今日から4日間のGWである。子供達は学校で、ママは仕事・・・。来ないはずが無い「水曜登攀隊」である。「ウォーターカップ2ルートから、3峰の
ピークまで繋ぎましょうか!」と言うのは、車内の計画であったが、比叡のトイレに着く頃には、雨が降り始めた。どうしようか、3峰のトンネル上の取り付き
を覗いてみたりしたが、染み出しが多く、なんとも気色悪い。あれこれ検討していたが、時間がたっぷりあるので、2峰との間の水場近くのショートルートで遊
んだりした。
青空の出現で、ニードルの取り付きを目指した。基部に立ち、「スーパーから行きましょう!」と、非常にモチの高い小松の親分の意見で、肩を落として?・・・いや、胸を張って左折し岩の隙間を這い上がり、スーパーの取り付きでロープをさばいた。
1P、6級・30mが始まった。いつになく、順調な小松の親分はスルスルと登っていった。フォローする私は、のっけからA0多用で枯れ木の棚に・・・、
それからいつも死にそうになるガッコン岩のフェース。ここは、下手な私は腕力で強引に行かなければ仕方ない。もちろんA0も駆使するが、それだけではどう
にもならない所が1箇所ある。すでにヘロッてしまった腕力・・・、上達もしない・・・上達しようと努力もしない自分が情けない。11月に大崩へ向けて培っ
た体力は、正月〜春の間に、完全に消失していた。歩きは向上しているものの、クライミングはそれだけではダメな事は、6級以上のルートを攀じれば瞭然であ
る。寒くて、風が強くなる。
2P、6級30mは、特徴的なフレークのノーマルルート。ここは、いつもニードルがケタケタと高笑いする所だ!自分の心理、体力、状況で、毎度違
う・・・。本当は、岩はそのままそこにあるのだろうが、人の状態を見透かすフレークである。1Pでヘロッた私には、核心の一手が思い切れなかった。腕に指
に力の一滴も残っていない感じだった。それでも落ちなかったのは、たぶん気力の一滴だったのかも知れない。辛いクライミングとなった。
3P、5−級45m。2Pを松の木でビレーするので、フォローが10mほどそのまま上がる。突風をモロに受ける。あまりにもきつい風に、「降ります
か?」と聞いてみた。それに答えず、上を目指す小松の親分は、ロープを風にバタつかせながらクラックにフレンズをセットし姿を消した。風とロープの摩擦
で、相当に重い9mm2本だと思う。声は届かないので、ロープの動きだけで全てを判断する。「登って来い!」だな・・・と判断できるロープの動きになり、
登り始めると、私はようやくスムーズな登りでニードルの頭にたどりついた。そこから先をAピークへ抜ける気持ちはまったく無くなっていた。ようやく、ラッ
ペルを終えると風のおさまりを感じた。見上げれば、ニードルは「ケタケタ」と高笑いをしていた。
千畳敷で、関東から来ていたクライマーに声をかけられた。あれこれ話していると、私を知っていらっしゃるではないか!驚くやら、嬉しいやらで、「水流渓
人」も有名になったもんだ!と、いつまでも実力が伴わない事が恥ずかしかった。トイレ駐車場まで戻ると、他のお仲間もいて、しばし「クライミング談義」に
花が咲いた。皆さん、今からニードルへ・・・、水曜登攀隊は温泉へ・・・とお別れした。
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