水流渓人のページ「登山日記」No,51
2000/6/7
杉ヶ越〜傾山
スリル満点/究極のサディスティク・ルート
1、602m





 





 





 
障子岩から山頂
 
ベニドウダンツツジ
 
後傾から本傾・祖母方面を望む
 
 梅雨入り宣言から5日目、大快晴の水曜日である。長女に「学校休め。一緒に傾山に登ろ。」と誘ってみたが、「うんにゃ。」と断られた。次女も長男も、「うんにゃ。」と学校へ行った。
 ルート図やガイド本を見る度、この「杉ヶ越〜傾山」が気になっていた。障子岳から見た傾山は、なだらかに雄大に伸び上がる稜線であった。反面、五葉岳からの傾山は、鋭く切れ落ち、荒々しい山様であった。そのギザギサにつきあげる尾根を通り、傾山の山頂へ立つのである。
 自宅から杉ヶ越トンネルまで、3時間かかった。支度を整え、登山者名簿に記名すると、いよいよ入山である。歩き始めてすぐ、傾と新百姓への分岐が現れる。そこから左、ひっ、左は傾方面だが、なだらかに下っている。歩き始めて、1時間。少し登っては下る。腕の高度計は、確かに、登山口より低く示している。当然、帰路苦しむはずだ。
 鳥屋ダキを迎えると、幾つもの岩峰が重なりあって見え、その遥か彼方に傾山の山頂がある。スリル満天のピークが20個、ロープやハシゴ付きで続き、道のすべてがピークを通らずには先へ進めない。ひとつのピークへ立つと、足元に深く谷が切れ込み、その先のピークへは手が届きそうだが、一度鞍部を通らないといけない。どのピークも、刻一刻と展望を変え、スリリングな絶景を見せてくれた。
 ピークを20個、正確に通過すると、朽ちた3段ハシゴだった。そこまで、景色に見入ったり、写真を撮ったり、休憩したりで、3時間以上が経っていた。高度計は、登山口から150メートルしか上がっていない。ここからは、一気に400メートル余りの急登である。4リットル準備した水は、すでに、2リットル近く消費していた。グッと頭を下に垂れ、進まなくなった足を半歩づつ上げて行くと、左から別尾根が見えてきた。見渡せば、たくさんのミヤマキリシマが咲いていた。九折越からの登山道と出会い、一気に山頂を踏んだ。
 360度の展望。絶景。大快晴。この祖母傾山系は、山域が広く、ようやく山名を特定できるようになってきた。頭巾・五葉・お化粧、その向こうに夏木・大崩、振り返れば、本谷・古祖母・障子そして祖母。これだけの展望に、三角点が二等なのは、チト可愛そうだと思う。
 帰路、同じ道を戻るのだが、急下降で三段ハシゴを過ぎると、20ピークの上下運動を繰り返し、なだらかに登りつめて登山口となる。宮之浦岳の日帰りより、はるかに疲労感が残った。痛む膝とジンとする足裏で、登山口に止めた車にたどり着いた。往路とほぼ同じ時間がかかったが、内心、ニヤッとしていた自分に気付く。
 自宅に到着し、女房に「もう二度と歩きたくないほど、辛いコースだったわ。」と、言ったが、2日たった今日、「また、登ってもいいかなぁ。」と、感じている。
 
5:45自宅発−−7:40杉ヶ越登山口−−8:37鳥屋ダキ−−10:10・3段ハシゴ−−11:45久折越分岐−−12:00傾山山頂〜昼食〜−−12:45下山開始−−13:253段ハシゴ−−15:15鳥屋ダキ−−16:15杉ヶ越登山口−−19:30自宅着
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠            
年齢 41            
ピーク合計 75            
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