宮崎市内の子供達の学校経由で、高千穂河原を目指す。高原から御池の横を通り、高千穂牧場の入り口を通過する頃には、青空になり眩しい太陽の光が注いで
きた。右折し、森のトンネルを登る。木漏れ日の中を、天気予報なんて当てにならないもんだ!今日は、青空の中・・・こりゃぁ暑くなるかもよぉ〜!の車中の
会話も、高千穂河原に着くと一変した。雲が垂れ込め、雨がザアーーーっと降っている。しかし、山好きは都合よい転進思考回路を持ち合わせているもんだ!
「はじめから雨の中を歩くつもりでやってきたんだし、計画通りやわ!!」
高千穂河原には、平日の雨の日でありながら、目立つ合羽を着た登山者が結構いるもんである。支度を整え、歩き始めると、もう登山者はあちこちに散らばっ
たのか歩く方向には誰に会うことも無く、それは下山するまで誰一人会うことはなかった。高千穂河原から中岳・新燃岳と高千穂峰の鞍部を歩き、矢岳方面へと
向かう。それはそれは、霧島にしてこの深い森?と、メイン縦走路しか知らない人は思うことだろう・・・。ママは、「霧島と言われるだけあって、この雲が雨
を呼び、深い森を作るんだぁ〜!!」と、満足げに言っている。矢岳登山口方面からの道と合流すると、左折する。増水した沢を渡渉しながら、森は益々その懐
の深さを見せてくる。登山道沿いにある甘酸っぱいグミや、完熟の甘いキイチゴをたらふく頬張りながら歩いた。家から持参したタッパは、子供達へのキイチゴ
のお土産用だ。沢沿いの日当たりのよさそうな所のキイチゴを採りお土産にした。
途中から道の無い斜面を下り、沢を渡って大幡山の南側に位置する尾根に這い上がる。一昨年・去年と見た場所は、今年は花のつきが少なく感じたが、それでも縦走路ではなかなか見れない群落ではある。珍しい2色の花を
探し、数株しか咲いていなかったが、それでも3年連続で楽しませてくれた事に感謝し、さらに尾根を辿り歩く。上手く歩かないと、すぐにミヤマキリシマの群
落に阻まれ身動きが取れなくなる。垂れ込めた雲で、視界が悪く、地形図とママのリュックに装着している小さいコンパスが頼りの徘徊となってしまう。ショー
トカットも出来ず、忠実に辿る尾根は結構複雑にうねっている気がした。大幡山の登山道に飛び出し、獅子戸・新燃の鞍部を目指す。
今日は、新燃岳・中岳を踏んで高千穂河原に下山することにした。途中、ドウダンツツジ・マイズルソウを楽しみながら火口縁へと登りあがると、突風と横殴
りの雨の洗礼を受ける事となった。今回の距離は13kmの距離となったが、中岳から下山する歩調は、ママの方が早かった。吹き付ける風に雨に、体温が下
がっていたが、高千穂河原に降り立ち車内で着替えると、実に気持ち良かった。乾いた服を着た事で有難く思えるのは、やはり自然が教えてくれた「感謝する気
持ち」なんだろう・・・。6時に待ち合わせている子供達を、学校へ迎えに・・・と、帰路を急いだ。
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