水流渓人のページ「登山日記」No.136
2003/7/16
比叡第1スラブノーマル+スーパー+新
 ひえいやま

 

ルート写真

 
 X級ルートのリード克服、第2段に川キョンとやってきた比叡である。自宅を出発する頃は小雨がぱらついていたが、到着の頃には青空になっていた。それにしても気温も低く、涼しい風が吹いている。例によって岩からの染みだしは多く、ナックルスラブ?の案は、一発で第1スラブへと方向転換が決定した。

【1P】50m W スラブからブッシュ
 例によってべちゃべちゃに濡れた岩をスタートする。先月の経験からホールド・スタンスは即座に決まり、すんなり登れた。ノカンゾウがたくさん咲いて、平日の岩場独占に言うことナシである。(水流リード)共通ルート
【2P】20m V スラブ
 ここもいやらしく濡れたスラブである。以前に比べると草木が整備され、数箇所バランスが必要な所もある。乾いていればなんてことないのかも知れない。膝をついて登ったところを川キョンに見られて、苦笑い。去年もヌルヌルで、私がリードしたことがあるが、滑って右の草付きに飛びついた事がある。今日は岩の上を通った。本当にV級か? (川キョンリード) ノーマルルート
【3P】45m X−カンテ
 いよいよ、本日最初のX−である。去年、川キョンのリードで快適にガシガシ登れた印象だけ残っていたが、取り付いてみて以外に難儀した。ルートファインディングが下手で、左に回り込んでうろうろ見ていたら、古いハーケンを見つける。どうしても登り上がれず、スリングアブミでチョンボ。一歩上がるとスタンスがとれるが、ルートに戻れるまでに行き詰まると行けないので、ロープの流れが悪くなるのを覚悟でフレンズで支点をとる。なんとかカンテの角に出たが、やはりロープの滑りが悪く引っ張り上げながらテラスへたどり着いた。フォーローは、リードの後を登る宿命である。チョンボを黙っていたので、川キョンも行き詰まっているのが判る。しばらくして、テンションがかかった。やはりフリーでは相当厳しい方へ入ったいた。フレンズ支点があるのでそこを回避は出来ず苦労したようだ。後でチョンボを打ち明ける。これでも登れたと言えるか疑問だが、私の実力では精一杯ではある。それにしても多種な登り?チョンボ?が出来るようになったものだと感心・・・・、すべては安全のためのチョンボなのだと胸を張る! (水流リード)ノーマルコース
【4P】35m W+スラブ
 通称「亀の甲スラブ」。大好きなピッチ・・・のはずが、クラックからかぶり岩手前で、テラスにずり上がるところがどうしても思い切れない。いつもはなんでもないはずが、3Pの登りがどこかで恐怖心を増しているのだと思う。そして、スタンスがいつもと違っていることに気づくまでに数分かかった。スラブへ出るとフリクションがバッチリ効いてビレー点を迎える。(水流リード)共通ルート
【5P】25m W+スラブ
【6P】25m W スラブ
 まとめて川キョンに登ってもらう。日が照りつけるが、吹き上げてくる風が気持ちよい。セカンドでひょいひょい登らせてもらうと、いつもは通らないところを行ってしまう。(川キョンリード)スーパーコース
【7P】40m X+フェース
 いよいよ、ここ!である。去年、初めて取り付きテラスの最初のピン手前で滑り、グランドフォール。肋骨1本ささげている。その後、2度セカンドで登らせていただいてはいるのだが・・・。先週の2スラ核心の初見リードより気持ち的にプレッシャーがある。そこがリードの怖さであり、克服しなければいつまでも背負ったままってことである。休憩そこそこに取り付いた。わけなくテラスへ立ち、フェースへと慎重に出た。右のピンにヌンチャクをかけ、メインを通す。逆層になっているルートも落着けばホールドはある。クラックに2本の指を第2関節まで入れて、乏しいスタンスでじわっと立ちこむ。続けてまた右のピンへヌンチャクをかけ、すかさずメインを通す。ここが核心だと思う。左のホールドにしている当たりに左足のスタンスが乗っかればいい。しかし、微妙なバランスに恐怖心がつのり、右のピンに立ってしまう。ガクッ・・・
 乗り切れば、後は階段状にすらすら行く。それでもセルフビレーをとったとき、なにかすがすがしいものを感じた。川キョンのビレーで思い切れたのは明白、感謝を込めて「登ってよし!」と声をかけた。
【ラッペル】ノーマル新ルートへ
 一度懸垂下降し、ノーマルルートの新しく開かれた「第2コブ岩A1ルート」へ移る。
【7P】Ver.2 40m W−A1 スラブからフェース
 第2コブ岩の基部に立ち、今回はトップロープで挑戦する。もちろん、初挑戦は先輩川キョンに譲り、ビレーで見守る。私が続こうとしたが、TRで川キョンがのぼっているので中間プロテクションをとらずに行ったため、メインロープが右に大きく偏り、途中で引っかかる可能性もある。もう一度、ラッペル+登りで川キョンは2度楽しみ、私も続いた。あの高度感で、からだが外に出るアブミは実に豪快である。
【8P】35m W−スラブ
 水流リードで、ぐいぐい登って終了。握手。久しぶりにビールで乾杯。

 振り返ると、綺麗な登りではない。不細工な登りだったと思う。でも、その達成感は大きかった。クライミングはリードだと言われる。しかし、忘れてはいれない事・・・「リードさせてもらえるパートナーが必要!」だって事。私は恵まれているのだと思う。
 

5:05自宅発--7:30比叡駐車場--7:50登攀開始--12:00終了点---昼食---14:30下山完了------16:50自宅着
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠           西都山岳会
年齢 44            川キョン
山数合計 184            
Copyright(C)  水流渓人 All Rights Reserved
 
inserted by FC2 system