水流渓人のページ「登山日記」No.293

 
2008/1/16

「仰烏帽子山」
1302m

  
山頂 北面の素晴らしい樹氷 とうとう開かなかった福寿草
 

 
 友人からのメールで、数株だが・・・という前置きで、きれいに開花した福寿草の写真を見た。お花畑みたいに満開・・・という状況があまり好きでない私は、咲いてるか閉じているか・・・の期待を持って見る花のほうが大好きだ。
 現在、熊本県湯山へ向かう国道219号線は、工事で時間規制をしている。西都市から西米良を通り、湯山へ抜ける道は、何度と無く通っているが、なんとも大好きな道である。西都に暮らす私は、幼い頃から何かに付け「一ツ瀬ダム」を訪れている。それを左に見ながら、初めてキャンプした西米良村村所を通過する。ここに、山間部の暮らしを感じるのも実にいい。そして、県境をへてトンネルを抜けると、開放感のある景色が広がる。いつもは、フルーティロードを通り、相良村を目指すのだが、なんとなくそのまま219号線を人吉に向かい、途中、免田町から川辺川に抜けてみた。それは、かつてカヌーを楽しんでいた頃、川辺川や球磨川のツーリングへ出かけた頃に通った道だ。
 椎葉谷登山口側から登りは、この冬場には風裏である。冬枯れの自然林の中を、落ち葉を踏みながら歩くのはいい。椎葉谷を登り上がると、少しで仏石への分岐を迎える。そのまま直進し、山頂を目指すが、涸れ沢を詰めあがるのは、なんとも征服感を抱く。途中、展望台に立ち霧で何も見えない中、立ったまま弁当を頬張った。どうも、途中から餌切れ状態で、足が上がらないのに気づいていた。腹も満たされると、一気に山頂を目指す。稜線に出ると、別世界であった。冷たく強い風が北から吹きつけ、樹氷のトンネルである。次第に、その樹氷が素晴らしくなり、山頂の北面にこの上ない樹氷を飾っていた。強風で、下から外れた樹氷が吹き上がってくる。楽しい光景にしばし寒さも忘れて見とれた。こんなに寒いはずなのに、なぜか気持ちは暖かだった。何かに包まれているみたいに、それはそれは心地よい山だった。
 下山し、今度は仏石へと向かう。周辺の福寿草は咲いているか?心躍る瞬間である。ただ、冷たい気温と、どんより曇った空は期待が薄くなっていた。案の定、開かずにいる数株の福寿草を確認しただけだった。でも、それも自然の成せる技・・・今年の福寿草はそれでいいと思った。少し休憩をして、下山した。気が付けば青空が広がり、振り返ると山頂付近の樹氷が、山のてっぺん付近を白くしているのが確認できた。
 なぜだろう・・・。こんなに寒いのに、手が暖かい。それは、手から伝わり心まで温かくしてくれている様だった。子供は眠くなると手が暖かくなる。それと同じか判らないが、少し車内でのんびりとまどろんだ。車から、山が見えていた。私は、見えたのか夢で見たのか判らない錯覚に陥っていた。温かい何かを握っている心地だ。ハッとして気が付くと、私は大切なものを手から落したんじゃないか?と考えていた。
 

 
自宅8:00----西米良----椎葉谷登山口10:15----登山開始10:36----仏石への分岐11:10----登展所----展望所11:50----山頂12:14-----仏石12:55----上部伐採地にて昼食----下山開始13:35----登山口14:32----時間規制の待ちにて昼寝----西米良----帰宅19:00
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠            
年齢 48            
ピーク(山行)合計 355            
 
 
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