水流渓人のページ「家族登山日記」No,33
1999/6/16
再度高千穂峰
霧島東神宮〜御池小分岐
霧の合間に小林盆地が見えた 偽山頂直下、この後、風雨で断念  疲れ切っての下山
カッコイイ! 
 
 梅雨の合間、予報の晴れを信じて見ようと思った。去年は、梅雨間の快晴を「祖母山」で味わった。そして、コースは、3月に6合目で断念した「御池/霧島東神宮〜高千穂峰」である。参考コースタイムは、登り3時間半、下り3時間で、霧島山の中でも、一番の長さと高度差がある。 わが家なら、往復10時間は覚悟しないといけない。
 予報の晴れは、平野部だけの事だと、高原町から見上げた山が語っていた。裾野だけを見せ、黒い雨雲にすっぽりと覆われていた。
「これでも、登る?」
女房が私に聞いた。雨を覚悟の準備はしてあるが、9才、7才、5才、3才の子供が同伴である。
「いや、登る。雨もまた、楽しいやないか。」
と、私は不安げに、出発を決定した。親自身の身支度を整える頃、子供達は、鳥居横にある、清めの水から流れる溝に、笹舟を流して遊び始めていた。
  山頂までの高度差、約1,100メートル、往復10qの行程である。前回は、登山口を見落とし、近くの林道を2時間歩いた後、6合目でリタイアだった。
 登り始めると、大きな蛙や、朽ちた木に生える茸、怪しげな草や花が次々に現れる。どれを見ても、名前が判らない事に悔しさを感じながら、今後の課題の多さに、止められない「山登り」の行く末を思いやってしまった。
 5合目を過ぎ、空腹と急登に足が進まなくなってきた。オニギリとお菓子で休憩をとる。3合目まで歩いた次男3才も、私の背中でスヤスヤ眠っていた。しばらく頑張ると、高木から高山特有の低木へと変わり、視界が急に開けた。流れの早い雲間から、一瞬、登ってきた尾根の先に、御池が姿を現した。急登の方が、子供達は楽しそうである。登山道に生える黄色い野イチゴ(ナガバモミジイチゴ)を、見つけては食べながら歩いた。しだいに、溶岩混じりの岩場になると、尖った「二子岩」が見え、足もすくむ高度感ある鎖場に、ますます子供達がご機嫌になってきた。
 岩場を過ぎる頃、雨がぱらつき始め、雲の流れが早くなった。花の散ったミヤマキリシマの間に、ヨウラクツツジが満開を迎えていた。写真を撮る間もなく、霧に覆われ、山頂近くの「偽山頂」直下の尾根道で、突風のため停滞となる。全員レインウェアを着直し、体勢を整え、風の静まりを待つが、視界はなくなり、風は勢いを増すばかり、ついに、断念を決定。単独峰なので、さえぎるもののない山頂は、子供達には危険だと判断した。2度目のリタイアに、悔しさと、登頂欲がこみ上げるが、女房は、断固「引き返す。」と言い切った。
「経験不足だなあ。」と、思った。反論し、納得させる程の経験も知識も、今の自分には無いことがわかった。安全を選ぶ、無理をしない、リタイアする、その方が、大きな勇気と、強い意志が必要であることを学んだ。
 
5:15 自宅発−−7:27 登山開始/霧島東神社〜高度450b〜−−8:37 1q/2合目〜高度640b〜−−9:24 2q/4合目〜高度750b〜10休−−10:00 2.5q/5合目〜高度855b〜−−11:30 3q/6合目〜高度1050b〜−−12:26 二子石/7合目〜高度1280b〜−−12:46 4q/8合目〜高度1325b〜停滞−−13:10***断念下山***−−13:40 二子石/昼食−−13:55下山開始−−15:305合目−−16:55 登山口−−〜夕食/山椒茶屋〜−−19:50 自宅着
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠  
年齢 40 39 9 7 5 3  
ピーク合計 53 29 32 31 27 17  
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