水流渓人のページ「登山日記」No.203
 
2005/10/19

「四月の風ルート」
雌鉾岳
   
1P・VI+A1 6P・中央バンドと交差する 水曜登攀隊・鉾・第3段
 

  
1P・25m・VI+A1
取り付きに立てば、壁は首を90度傾けて見上げる。そこにはあくまでも垂直に近いスラブ?が、あくまでもすっきりと立ちふさがる。ピンか打たれ、ルート名 の書かれた看板があるから、そこがルートなのだろう・・・。錆びたリングボルトに全体重をあずけ、立ち込む。第一関節より浅いバンド?を、ほぼ指だけで右 へトラバースすると、次第にスタンスが出てくる。そこからビレー点への直上も、ポケットを掴んだ以降が細かい?僅か?で、豪快に登り上がらなくてはならな い!登り上がれば、「よくぞ!お見事!」と開拓者への賛美の雄叫びをあげたくなる。

2P・35m・VI
きつい傾斜のスタートで始まる。ここをフリーで越えるからこそVI級なのであって、フォローの私が、人工で越えれば難なく登ってしまうのは当たり前!!コースといい、ルート設定といい、誰もが絶賛するだけの事はある。いや、私には有り過ぎ!

3P・40m・IV-
チチンプイプイの楽勝スラブ。古いハーケンが、落ち葉に埋もれている。

4P・30m・V
なんで「く」の字に登らなくてはいけないのか?と思う。しかし、左へバランス悪くトラバース気味に登り、支点から、今度は右へもっとバランス悪く登り、ア ンダーでハングフレークをたどりながら、古いリングボルトの平行ピンを迎える。立ち位置が不安定なので、靴が痛い。

5P・30m・VI+
さて、左が人工・右がフリーと書かれているが、右をアブミで突破するセカンドの水流渓人である。2ピンほどやりすごせば、傾斜が少し緩くなるが、左上に ルートをとりながら、左のがっちり効きそうなフレークがすぐそこに現れる。しかし、そこからの左トラバースは、スタンスもホールドも無い。有効なのは、 「絶対滑らない!」の呪文ぐらいで、フレークを握った時には、もう絶対放すものか!と、鼻から大量の水蒸気が噴出する!そこを通過し、少し微妙なスラブを スメアで登りテラス。すぐ上に「美しいトラバースルート」が見えている。

6P・40m・V-
コーナー沿いに少し登り、スラブを斜めに行くと、「美しいトラバースルート」の段違い越えの所に至る。そのまま直上して大きなポケット位置に確保点があ る。下から確認しにくいので、よく確認しながら行かないと、いくつものルートの交差点になっているので要注意である。

7P・25m・V+
スラブから傾斜のあるコーナーをレイバックで直上する。短いが、レイバックからコーナー上へ登り上がるところが豪快なパワーを要する。体重超過の私は、小 松の親分の「楽しいピッチ」の声を信じて行くと、私には地獄のようなパワーが必要であった。へろへろながらも、落ちずに耐えた満足感は相当なものとなっ た。

8P・40m・VIA0(VII)
最終ピッチなので・・・と、楽しみながら登っていく相棒である。ハング下から、スックと上へ乗り上がったところは本当に無駄のない素晴らしい登りであっ た。下降路へ抜け、「登って来い!」のコールをもらう!限界までは、フリーで耐えて見せる!と、あった気持ちはすぐに消え失せ、腰のアブミをすかさずピン に掛けていた。小ハングを越えると、後はタッタカと終了点である。

 時間のかかった登攀だったが、素晴らしい青空の中、「秀逸なルート」を登った!という満足感は大きいものがった。そして、この大スラブにして、これだけ 多様な登りを要求するルートを設定したという開拓者への尊敬の念である。なんとか、薄暗い間に車にたどり着いた。
 

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自 宅6:30----佐土原駅----都農神社7:30----鹿川キャンプ場9:40----入山10:00----取り付き10:45----登攀開始 11:20----終了点16:40----下山開始17:00----下山完了17:45----帰路----自宅21:00
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠           西都山岳会
年齢 46           小松の親分
ピーク合計 256            
 
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