである。多少、赤テープを巻き直したが、登る時に下山の事も考えての歩きが必要だと思った。いつ
も帰路に間違えそうな箇所は、振り返って景色を印象に残す事を心がけているが、スズタケの踏み跡と、獣道が微妙に交差しているのと、尾根の起伏の弱さが間
違えそうな箇所が多い。下山時、3度ほど行っては戻り、道を修正しながら歩いた。それはそれで楽しかったが、出来るなら、好天で明るい日に、複数での登山
が望ましいと思う!
まぁ、それだけの素晴らしさがある石仁田山だった。
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