やまびこ会の企画で、数ヶ月前に上がった企画だったが、天候不良で中止になっていた。平日休みの私に案内を頼みたいと、福岡と熊本の仲間が再度企画をあげてくれた。7名の参加があり、地元山の会の2人も同行してくれた。
前夜は、欅谷そばの駐車場で再会を喜び、飲んだ。涼しい風の中、笑い声の絶えない一時を過ごすことが出来た。10時過ぎにはシュラフにもぐる。
行程は、結構長い。遠路の方達の事も思い、甘茶谷登山口まで車で移動する。歩き始めて5分ほどで傾斜のある登りとなり、一気に汗が噴き出す。じわじわと高
度をあげながら、登りの辛さに耐える。皆の顔色はいいようだが、ここは山頂近くまで一気に登る尾根なので、ある程度のリズムがないと辛くなる。今回は、全
体のペースと体力が未知なので、下りに事故が起きないように体力温存のペースへと変更した。30分程度余計に休憩を混ぜながら、笑顔で山頂を迎えた。山頂
を敷き詰める「シコクママコナ」のピンクに包まれて、しばし息を整えた。
ヒメシャラノ林をぬけながら稜線をたどる。花のないミツバツツジ・シャクナケ・アケボノツツジ・ヒカゲツツジを横目に、順調に「長崎尾」にたどり着く。
行動食で、少し体力回復を待ち、つづいての「矢筈岳」へと急ぐ。分岐からは、ほとんど藪であった矢筈への道も、踏み跡がしっかりとついていた。集合写真を
写すと、分岐へ戻り昼食を予定していた林道との出合いへ急ぐ。杉林の中のアップダウンが、しつこいぐらい続く。山腹をトラバース気味に、ひょっこり林道に
出る。車座になって、楽しい昼食である。笑いの絶えない、この上ない時間である。
下山は、杉林から始まり、だんだんきつい勾配の登山道の下りとなる。沢音が、だんだん大きく聞こえ始め、左に豪快な「白滝」が見える。後のお目当ては、花
だ。宮崎固有の「キバナノホトトギス」、そして、ここにしかない「キバナノツキヌキホトトギス」である。出会えて、皆の歓喜の声があがる。地元と言うこと
もあり案内役をしたが、皆のほころんだ顔を見ると、私の充実感も上がった。山が好きで、自然が好きで、そのなかけがえのない自然にやさしく触れ合える仲間
達である。気持ちの良い山行であったと思う。欅谷を流れる沢づたいに抜いた、トロッコの軌道跡がそのまま遊歩道を、なごりを惜しむようにゴールへ足を近づ
けた。
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