「水曜日どうする?」
「オレは、久しぶりに岩に行きたいけどナァ。」
「・・・・・。」
「でも、誰も一緒に行く人がいないしなぁ・・・。お母さんはどう?一緒に行かん?」
「んー、どうしようかなぁ。まだ、腰も心配やし、左足も時々しびれるし・・・手に力が入らんから大丈夫やろか?」
「無理せんでいいけど、行ってみらんや?誰も一緒に行かんかったら・・・。」
「誰も行かんかったらやなくて、私と行きたいって言わんとダメやわ!」
「ほんま、登れんかもしれへんで。」
「うん、判っちょる。調子が悪かったら、千畳敷で弁当食べて帰ってもいいちゃかい。」
「1スラにしようと思っちょったっちゃけん、この前のTAカンテ方面に行って、3KNを登ろうか?」
「難しくない?」
「うんにゃ、大丈夫。・・・その前に、下の練習ピッチで様子を見てからにするわ!」
「ほんま、ダメかもしれへんで!」
「いいがぁ・・・、ボチボチ行こうや!」
「どうやった?少し難しい方へルート取りをしたっちゃけど、この前よりずいぶん苦労してたな!」
「はぁ、はぁ、はぁ、手に力から入らへんねん。はぁ、はぁ、水ちょうだい。」
「出来るだけバランスをとって足で登るようにせんといかん。」
「うん。はぁ、はぁ。」
「ルートに出るけど、行けるか?」
「んー、判らん。」
「よく登ったなぁ・・・。ここからは楽勝やわ!」
「はぁ、はぁ、はぁ、水ちょうだい。はぁ、はぁ。本当?」
「行けるか?」
「はぁ、はぁ、ここまで来たら行かなしゃぁない。はぁ。」
「引っ張っててやぁ・・・!怖い怖い。大丈夫大丈夫。怖くない怖くない。右手をここ置いて右足を上に上げて左手でここ握って・・・。」
「だいじょうぶ。しっかり引っ張ってるからナァ。」
「待っててなぁ・・・、ちょっと休憩。」
「待ってるよ。ずぅーっと待ってる。待っとかなしゃぁーないからずーっと待ってるよー。」
「本当によく登ったナァ・・・。これで比叡の2つのルートを登ったんやから笑うな!」
「ほんまや!」
「弁当食べて下山しょうか?子供達は何時に帰って来るんかなぁ・・・。」
「そやな。」
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