水流渓人「hot-news」

2010年10月6日 「銚子笠〜白鳥山」脊梁の稜線を歩く

1489.2mの銚子笠から、1639.2mの白鳥山へ・・・その稜線にうっとりとする。


 

  日曜日、ママと椎葉の大河内越から「尾崎山」を目指す。なんと雷雨!ママの体調まで崩れ、退散して西米良温泉でまったり・・・。まぁ、休みとしては、のん びりという事で良いのかも知れないけど、翌日の出勤の時、筋肉痛やら、体のあちこちが痛かったりする方が、なんとも満足の後味を楽しめる。そう思っている と、水曜日の計画が決まるのには時間はかからなかった。
 子供達を駅に送る6時20分、私は国道を反対方向へ走らせ、西米良を越え、湯山を通過し、市房ダム手前から、県道142号線へと左折し、不土野峠にたど りついた。ここから更に左折。林道と言っても、素晴らしい舗装の林道を走る事7km・・・。ゲートにたどり着く。ゲート横には、右にチェーンで閉鎖された 未舗装路が現れる。ゲートの少し先の広場に駐車し、未舗装路の林道を歩く。それにしても、文句無い青空だ!ふわんと漂う空気も、涼しい秋の訪れを感じる。

 
  
市房ダムへ向う途中から県道142へ左折 不土野峠から左折し、立派な林道へ
   
  

林道途中から、銚子笠方面?・・・横真一文字に、林道に切り裂かれているなぁ〜!

 
  
ゲート先に駐車し、しばし林道歩き 県境・・・左/熊本/人工林・・・右/宮崎/自然林
  
  

ほどなくで、銚子笠山頂に到着 白鳥山方面の稜線歩きが始まる。
   
   
 
稜線の樹間から、白鳥山方面を見る。
  
 

 銚子笠の山頂へは、県境を歩く。まだ、この時、白鳥山へ行く気持ちは薄かったが、歩き始めて1時間で引き返すのもつまらないし・・・ぐらいの気持ちで白鳥山方面へと踏み出す。待っていたのは、うっとりするほどの穏やかな稜線だった。
 
 「胸の痞え」が外れる時がある。何かが胸を塞ぎ、絡んだ糸が、まるで固い鋼鉄のようになってしまう・・・。どれだけ自己は悩み苦しむのだが、それを以外 の人には気付かれない様を装う。どうして、周囲の人に気付かれない様しなければいけないのだろう?それは、知ってもらおうと胸を内を曝けたところで、本当 の事を理解してはもらえない事を知っているからだ。だから、着飾る服の如く、生き様は「装う」事を美徳としている。凛として生き行く様は、多くの苦しみも 悩みも、すべて飲み込んだ如く平然と、そして淡々と日々を重ね、穏やかに生き行くのである。「胸の痞え」・・・、それが、ふと外れた時の爽快感は一瞬で、 次の痞えが、次々と懇々と湧き出て胸に詰まるのだ!なら、痞えたまま、そのまま生きるほうが潔い気がする。ふと、歩いてきた道を振り返る・・・などと言う が、振り返っても道は見えず、ただ、単に己の記憶が、しかも勝手な記憶が、自分の過去まで塗り固めているだけだ!
 
 穏やかな稜線は、私に、日々の辛さを忘れさせてくれるどころか、更なる疑問を投げかけてくる。遠くまで見える山々の景色は、不動に見え、揺れる自分をフ イと笑う。ようやく、悩みも、苦しみも、受け入れてみよう!という自分に変わり始める。自然は、日々の何もかもを忘れさせてくれる・・・などと、山歩きの 良さを語る人がいる。語る自分もいる。「装う」事を忘れない、そんな不自然な語りだよなぁ〜!自然の中に身を置き、そして、日々の悩み苦しみを思う時、不 自然に忘れ去ろうと努力するより、自然に受け入れる事が出来る自分になれる・・・のが、本当ではないだろうか・・・。

 
  
色づき始めた木々 ブナの立ち枯れは、悲哀を感じる。
  
  
球磨川の源流をはさみ、犬山切方面〜〜あぁ〜涼しい風に、いい天気だよ!

 
稜線から、高度150mを一気に上る これもまた、白鳥山の穏やかな風情
  
  
山頂標識をパチリと写して・・・ 石灰岩の展望所で弁当!
  

眼前には、時雨岳・銚子笠が手前に・・・市房方面の雄大なパノラマが広がる。
 
 
もう一度、銚子笠の山頂を抜け 林道へ降りる。
 
      

  白鳥山に到着した。さぁ、弁当を食べて、銚子笠に戻ろう・・・。銚子笠に着いたら、駐車した林道に戻ろう・・・。なんで、折角登ったのに、また降りる?同 じ位置に戻るのなら、最初からそこに居ればいいんじゃないかな?山歩きをする前の私は、つい、そう思ったりした。だが、そこに居るより、あへあへと登る と、何かが待っているような気がする。登っても、何も待っていないことを知った。でも、何か待っていそうな気持ちを持続させてくれる、そんなパワーが山登 りにはある気がする。いや、登っても何も待っていないと判っていても、今は、登ろうという気持ちの方が強い自分になってきている。
 「次、どこへ行こうか?」「どこを登ろうか?」と、聞かれたら、何と答えるだろう・・・。「何も無いけど、何かありそうな・・・そんな所かなぁ〜!」

 
 

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自 宅6:30----村所----湯山147号線---不土野峠8:50----ゲート付近に駐車9:08----林道歩き始め9:23----県境尾根取 り付き9:40----銚子笠山頂10:27----1468mピーク11:10----分岐12:16----白鳥山山頂12:25----石灰岩展望 所12:30----昼食----下山13:30----分岐13:40----銚子笠14:39----下山14:50----林道登山口15:03- --- ゲート駐車位置15:35----自宅19:00

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