水流渓人「hot-news」

2011年1月19日 「大幡前山」膳棚見学に・・・

大幡沢入口に駐車し、古ノ宇都温泉跡方面の沢から尾根へと詰め上がる。

 
 

  なんだか正月以降、重くなった腰・・・いや体重だろか?健診の看護婦さんは、「7キロもリバウンドしていますよ!今年は、3キロぐらいを目標にしましょう か!」と、なんとも職業的にアドバイスしていただいた。親の生涯年齢を追い抜き、日々感謝で目覚める朝だが、調子こいて晩酌は進み、重ねて「食らう行為」 =「生きてる実感」を実践していて、すでに、去年落とした体重は、順調に?素早く?元に戻っている。
 山に雪が積もると、ウキウキした気持ちも薄れて来ている。そんなんじゃダメだよ!と言う自分もどこかにはいるのだろう・・・。ネットでは山好きな人たち の雪山の画像が目に付く。特に、宮崎でも、今年はたっぷりの雪が、山には積もっている。んじゃ、手始めに「韓国岳」を丁寧に歩いてみようか!と、子供達を 学校に送るがてら、野尻町から御池方面へと向う。
 狭野神社手前からは、ふと見りゃ「膳棚」が立派に凍っているのが見えている。あれれと思う暇も無く、心体分離行動がとっさに起き、頭の中は「韓国岳登山 口」・・・ハンドルを持つ手は「右折」・・・、サンヨーフラワー温泉を通過していた。付いてこない頭を整理しながら、「ここからだと、大幡沢への入渓の堰 堤に駐車して、大幡山登山口だわな!」と、後から理屈を確認する。

 
  
こんな行動だった一日。 駐車位置。ここから歩く。
   
   
林道から膳棚が見えていた。 大幡山登山口を左の林道へ
 
 

  思いつきでここに立っていたので、当然地図の用意も無い。登山道?を行けば、難なく行けるものを、12本爪アイゼンや、20mロープや、ピッケル・スリン グ・カラビナが、リュックにあるものだから、沢から詰めてみよう!膳棚はあそこに見えている!行動へと、着々と進んでいく身体行動に、付いて来ない思考を 整理しながら、気が付けば沢に降り立ち、数日前?のトレースを辿っていた。しかし、歩き出せば、前日からの気温の緩みは、トレース=スタンスでは無く、何 度もすっぽ抜けもあり、仕舞いに両膝を強打し、もんどり打って左手は手袋のまま沢にザブンとなる。替えの手袋はあるものの、勝手な行動は収まらず、とても 傾斜の強い斜面と見ても判る左斜面を、登り始めるボクちゃん・・・いや、完全なハゲ親父に気付く。

 
   

踏み跡は、ここから右斜面をトラバースしていたが、私は左斜面へ取り付いた。

 
 
場所によっては腰まであるラッセルになった 尾根の樹間から、膳棚
  
 

  やはり、単独となると崖をトラバースは、ロープがあっても確保がないと危険だよな!と、頭が付いてくる頃には、尾根を這い上がるのが確実と理解してくる、 向こう、大幡池縁・丸岡山方面を見ると、雲に見え隠れし始めたのが、急に恐ろしさに気持ちを変える。「地図は無いが、顕著な尾根に自分は立っている!」 と、確信をつぶやき。とにかく一手一足でよじ登る。体力より気力が落ち込んでいるのは判る。水分と行動食を口に入れ、少しでも高い位置へと体を上げてい く。すでに膳棚は下方・・・山頂へと近づいている。痩せ尾根を20m越した辺りで、左から登山道が合流してきた。目印や踏み後が、最大限心強い。

 
 
登山道に乗れば、景色を楽しむ余裕が出る。
 

氷柱が発達した膳棚 大幡前山1298.9m
 

  山頂まで、アイゼンは必要なかった。しかし、そこから膳棚まで降りて行く気にはなれず、持参した6本爪の方のアイゼンを付け、ガシガシと大幡池を目指す。 大畑前山からは、目印も踏み後もあり、快適そのものだ!ようやく腹が減ってきた事に気付くゆとりが出てきた。考えて見れば、息絶え絶えだと自覚したラッセ ル劇も、雲に包まれホワイトアウトしたら?と自分のルートファインディングを不安に思ったのも、たった50分の出来事だった。やはり、自分が傲慢になって いるんだなぁ〜と、思う。山だけでなく、物事でも人でも、向き合う時、それなりの自覚や準備があってしかり!知っている・来たことがある・・・は、やはり 傲慢な過信に過ぎない。雪が積もれば、雲に覆われれば、あたりは一変するのだ!だから怖い・・・だから素晴らしい。改めて、気持ちを入れなおしながら、ア イゼンでザクザクと気持ちよく踏みしめながら歩いた。

 
 
高千穂峰・矢岳・中岳・新燃方面・・・この日、新燃は噴火したそうだ

 
あの急登の尾根を左に見る 大幡池への分岐
   
 

大幡池は、全面氷結とまではいかず、一部水面が見えていたが、素晴らしい景色だった。

 
 
記念写真をば・・・ 下山完了

 

  今年は、「脊梁」をテーマにしようか?なんてボンヤリ思ったりしていたが、宮崎百山も、残すところ7座となっている。でも、いつも思う「山は山の数ほどあ る・・・。」のだから、行ける所に、行ける時に行けばいいと思っている。まだまだ、多くで人との関わりを優先する登山には気持ちが行かないが、先輩には 「単独は、何かあると大変だぞ!」の言葉は、いつも胸に抱いている。

 
 

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自 宅6:40----宮崎市内学校----大幡沢駐車位置9:05----登山口・温泉跡別れ10:00----沢10:12----尾根へ10:45-- --登山道合流11:38----大幡前山12:18----大幡池13:05----昼食----登山口14:35----駐車位置15:18---- 温泉----自宅 
  

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