【1P/VI級/30m】
取り付きはTAカンテなどのある所に近く、左にナックルフェース、FYK、失われた草付きと並び、更に左に20bほど回り込むと「みつばつつじの道」の取
り付きである。あまり登られていない感じを受けるが、ルート自体明るい感じに見える。苔が乾いてポロポロしているスラブから取り付き、蔦の這う段違いを乗
り越し、枯れ葉が積もったコーナー手前のテラスへ出る。コーナーからは右斜めに上がるクラックをたどるが、やはり枯れ葉と泥がビッシリ・・・泥で滑りそう
なクラックにフレンズで中間支点をとりずり上がる。ここから傾斜がきつくなり、極小ポケット拾いで直上する・・・ここが核心。滑りそうで非常にきびしく感
じる。
【2P/IV+級/35m】
左へトラバースしながら小テラスを目指す。黒くなったスラブに錆びたピンをよく見ないと、ルートが読みにくい。左上に行きすぎると、3P核心のきついスラ
ブへ到達し、プロテクションが取りにくくなるので注意。段違いの小テラスの平行ピンでピッチを切る。案外、フリクションが効くが、思い切りが無いと岩にへ
ばりつきかえって危ない。
【3P/VI-級/50m】
ノッペリした直上15bが核心。最初のピンにロープを通し、スメアを信じて立ち込んでいく。俄然岩の結晶拾いのホールドが、緊張を高める。2本目のピンに
到達してもスタンスは浅く外形しているところに、両足「滑らない」と呪文を唱えるしかない。そして、そこからもっと呪文を唱えること数bで核心を抜ける。
正味スラブの怖さ・・・と言うか醍醐味を、その高度で楽しめる?のである。左の段違いに上がり、易しいスラブを経てテラスへたどり着く。
【4P/III+級/45m】
ガシガシ登れる階段状・・・。35bはランナウトしたまま・・・と言うのが、精神的なものもあるが思い切りが大切。楽しく快適に感じるのも、前半の3つのピッチを消化したからであろう・・・。
【5P/IV+級/45m】
右のTAカンテと合流する。青空に向け松の木の終了点を目指す。バッチリ聞くフリクションを確かめながら、名残惜しい感触を味わう。そのまま稜線に抜け、登攀終了。
ごまかしの出来ないスラブは、「その一手」「その一歩」で明暗を分ける。これは、やはり本チャンでしか鍛える事が出来ないものでもある。
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