「みどりの日」、今年初めての家族全員登山となった。今回、初めて鉾岳登山口より奧の宇土内谷方面へ車を走らせた。宇土内谷から大崩山のコースは、岩峰群
を楽しむ大崩山の景観とは対照的である。比較的なだらかな勾配で、尾根を登り詰めると稜線へ出、山頂を楽に踏める。しかし、その尾根には「アケボノツツ
ジ」の大群落があり、一番の賑わいを見せる時期でもある。離合できない林道を次から次から車が登山口へ進む。小型マイクロまで入ってきている。
林道脇にへばりつくように駐車して、身支度を整える。ゆっくりと廃道になった林道を歩くと、ほどなくで尾根取り付きとなる杉林に出会った。少し勾配も出
て来るが、ササ竹が混じり始める頃、勾配が緩くなった。尾根道へ出るとそこは別天地である。頭上にちりばめられたアケボノツツジの花・・・、また花の世界
である。先週、車から数分で見た六峰街道のアケボノツツジとは意味も違うが、綺麗さも規模も違っていた。まったく疲労は感じない。何処を見渡しても絵にな
る景色が広がっている。鑑賞ばかりしていると子供達から遅れを取ってしまうが、もっいなくて仕方ない感じだ。
鹿納山への縦走路との出会いを過ぎると、稜線も近い。少しでワク塚からの道と合流し、石塚を迎えた。丁度昼食が終わった組と入れ替えに私達が到着した。
とりあえず山頂・・・と、山頂標識を目指し貴重な家族全員集合写真を写した。腹も減っているが、展望のない山で食事をするより展望の良い「石塚」へと急ぎ
足で戻る。所々、林の中で昼食をとって賑やかなグループとすれ違う。平日には見られない光景なので、なんだかウキウキしてしまう。先ほどまでガスが沸き、
雨?パラついたが、もう青空になっている。ママ手製の弁当は、子供達がアッという間に食べ尽くしてしまいそうになった。ビールをチビチビやっていたら、危
うく昼飯が無くなるところであった。子供達は、昼食後周辺で遊び始めた。すぐ下山するより、しばらく遊ぶ時間をとってやるのも忘れてはいけない。登
り・・・下山・・・だけでは、子供達は「歩く」という印象しか残らず、「登山は遊びでは無い」思ってしまうのである。
下山も、アケボノツツジの見え方が異なり素晴らしい。周囲のブナやヒメシャラの樹皮と、アケボノツツジのピンクが何とも言えないコントラストである。や
はり、この花の美しさはそこまで足で歩いた者だけに許される景観でいいのではないかと思う。幾重もの満足を味わいながら、家族全員で過ごした素晴らしい自
然であった。子供達の脳裏に、将来いつまでも残ることだと確信する。
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