10月3日に続き「比叡3峰」である。クライミングそのものは厳しいものがある3峰だが、アプローチの良さと、下山の早さは、今の小松の親分には有難いら
しい!わたしゃフォローなんじゃから、ついて行くだけのことである。ついて行くだけの事なんだが、1Pのフィンガートラバースは、そりゃ相当に怖い。4P
のハング超えは、そりゃ猛烈にきつい。なんとか耐えて、登り上がる。「ずいぶん粘れる様になったね!」と、小松の親分に誉められるが、ここのところまた
戻ってしまった体重は、加速度的に新記録の域に突入しそうだ!
「まぁ、ボチボチ!」「ゆっくり楽しみましょう!」そう言いながら肩の力を抜く水曜登攀隊である。そして、いつもの様に、「じゃ、行きます!」「は
いっ!」と、岩旅が始まる。今回は、私は新しいクライミングシューズを用意してきた。ファイブ・テンの「アナサジ・ベルデ」である。いつも履いているステ
ルスC4ラバーから、更に進化したみたいなんだが、『ステルスONYXラバー』の代物である。チトきつめを買ったのを、内心心配していたが、登り始めれ
ば、何の靴であれ、まったくそんな事忘れてしまって、ただただ上へ行くのみである。「どうだったんだろ?」と自問するも、以前登れなかったところは、同様
に今回も登れなかった。アチャー!
終了点で、荷物を片付けながら、涼しい風に「秋」を感じていた。鮮明に見える「綱の瀬川」、せり上がる様に「丹助岳」が三角に天を指している。「フゥ
〜っ!」とため息をついたのは、仕事の電話が入り、明日からの事に思考が傾いたせい・・・。「下山して、温泉に行きましょうか?」と、口をついて出た。
「また、来週も来ましょう!」と、楽しみが先に待っているかの様に思考を切り替えながら樹林帯を下る。15分だろうか・・・車道に降り立つと、車まで2分
とかからない。水曜日なのに、登山ではない観光の人が多い気がした。3峰の水場で、美味しそうに水を飲んでいた、母と娘さん。1峰のトイレ横で、岩に打た
れたリングボルトに、未知のクライミングを想像してふざけている人達。
また、ため息が出た。そう言えば、家族全員で出かける事が極端に少なくなったなぁ〜と、思っている。間もなく配車になろうとしている愛車を運転しなが
ら、急に数々の旅行や登山やキャンプを思い出していた。矢筈岳をバックに、愛車の写真を写した。あちこちガタが来て、24万キロでエンジンのオーバーホー
ルという具合になってきた。小額なら乗るつもりだったが、予想を上回っていた。新しい車を契約したが、なんとしても欲しかったわけでもないのに、融資まで
受けての購入は、いささか気が滅入る。先に待つ「楽しい夢」実現のための投資!と、自分に言い聞かせてみた。
帰路、立ち寄ったいつもの温泉は、めずらしく休館日だった。帰宅を急ぎ、ママの運転する車の助手席に乗り、スーパーでの買い物に付き合い、おつまみとビールを買う!助手席の私は、グビグヒとビールを飲みながら、駅まで娘らを迎えに行く。
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