前日、たっぷり降った雨だから、水の通り道となった「ウォーターカップUルート」を登るなんて・・・。と思う気持ちがあるものの、行って見ないと・・・
という気持ちも強く、とりあえず杉林&藪を抜け、取り付きに立つ!案の定・・・濡れている・・・のは、誰でも判るが、敗退も意識しながら登攀開始となる。
1Pへ向かうアプローチも濡れると凄い!私はゴボウでなんとか樹林帯へたどり着けた。ますます悪いアプローチを、ロープを出して2P・・・必死に上がる
と、いよいよピンに導かれてルート上に出ている。いつもながら、シビアなスラブである。しかし、濡れていると、恐ろしいスラブと化していた。上から染み出
しの水滴が垂れ、しぶきとなってピチャピチャしている。ひたすら終了点を目指す小松の親分は、戻る気配はない。2Pを過ぎると、完全に乾いていて、実に快
適なスラブ登りが楽しめた。4P核心となる5.10cを、一気に登り上がるが終了点(3峰トンネル上付近のいつもの取り付き地点)で14:00だった。
ルートに入ってからは2時間10分だが、アプローチがそこまで1時間25分要していた。
計画では「左方カンテルート」であったが、ここで止めて温泉!ってのもグーでありかな?と軟弱な思考で弁当を食べる私に、「じゃ、比叡の果てルートにし
ましょうか!」と、天の声・・・。「まぁ、暗くなっても大丈夫だから、ゆっくり楽しみましょう!」なんて、思ってもいない言葉が口から出るから、自分って
のは実に信用ならないもんだ!
1Pは、左のハング下を行く。いつもは、コーナーをレイバックで豪快に掴み上がり、ハング下のクラック・・・フィンガークラックをトラバースする恐ろし
いルートだが、今回は初めてクラックのコーナーを直接ハング下に出るルートを辿ってみた。私は、当然ながらフレンズ掴みのA0でなんとか・・・である。
2Pは、段違いを乗り越し、クラック走る楽しいスラブ。3Pは左トラバースで、あの大変なフレアクラックの走る左方カンテバリエーションを通過し、さらに
左に回り込み、強いスラブを直上。そして、5.10dの4Pが待ち受けている。ツルンとしたスラブは、小松の親分をしてもA0・・・だが、ここで探りに
探って次回への糸口を見つけた様子。そして、ハングを乗り越し、さらにハング・・・。アヘアヘとロープは50m目一杯のばす。後、1Pを残し、矢筈岳に太
陽が隠れた。落ち着いて最終の5.10cを乗り越すと、がっちり握手。「水曜登攀隊らしく!」と、おっさん二人で夕日に叫ぶ?いや叫ばない!いつものよう
に、小松の親分ありきのリードの水曜登攀隊・・・、また来るぞ!!
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