2日前の「大幡沢」に続いて、またまた霧島の沢である。今年は、県北やらいろいろの沢に思いを馳せていたが、そう上手く行くはずがないのは、いつもの
事!休みが少ないし、子供の送迎があったり、仲間との都合やら・・・。まぁ、行ける範囲で「楽しもう!」、そう思いを切り替えないと、あちこち・あれこ
れ、行きたい所・やりたい事、思考が傾くだけで、大きなストレスになる。
えびの高原から、大浪池登山口手前の「新床展望所」が、ゴール地点の計画である。じんさんの車をデポして、入渓地点となる日添林道の手洗橋へ向かう。入
渓地点の沢は、少し上の堰堤工事の影響で濁っていたが、すぐに霧島の沢らしくなる。赤茶けた岩、温泉成分?交じりの水・・・冷たくないので、いつまでも水
の中でも大丈夫。
最初に出会う、扇状のスダレ滝は、躊躇した。私が上から確保し川キョンを上げる事にしたが、相当に厳しく、リードするのを止めておいて良かったとホッと
した。出来る限り水を捕らえて登る。登れないのは人工物の堰堤、そして25mの直瀑大滝・・・。しかし、あれこれ不満に思う日常を完全に忘れ、それはそれ
は楽しい川である。トロッコの鉄橋跡を過ぎると、湯煙が見える。「山之城温泉」である。林道が横を通っているので、この温泉には愛好家が来るらしいが、一
応、ガスの影響で「立入禁止」となっているそうだ。河原に噴出す温泉は、本当にめずらしい形態の沢登りなんだな!と、嬉しくなってきた。50歳に突入した
人と、もうすぐ突入する人達が、ワイワイギャーギャー言うのも、それも自然な気がする。日常で、こんなに自然に声も笑顔も忘れている気がする。いや、ほと
んどが人工物の中で過ごす日常に、自然な声や笑顔が合わなくなっているのだろうか?
温泉を過ぎると、沢は、水温を下げ、一気に濃い緑の源流の表情となるが、水量は減り、いよいよ読図でのゴール探しが楽しめる。上り詰めて車に到着という
のが、実に有難い。今シーズン、左の膝が相当悪い。膝自体が痛いのではないが、曲げた状態から伸び上がる力が入らないのだ。しゃがむと立てない。登るのは
いいが、下山は地獄である。情けないが、我慢と騙しで遊んでいる。滝を登る時、伸びない左足を無理に腕でカバーしている。それを差し引いても、楽しい気分
を優先している自分がいる。大して難しい詰めではないが、ドンピシャで新床展望台へ飛び出した時は、爽快だった。遅い食事を食べ、温泉へ向かう。
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