水流渓人のページ「家族登山日記」No.137
 
2003/7/30
高千穂峰
たかちほのみね
1,574m
 
溶岩のザレ場 馬ノ背にて山頂をバックに 天の逆鉾


  前夜、多少の雨でも登ろうと決め準備をしていた。5月以来の「家族全員登山」である。1999年6月に、霧島東神宮から登り二子石までで撤退している。頑 なに再挑戦を同コースからと決めつけていたような気持ちもあったが、別にそんなことにこだわらなくても・・・と思えば気が楽になる。
 高原町から見た山頂は、すっぽり雲の中であるが一番高千穂峰らしい登山道と言えば、やはり高千穂河原から登る、ザレの急登だと思う。運が良ければ展望 も?と、かすかな期待で歩き始める。曇ったり、晴れたり、ガスったりと急変する天候の中、一歩一歩進む。ペースは上がらないが、いつもの家族登山のペース である。振り返れば、高千穂河原が小さく見えている。
御鉢の火口縁がすぐそこ見えてきた。少し右よりに登り上がったので、右周りのコースをとることに決める。行動食・水分を取る。
右回りを全員で歩くのは初めてである。危険個所も多いので、通常は左の広い登山道を通るのだが、今回はあえて挑戦する事にした。ガスが立ちこめると、視界 が数bしか効かなくなる。私も真剣にルートファインディングが必要になる。火口縁だからたどれば大丈夫?いや、山に過信は禁物である。崩壊箇所も多く、中 には風雨で火口が見えるほどに穴の開いている所もある。周辺の岩が落ちるのも時間の問題の様に思える。鋭いリッジになっているところで、火口側なのか外側 なのかしばし迷う。家族を待機させ、私だけ一度外を偵察。途中崩壊で踏み跡もない。戻り、説明をして慎重に火口側を通ると安定した登山道に出た。ガスが晴 れ、山頂が見えた・・・馬ノ背が近い。晴れると影がまったく無いので、その方が辛いが青空は素晴らしい色をしている。しばし、休憩でおのおの山頂を目指 す。
 馬ノ背からのザレ場は、砂利も細かく踏ん張りが必要だ。次女が軽い足取りで山頂へ消えた。長男・長女が、あちこちうろうろしながらのろのろ歩いている。 私は次男の足に滑らないようにストックで押さえ、登る。ママは超スローについてきている。子供達は「天の逆鉾」が本当にあるのか興味津々だった。私達の住 む西都市には、最大級の古墳群があり「神話」「伝承の地」も多い。子供達は、小学校の授業で神話をたどり、ニニギノミコトが高千穂峰に降り立ち(天孫光 臨)、永住の地を西都原に求めたことを覚えている。「んー、判るような気もする・・。」と言う子供の言葉通り、高千穂峰の素晴らしさは、登らないと判らな いのかも知れない。そして、眺めると容姿の秀逸さは日本一ではないかと思えるのである。
昼食のパンをかじっていると、ガスが晴れ二子石や御池が見えた。「うぁーっ!」と皆で言う。「あそこまでは行ったことがあるよ!」と説明すると、子供の目も輝く。「来て、良かったわ!」とママが言ってくれた。素直に、連れてきて良かったと私は思った。

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7:20自宅発--9:00御池横--9:30高千穂河原--9:55登山開始--11:00御鉢--休憩--右周りへ--12:15馬ノ背--休憩--12:55山頂----昼食---13:35下山--御鉢右へ--15:20高千穂河原着----17:50自宅着
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男  
出欠  
年齢 44 43 14 11 9 7  
ピーク合計 185 73 60 63 66 49  
 
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