水流渓人のページ「登山日記」No,79

2001/10/24
大崩山
おおくえやま

1643m

袖ダキより、下ワク 山頂 坊主尾根を振り返る

写真レポートのページへ

 大崩山、どのコースガイドの情報にも、「わく塚〜山頂〜坊主尾根」のコースが書かれている。何度も機会を逃していた。先週は雨になり、「祖母山・黒金尾根」の紅葉も中止をした。そして、今回、福岡の友人ご夫婦との山行が決定した。
 コースの長さは、定評がある。行程も8〜10時間に及ぶことは明らかなので、仕事が済むと、登山口で車中泊の体勢で挑んだ。11時頃到着し、シュラフを 敷いてウィスキーをあおった。暗闇の向こうに、秘境はある。沢の音だけがしていた。「眠れない・・・。」何度も時計を見る。焦る気持ちのままで、セットし た5時に時計が鳴った。待ち合わせは朝6時頃、お湯を沸かして朝食準備をしていると、早めに合流となった。祝子川キャンプ場で車中泊をされていたそうだ。

 歩き始める。山荘を迎える。足が重い。渡渉点を迎え、正面に坊主尾根や小積ダキが見えてきた。いよいよ、わく塚へ向けての歩きだが、次第に、頭の中での 歩くイメージと、実際の足の動きが分離してきた。よく考えないと、右足なのか、左足なのか・・・、次に出す足の順番が判らなくなってきた。オカシ イ・・・。体力不足??いや、もっと変。寝不足?むかつき?・・鎮痛剤?焦るほどに、息が上がり濃い汗が落ちる。申し訳ないが、2度ほど時間をいただい た。目の玉の焦点が変。吐いた。やたら、口の中が粘る。迷惑になるな!と思った。袖ダキで引き返すと宣言した。迷惑はかけられないと胸が詰まった。なんと か、フラつく足を気づかれまいと、歩く。一度、こういうことがあったのを思いだした。気持ちを落ち着かせようと、息づかいを整える。
 袖ダキに到着。言葉を失った。坊主尾根しか歩いたことの無かった私は、感動した。小積谷の紅葉も、見上げた「下ワク塚」も絶景である。体の芯から、何か 重かったものがスーッと引くのを感じた。足が軽くなってきた。体調の回復なのか、自然からの受ける何かなのか、それは判らない。引き返すどころか、前へ行 く意欲で満たされていた。「乳房岩」で、またため息をつく。「中ワク」を通り、「下ワク」へ、しばし、充分な休憩をとる。でも、先ほどの苦しさは忘れては いけないと、再認識する。「りんどうの丘」分岐で、もう一度、引き返そうと言葉にしてみた。仲間は、山頂へ誘ってくれた。なんなく山頂を踏む。折り返し て、360度の展望のある「石塚」で昼食をとった。
 下山に取りかかるが、やはり難路、気を抜くわけにはいかない。分岐にもどり、「りんどうの丘」を向かえた。歩いてきた「わく塚」が紅葉の中に見える。完 全に気持ちは、入れ替わっていた。緊張感も増し、調子も上がってきた。感動も上がってきた。「小積ダキ」「象岩トラバース」、そして「見返りの塔」。夢の ようなコースが、そこには展開されていた。さらに、ロングな林道コースで下山する。
 振り返ってみれば、10時間の行程であった。すべて、わだかまりやストレスを、山が吸いとっとてくれた。心地よい疲労感と、自己の生命を確認できた喜びが残っていた。

前夜登山口(11:00)→起床(5:00)
登山口(6:20)→大崩山荘(6:45)→袖のダキ(8:25)→下湧塚(9:20)→中湧塚(9:35)→上わく塚(10:10)→石塚(11:00)→大崩山頂(11:10)→石塚(11:20-11:55)→リンドウの丘分岐(12:15)→リンドウの丘(12:35)→小積ダキ(13:10)→坊主尾根/見返りの塔(14:00)→林道分岐(14:45)→登山口(16:10)→自宅(19:30)
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠            やまびこ会
年齢 42  41 12 名 
山数合計 117              
Copyright(C)  水流渓人 All Rights Reserved
 
inserted by FC2 system