大体、山登りは「早立ち早着」が基本だが、何に誘われてか?トトッと、歩き始めて引き返すより行ってしまう方が・・・という状況に陥る事もある。
2時に、今は閉鎖している「えびの高原露天風呂」の駐車場に降りる。もう、山を登る時間ではないが、ここから北斜面を見上げていると、「どう辿り、北峰
に立つんだろう?」「お鉢周り」などと、疑問と興味が湧く。1時間ぐらい周辺を歩いてみよう!と、ペットボトル1本だけ首から下げ、閉鎖中の露天風呂先の
草原へと足を踏み入れてみた。湿地に、小さな流れがある。ルートファインディングするまでもなく、斜面のわずかな窪みは、涸れ沢となって北峰に続いてい
る。沢の入り口がすぐに見つかると、目印の赤テープがたくさんついていた。息を切らしながら1時間・・・と、高度を上げてみた。降りよう・・・と、思うた
びに、足は高度を上げようとする。果たして、今歩いているこの涸れ沢が、北峰へ続くルートで、その先はどうなっている?不安はあるが、とりあえず沢を覆う
樹林帯から抜け出て視界で位置を確かめたくなった。
視界が広がった時、振り返ると「不動池」「六観音御池」「白紫池」を見た。白鳥山や甑岳が、初めての角度から広がっていた。急斜面を少しで、北峰に立
つ。丁度、1時間。もう、本峰を踏んで、一般道を降りるほうが、気分的にも明るくなる。半ズボンに運動靴スタイルには、あちこち茂るアザミの葉のトゲが痛
くてたまらないが、雲が湧き上がってきそうなので、急いで踏み跡を歩く。北峰から30分で、本峰に立つ。まだ、縦走の登山者だろうか?この時間に山頂に人
がいた。こんなに慌てて歩くには惜しいコースだと感じた。また、ゆっくり歩いてみたいと考えながら、登山道をテクテクと降り、硫黄山方面へと右折し、もと
の露天風呂へ到着した。下山1時間。
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