水流渓人「hot-news」

2011年10月19日
  
椎矢峠から「高岳」「三方山」へ登る

紅葉の林道を走る時、オフロード好きは、聖地「椎矢峠」で神々しい空気を吸う・・・


 

 去年の12月、上椎葉ダムの展望所の駐車場に仮眠し、翌朝「椎矢峠」を目指した。崩壊箇所工事による林道通行止めで、泣く泣く断念・・・「祇園山」を登り帰宅した。
 4駆に乗り始めて、ハイラックス〜ランクル70〜デリカスペースギアと乗り継ぎ、D:5が今。ダートをガンガン走った大学生の頃、ランサーGSRで、学 生ラリーに挑戦していた頃もあった。当時、椎葉では、全日本ラリー選手権・・・たしか「ひえつきラリー」が開催されていて、今回とは違う意味での「椎葉」 だった。すでに、4駆は、登山口までのアクセス車となっているが、林道好き、峠好き、バイクオフローダーの間では、「九州一の峠」「聖地」と称されている そうだ。この「椎矢峠」から、「高岳」「三方山」を登り、「宮崎百山」宮崎日日新聞社の本でいう山が「99座達成!」という事になる。最後1座(比叡山) を欠けさせるのは、目標への向上心の為としておくことにする。

  
  
もうすぐ、日が昇る。雲が焼ける! 椎葉「椎葉林道」入口
  
  
可憐なキッコウハグマが、林道脇に 紅葉の林道を走る
  
   

林道から高岳方面。葉落ちしているのだろう・・・、稜線は枝の色が目立つ。

  
   
国見岳への林道分岐 椎葉門割林道
  
 

林道から、三方山方面を見る

 
  
日に輝き、紅葉は青空に映える。 輝く黄葉も眩しいぐらいだ!
  
 
椎矢峠手前にある「高岳登山口」から 高岳は22分。

 

 紅 葉の中、斜面を登ると、すぐに山頂台地に到着した。だだっ広い山頂からは、正面に「天主山」が見えていた。当然、一番高い場所へ向かうのが登山者の心 理・・・。そして、山頂なら三角点を見るのも登山者の心理。一番高い位置より、少し外れて打たれた三角点を見つけると、なんとも嬉しい気分になる。それを 見ると、余計に周囲の紅葉が目に入る。
 静かな山歩きが出来る事に感謝している。平日の山行ならではの事だろうが、誰にも会わないという事は、今、この大自然を独り占めしている錯覚にすら陥 る。しかし、それは、自己の傲慢の心境に他ならない。自然が、あくまでも自然で在り続ける事の意味は、いつも肝に銘じておかなければならないだろ う・・・。感謝と敬意の気持ちを忘れない事こそが大切な事だ。

 
     

 青い空に、精一杯の彩を放ち、そして、冬を迎える。一瞬の色だからこそ感動は大きい。

  
 
ずしんと山頂台地に立つ巨木は、そこに立つ意味を持つ・・・。
意味をこじつけるのは私達人間だけで、いつしかその「勝手な意味」を振り回そうとしている。
  
  
紅葉を楽しみながら・・・ 椎矢峠の上に立つ。
 

ようやく、この標識を見る事が出来た。 V字の峠は、少し痛い景色に見えた。
 
 

  来たくて来たのに、正直、何で来たのだろう・・・と、ふと思う。登山は、残酷だとも思う。自分が見たい為に、自分が歩きたいが為に・・・。なんで、こんな に辛くなったのだろう。V字に削った峠からは、「天主山」が見えていた。「天の主」と名付けられた山を、同じ目線に見ている。そして、青く聡明な空は、私 の軽薄な心まで見抜いているのさ!
 藪山を歩き始めて、中毒みたいに通い続けている。『心奪われている』とか、『目標にしている』とか、『趣味だから』とか、そんな感覚でも無い様な気がする。あれこれ、つべこべ言うのは、私の性分だが、正確にいう状況は、【訳判んねぇ〜】。

 
 
三方山への登山口 高岳方面のなだらかな稜線を振り返る
 
  
すぐに到着した「三方山」、標識は1つでいい様な気もするが・・・。
 
 
脊梁の主「国見山」 祖母傾も見える。
 
  
阿蘇「根子岳」もうっすらと・・・ 落ち葉も、贅沢な錦色だ!
  
    
ふぅんわりとした薄ら紅葉の斜面を見下ろす。今年も、葉落ちした樹木が多い。
  
  

なだらかで、穏やかな稜線が見えている。峠は、1400mの位置にある。

 
  
 

  椎矢峠に戻り、今日の山行を終える。これで、宮崎の山238座に足跡を残したことになる。新しい山ばかりに心奪われているが、それもまた一つのスタイルだ ろう・・・。どこ行こうか?何しようか?と思考が彷徨う時、体が「登っていない山」にしか反応しなくなっている。おいぼれた?そうかも知れない。最近、物 忘れがひどく??・・・物覚えが悪く??・・・まぁ、どっちもだろうが、そうなって来ている。水流渓人的には、良い意味で都合の良いようになってきている のだと思う。怒る事が減り、許す事が多くなってきていると思う。若い時は、人より抜きん出る事を美徳として、損得で動いていた。つまらぬ意地と、妬み、揚 げ足を取り他人を陥れ優越感に浸ろうとする・・・。私は、50年をかけて、たくさんの汚れた着物を何枚も重ねて着こんで来たのだろう・・・。おかげて、身 動き取れないほどに下劣な人間になっていたのではなかろうか?と、落ち込んだりていた。それがどうだろう・・・。こうして、ボケた間抜けな自分は、怒らず たくさんの事や人やを、許せるようになっているではないか???これから、着込んだ汚れた着物を、一枚ずつ「許す」事で脱ぎ捨てて行こう!
 森の中で、すぅ〜っと深い息をする時、樹間からやわらかい風を肌に感じた時、「ありがとう!」と、呟ければそれでいい気がしている。



今度はいつ来るのだろう・・・ 帰路、ジンジソウの揺れが目に止まった。
 
 

登山日記のページへ

 
自宅5:45----高千穂道の駅8:00----五ヶ瀬----椎葉----椎葉林道9:22----高岳登山口10:25----スタート10:40 ----高岳11:02----休憩----椎矢峠11:38----三方山南登山口11:49----三方山12:33----昼食・昼寝----下山 14:02----椎矢峠14:38----駐車位置14:44----椎矢峠写真----門割林道----椎葉----五ヶ瀬----高千穂----自 宅20:40
  

 Copyright (C) 水流渓人 All Rights Reserved  

BACK

inserted by FC2 system