新湯温泉の駐車可能位置に駐車し、車道を歩いて「湯之野登山口」から入山する。登りは、特に重要な要素だから、長い新湯林道からのアプローチより、自然
林豊かな静かなルートを選んだ。平日だから、どのルートも静かといえば、静かだが、さすがの人気花なんだろう・・・、新湯の駐車場には、平日なのに10台
以上が確認できた。
先日、靴の中敷きを換えた。良いと言われるソルボクッションを木望峰さんに選んでもらった。踵の衝撃というか、設置具合は実に良い。ただ、つま先から
5cm程度のクッションのカッティングを、いい加減にしたものだから、右足親指の付け根横に、クッションの折れ曲がりが当たり、痛くて水ぶくれが早々に出
来てしまった。ただ、こういう手直しは得意な方だから、ナイフを忘れたにも関わらず、落ちている石(溶岩)で削り、いい按排に加工出来た。そうこうして、
2時間かけて新燃と中岳の暗部に到着。木の階段は12分で登り山頂標識を見た。
茶褐色の新燃湖である。なんだか、切ない気分にもなるが、活火山のなせる自然の技だから、受け入れるしかない。すがすがしい風と、ご機嫌な青空に気分は
上々だ!途中、すれ違った高年パーティは、行儀良く一列に並んで黙々と歩かれていた。あまりにも、一列過ぎて、会話もないものだから、ママと顔を見合わ
せ、少し「プッ」と吹き出してしまった。その方たちがどうのこうのと言う事でなく、とても清潔で、今、登山用品店の展示から抜け出たような新製品の服装と
装備。ダブルストック。そして、完璧な一列。等間隔。それに比べ、ズンダレ、擦り切れ、メタボな腹の私・・・と相棒。前後とも横とも知れぬ間隔で、ぐちゃ
ぐちゃ言いながら歩く様を客観的に想像して、「プッ」と吹き出した。まぁ、どうでも良い事だが・・・
新
燃からの下りは、向こうに獅子戸を見ながら、キリシマミツバツツジが上を覆ってくれた。実にミツバツツジをこういう形で楽しめたのが嬉しくて、特にママが
「急がんでもええやんか!もっと楽しんで、ゆっくり歩こうや!」と、何度も言っていた。前夜まで・・いや、今朝までの体調の悪さは何だったのか?というほ
ど、いい顔をしていた。鞍部で昼食を取ったが、場所を見つけなくてはならないほどの混雑ぶりである。中には、カンバスを立てて筆を握る人もいた。
新湯方面へ下山。しかし、この鞍部分岐からが、花トンネルのクライマックスだった。まぁ、なんという群落と開花だろう・・・。空の青とミツバツツジのピ
ンクが、それはそれは目というより心に広がる。「感謝」するという気持ちにさせてくれる自然は素晴らしい。登山道の途中で、何箇所が盗掘の堀跡を見たが、
盗まれ偽光を放つ自然の植物を自宅に飾るならば、それこそ傲慢な悲しい行為というものだ。
長い林道をテクテク歩き、新湯に戻る。いいものを見た後の清々しさは、なんとも心地よい。えびの高原を回り、小林経由で子供達の学校へ迎えに行った。
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