予報は、強い寒波が西から流れ込んでいる・・・と報じられていた。とりあえず、取り付きへ行ってみてどうするか決めよう・・・と、諦めの悪い2006年
初の水曜登攀隊である。十分に雪雲が覆い、風は吹きつけていた。諦めるどころか、さっさと登って片付けましょう・・・ってな雰囲気で登攀は始まった。
1P・2P・・・(4級)雪が舞う。中間平行ピンを飛ばして、草付入口まで50m一杯で登る。ここは、ピッチを切らない方が断然早い。フォローはそのまま3Pの取り付きまで向かう。
3P・・・45m(5級+)予定はスーパールートの7級だったが、2日前の降雨でべったりと濡れている。おまけに凍りついているので、迷わずノーマルルートへ転進。5+に結構苦戦してしまう。強風は恐怖心を倍増させる。
4P・・・35m(4級+)今日はこのくらいが快適だなぁ・・・なんて言いながらだが、時折、吹雪のように粉雪が吹きつける。
5P・・・40m(4級-)ちょい登って草付へ・・・。すでにスーパールートへ戻る気になれず、「ノーマルルートを忠実に・・・。」なんて言葉を使いながら、早く稜線に抜けたいとばかり思う。
6P・・・25m(4級)気持のよいスラブだが、吹き付ける風に完全にビビッている。体が岩に張り付いているのだろう・・・、グレードが2つほど上に感じるのは、自分が下手な証拠だと思う。2ヵ月空けるだけで、岩は私を突き放してしまうのだと厳しさを思い知った。
7P・・・45m(4級)本日、1本リードした。ノーピンなので、途中立木にパックアップをとり、細引きで確保されている2スラの恐怖岩まで登りあがる。平行ピンがないので、十分にロープの重さを感じて立木でビレー体勢。
8P・・・45m(4級-)ボディビレーにて小松の親分を迎える。その方法だとリードを入れ替わるのが簡単安全。そのままとまらず登ってもらい終了点。丁度、風裏になっていたので、本日、初の休憩。弁当を食べる。
自然は、本当にありのままだなぁ・・・と感じる1日である。強風も吹雪も、自然はまったく「わざと」ではない。私達が「わざわざ」踏み込んでいるだけで
ある。謙虚さを忘れてはいけないと思った。厳しさを克服した分の満足感はあるが、「岩」特有の「快適さ」の中での厳しさではなかった。また来よう!・・・
当然思う下山路である。
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