もう3月の下旬。しかも宮崎に雪が降った。
次女の中学の卒業記念にと、3人で登る事にした。寝坊の次女に合わせると、近場の山にしかいけない時間となってしまった。自宅から見える尾鈴の山々が白
くなっている。見るとウキウキしてしまう。炊飯器のご飯をおにぎりにして、弁当の残りを詰め込むと、急いで尾八重の「ひむか神話街道」を目指した!
あわてて行動するものではない!結局、朝食にと詰め込み持参したおにぎりだけが、今日の食料となってしまった。助手席で前後左右に揺れながら、それでも
眠り続けるママは、時折起きて、「私、今年は山桜も見んと過ぎたわ!」と恨めしげに私に語るが、さっきから彼女が前後左右上下に頭を揺らしている車窓か
ら、なんとも可愛げなピンクの桜が通り過ぎていた。どこから取り付こうか?地形図と睨めっこする私、ひたらす眠り続けるママと次女・・・我が家のなんとも
心温まるいつもの光景である。そんなこんな思いながら、昔・・・ママが・・・かつて・・・若い頃・・・彼氏と遊びに行った帰りの電車で爆睡し、真剣に嫌が
られた・・・という話を思い出した。「それって、しゃ〜ないよな!」と、同意を求められ、未だに返事していない私でもある。付け加えて言えば、彼女は寝て
いなくても助手席で何も喋らず物思いにふけるのも好きだ!おかげで、私は運転していて眠くて仕方なくなる・・・。「何か喋ってくれ!」という私に、「眠け
れば、運転代わるで!」と言いつつ、私が助手席で眠れないほどに大音量でカーステレオをかけて歌う!そんな素敵なママである。
駐車した空き地で、身支度を整え、そのオニギリを食べるママと次女を見ながら、なんとしても道迷いなく戻らねば・・・と、肝に銘じ、残り少ない食料と共に歩き始めた。
トンネル手前から、東に延びている尾根を真横に作業道が通っている。その尾根を登ろうとしているので、作業道を尾根の取り付けそうな場所を見ながら歩
き、藪が薄く、傾斜の弱そうな所から尾根に這い上がる。尾根道に上がりズボンにたくさんのダニが這っていたが、ママも気にしない様子なので、方向を山頂に
合わせて歩き始めた。登りは迷いもないだろう・・・と思えるほどの顕著な尾根だったが、藪は結構なもので、特に「トゲ」のある枝や蔓が多いのには苦戦し
た。1時間55分で山頂に到着し、残りの食料を口にした。
下山、来た道を戻るには、登る時振り返り景色を確認する事を忘れてはイケナイ!まったく思い違いをしそうな箇所がたくさんあった。意識的に振り返ったは
ずだが、2箇所ほど間違えそうになり、最後、作業道まで100m程度の所で、1本尾根を外して猛烈な藪漕ぎ・・・しかも急斜面+崩壊地となってしまう。な
んとかトラバースして回避できたので1時間30分程度で下山完了となる。ママも次女も、充実していたみたいで、思い出に残る山行だと言ってくれた。体験さ
せる私に、期待以上に楽しんでくれるママと次女に、有難いと思った。帰路も、前後左右斜前斜後上下に揺れながら爆睡するママと、のけぞりかえって寝ている
次女を見ながら帰宅する幸せ・・・を、感じるってもんだ!これが!
|