水流渓人のページ「家族登山日記」No,102

2002/8/12-13
中岳/霧島
なかたけ

1332m

高千穂河原にて出発! ご来光 高千穂峰をバックに・・
 
 「ペルセウス座流星群」が、夜12時頃からピークとなると聞いた。それなら、どこか登りやすい山へライトの明かりを頼りに登って、山頂で流星を見てみようと言うことになった。
「夜」であり、「登山」であり、「朝まで」という事が、女房と長女・次女には少しイヤな感覚みたいだった。数日前から説得していたが、当初から興味津々の長男・次男の嬉しそうな笑顔が加勢してくれ、いよいよ決行となった。
 前日に準備をしてみると、山頂で世を明かすには相当な荷物となった。当日、仕事を終え帰宅すると、子供達は食事を済ませ風呂も済ませた様子・・・私だけ かも知れないが、気分は盛り上がって来た。私も簡単に入浴と食事を済ませると、高千穂河原へ向け出発した。野尻町を抜け、高原町方面へ左折すると、しばら くで御池を迎えた。高千穂峰のシルエットが、今日の星空を期待させてくれる。
 身支度を整え、それぞれにヘッドライトをつけたり、ライトを持ったりして高千穂河原を後にする。当然、他の登山者がいるはずもない。ここは、九州自然歩 道として立派な遊歩道が設置してあり、夜でも安全に直下の登山道まで導いてくれる。吹く風が心地よい。木が無くなる頃視界が広がり鹿児島方面の夜景が見え ている。ライトに反射する光は、可愛い鹿の目である。ライトで照らされても逃げる気配もない。時折、ガスが覆ったり、サァーッと引いたりする。溶岩の急登 が始まると山頂も近い。一汗かいて山頂へ到着した。
 山頂標識にたどり着くと、周辺はガスで視界が悪い。そして、結構な寒さである。濡れたシャツを脱ぎ、冬用の長袖下着を着てレインウェアを着込んで丁度良 いほど、標高1300bあれば、真夏とは言え別世界である。パンをかじりウレタンマットに座り込み肩寄せ合ってシュラフを肩に掛けた。サァーッとガスが引 き、広がる満天の星空にため息しかでない。「天の川」は、粉を敷いた様におびただしい数で横たわっている。ひときわ目立つ「夏の第三角形」を目で追ってい たら流れ星が視界に入る。次々に現れる流星に、子供達も歓声をあげている。私も、ビールを飲みながら天のキャンパスに引かれる一筋の糸を楽しんでいた。
 何十個見たことだろう・・・、満足の天文ショーは睡魔と共に幕を閉じ、それぞれがシュラフに潜る。そして、空が白み始めると、今度は地上のパノラマ ショーが始まった。眼前の「高千穂峰」のシルエットが浮かび、裾野に雲をまばらに敷いている。赤く染まりつつある雲と、深い青空・・・。右に目をやれば、 大隅半島・高隈山地・錦江湾、そして桜島である。しばし、見とれて皆を起こした。ご来光は、高千穂峰を朱に染めながら、悠然と登ってきた。太平洋も輝きを 増しながら水平線が揺らいで見えた。山頂で迎える朝は荘厳な気がした。日が昇ると同時に、気温が上がりシュラフを外せた。お湯を沸かし、ラーメンを皆です すると体もぬくもってきた。
 子供達が周辺をうろうろすると、「あっ!」と指を差しているのが見える。その先に、15頭の鹿の群が、火口跡縁で草をついばんでいる。最初の登山者が山頂へやってきた。挨拶をかわし、昨晩から今朝の感動を胸に抱き下山した。

12日 19:30自宅発--21:20高千穂河原着--21:40登山開始--22:50中岳山頂
13日 8:00下山開始--9:25高千穂河原着----関之尾プール--都城--自宅

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参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠  
年齢 43 42 13 10 8 6  
山数合計 147 56 56  58  59   44 
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