水流渓人のページ「家族登山日記」No,26
1999/1/3
普賢岳
1、359m









登山道にうっすら積もった雪と霧氷 溶岩ドームをバックに山頂で・長女 長崎・平和記念公園
 
 
 世の中を吹き抜ける「不況風」が、私の身にも迫ってきた。冬のボーナスで、このお正月の予定が決まるのだが、果てしなく0に近い金額に、笑いがこみ上げてきた。4人の子供達の将来を思いやると、このままでは一家離散が免れない。ならば、一家心中でもせねばなるまいと、遠く平戸の地まで落ち延びる事となった。
 「長崎旅行」と言えば、格好もいいかも知れないが、宿は車中に家族6人が、折り重なるように屍の如く寝、食事は、良くてホカ弁かコンビニ弁。最悪、カップラーメン。風呂は3日間なしである。正直言えば、折角の家族正月旅行である。ホテルに泊まったり、ご馳走だって食べたいにきまっているが、今回の長崎落ちの旅は、世の儚さ暗さを、ボーナスが示していた。将来の見えてこない我が家に、行く当てなどなく、どこでのたれ死のうといい旅なのである。
さしずめ、3日も風呂に入ってなく、焚き火の臭いをプンプンさせた家族6人が、長崎市内をチン電で渡り歩き、中華街では、チャンポン・皿うどん・チャーハン各1皿ずつを、家族6人で乞食の如くむさぼり、平和公園を回り浦上天主堂を眺め、原爆資料館に入った。悲惨な原爆の資料を見学していると、「一家心中長崎落ちの旅」のはずであったのに、そんな小さな事で悩まなくても、貧乏でも幸せな家族を目指して、生きていく覚悟が、この日本最西端の長崎で出来た。
 再出発の長崎で、平成新山を見てみたい。雲仙にたどり着いた頃には、野宿で、発熱・体調不調が増え、私と長女のみの登山となった。整備された遊歩道と、多少アップダウンの登山道。妙見神社付近の木々についた霧氷、山頂からながめた溶岩ドーム。うっすらと積もった雪に、長女は喜んだ。
 子供の、怒る・泣く・喜ぶ顔が見たいから、私は家族で山に登る。全員で感じる事は素晴らしい。
 
12/31自宅発〜平戸−−1/1平戸〜長崎−−1/2長崎市内観光〜雲仙−− 雲仙・白雲の池−−車中泊−1/3−−6:00起床・朝食・準備−−10:10登山開始・妙見駐車場−−10:55仁田峠−−11:43妙見駅−−12:15国見別れ−−12:29鞍部−−13:10普賢岳山頂−昼食−13:40下山開始
−−14:45妙見駅−−15:35仁田峠−合流−−17:55島原発カーフェリー−−23:55自宅
 
参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠 待機 待機 待機 待機  
年齢 39   9        
ピーク合計 44   26        
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