●1P・510c・45m・フェース状スラブ
噂に聞く核心のピッチ。あくまでも強い傾斜のスラブを、左右にホールド・スタンスを探りながら登る。あくまでも細かく、ぎりぎりのフリクションで耐えな
くてはならない。フィフィ付きのアブミでなんとか乗り越す。体力が残っている前半のピッチでつくづく良かったと思いながら、絶叫しまくりで登った。
●2P・IV+・45m・階段状スラブ
ガシガシ登って、しばし行動食+水分補給。
●3P・IV+・40m・スラブ
ガシガシ登り、フェースへ備える。
●4P・5.10b・45m・フェース
なんと言っても、一番難しく感じたピッチ。フォローする寸前ヌンチャクを落としてしまい、ロープダウンでテラスへ降りる。登り返してフェースへ取り付く
が、恐ろしい事この上ない。そして、ピン位置があくまでもトリッキーで、コース取りに全神経を使う。3度アブミを使用して登るが、完全にしびれてしまう。
素晴らしいルート設定である。
●5P・5.5・35m・トラバース
案外、リードが苦労したピッチである。上がりすぎるとビレー位置を通り過ぎてしまうし、草付きがいやらしいことこの上ない。しばし休憩。
●6P・5.9・40m・カンテ状
5.9はVI級であれば、私にはリードは厳しいはずだが、そしてフォローだが、4Pの登攀後で、なんだか嬉しいぐらいガシガシ登れてしまった。次回は、ここはリードだ!と少し鼻息荒くなる。
このFYKルートは、1峰南面においては、聖域の感があった。初めて登った1スラ、初めてリードしたTAカンテ・・・。いつもルート図を見るたび目にす
る名前であった。いつしか登ると言う事など考えてもいなかった。小松の親分のリードで登らせてもらったが、私のリードで・・・の域は、まったく想像つかな
い世界である。でも、なんでもありだが、完登の喜びは大きい。
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