この夏、初めての家族沢登り・・・と、意気込んでいた私は、前夜まで長女・長男の説得に四方手を尽くしてみた。長女は、あえて真相は確認しないが「行け
ない理由」を羅列し行かない!長男は、行きたいが「くしゃみ・鼻水症状」は、明日の学校に行けなくなったらどうする!と断固沢行きを否定した。今回の沢の
印象は、行った家族達の行動以上に、行かなかった2人のメンバー抜けが強い!
尾鈴のキャンプ場入口を通り過ぎ、しばらく砂利道となる。神陰山方面への右折する橋手前の広場に駐車する。ここから、尾鈴山登山口へ向かう林道に沿うよ
うに甘茶谷を遡行する。そこから次に出会う橋(登山口そば)まで・・・と目標を立てて入渓する。沢に立てば、緊張感を維持しながらでなくてはならない。
滑ったり、落ちたりしても大事に至らぬ場面は、出来る限り確保なしに行く大胆さもスピードアップに繋がる。ママと次女・次男を連れて行く事は、私自身の安
全や判断の訓練である。本当は、残った二人も加えての行動であるほうが望ましい。
出来る限り流れの中を歩きながら進む。今回は、次男のリクエストでもある「ルアー釣り」も交えての行動なので、ポイントでは次男と次女に交互にロッドを
振らせる。ワイワイ、ジャブジャブと進むので、警戒心の強いヤマメにはなかなか遭遇出来ないが、ルアーを追う姿を確認するたび「おーっ!」と、次男の期待
は膨らむ。ロッドを持ちながらの沢歩きは結構難しい。釣りに専念なら、出来る限り流れを外してポイントに近づいたり、滝は巻いたりするのが当然だが、連続
する小滝を次々に突破していく。緊張の中、前向きに挑戦したり、ひょうきんに淵を泳いだりする次女の姿勢は、見ていてとても気持いい!次男も、私の作った沢靴(運
動靴にフエルトを張った靴)と、これまた私の作ったライフジャケットで、上手に歩いている。「そろそろ靴がきつくなってきちょる!」と・・・嬉しい事を言
う。道具を調達するのが好きな親父の事を良く知っている息子でもある。「よし!去年お兄ちゃんの履いた靴をお前のにしようか!帰ったら履いてみようか
ね!」
以前、この滝を前にして流れの無い岩を登った。4
-級かな?なんて思ったのを思い出していた。今回は、淵を泳ぎ、滝下の棚?に這い上がる。水の落ちる滝の岩肌を見ると、やはり逆層である。しかし、よく見
るとルートを左斜めに取っていけばなんとかなりそうに見えた。3m上には有効なクラックも見える。とりあえずそこに挑戦するので、ママにビレーを頼んだ。
ハーネスにぶら下げたATC(確保器)を手にして、ママは使い方もスッキリ?と忘れていた。あれこれ指導するが、だからと言って恐さを感じることはない。
登り始めると、フレンズがガッチリと効いてくれたし、しばらくで残置ハーケンを2枚見つけることが出来た。少し満足だった。次女、長男、ママの順で登らせ
るながら、たくさん格好いい写真を写す事が出来た。
昼食は熱いラーメンが最高だ!夏にして天然クーラーの沢は有難い。釣りながら、緊張を持続しながら沢を登る。ふと、目の前に「マムシ」がいた。しっ
しっ!と追い払い、ここから林道に登る事にした。目的地までは到達できなかったが、気持のいい時間が過ごせた。素晴しいと感じれは感じるほど、参加しな
かった長女・長男の事が気になった。
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