水流渓人「hot-news」

2009年6月17日 「硫黄山オオヤマレンゲとえびの岳」夫婦山行

ママ、そんな言わんと、とりあえず出かけてみようや!

 

 久住山系の11座縦走以来、膝に痛みを抱えてしまったママである。気乗りしないまま、無理矢理連れ出す格好になってしまった。登山でなくても良かったが、折角のオオヤマレンゲの時期、とりあえず「えびの高原」に行くだけでも・・・と、子供を学校に送った足で霧島を目指した。
 休みだからと言って、登山である必要はない。だが、休みで自宅にいる事が不慣れになるほどに、休みには出かけている。穏やかに時間を流す事で、自分を癒せるなら、出かけない事で疲れがとれるのなら、そうもしているのだろう。しかし、出かけると言うより、自然の中に身を置くことがどれだけの癒しや活力になっている事だろう・・・。一日中、家に居たことを後悔するストレスを持つぐらいなら、やはり出かけて自然の中に身を置きたい!

  
  
咲いていた・・・ 光に輝くツボミ
   
   

「森の貴婦人」とは、良く言ったものだ!
そこに咲く事に、そこにそう咲く事に意味を持つ花だと思う。

 
 

硫黄山越しに主峰「韓国岳」が鎮座する。

 えびの高原、その向こうに「えびの岳」が見える景色をゆっくり眺めた。
 
  

 硫黄山の端から、岩に腰掛け「えびの高原」をゆっくり眺めた。景色を見ていた気もしたが、実は自分の中を覗いていたのだと思う。大体、山を歩くという事は、自分の内面を弄っている事が多い気がする。季節や景色や花やを追いかけている様に見えるが、本当は、少し違うような気がする。いつも何かにストレスを感じ、何かに挑戦しなくては・・・という焦りを抱き、自分の価値観こそが大切なんだ!と建前を語るに疲れ、じゃ、一体自分は何がしたくて、どうなりたいのかさえも判らずにいる。答えの出ない悩みを考えたりして歩くから、またその答えを求めて山を歩こうと来るのだろうか?
 この日、ママは無表情で、あまり喋らずに歩いていた。何度か話しかけたが、返事も重い。こう言う時、景色であれ、花であれ、見ててなんの反応もない登山の楽しいはずもない。自分の中に居て、自分の思いのままに振舞い、周囲がどんな印象であれお構いなしに出来る・・・。状況的には、カツンと頭に来る事だが、そうできるのも夫婦ならでは・・・と思えば我慢もせねばなるまい。どうしたのか聞いても答えない・・・、時間が過ぎ気持ちがほぐれるのを待ては済むことだが、その原因が知りたくて聞きたくなる。理由が知りたくて聞くという行為は、実に自分勝手に思える。自分の疑問を満たすために、相手の状況などお構い無しに「説明せよ!」と責めるのだがら・・・。ただ、人の関係というものは、相手あっての関係だから、通常でない態度を取る時、ある程度会話で説明しないと相手に心配?疑問?を持たせる事になる。「聞いてあげる事」「そっとしてあげる事」どうしたら良いのか・・・。人に精神的なグラフが存在するなら、寄せては返す波のように、ママのグラフは上下にうねる。起伏があるから、心配は尽きず、喜びも大きいのだろうか・・・。波風立たぬ横一のグラフの様な日々なら、心配もなく喜びも感じなくなるのだろうか・・・。だが、そのいつもの意のままの振舞いで、ズンと重い気分にさせられるのも辛いものである。夫婦とか家庭で、夫・親父の存在は何なのだろう・・・。「働いて食べさせてやっているんだ!」の態度は、私は見苦しいと思っている。子育てや家事を手伝うのは当然だと思っている。たまに面倒になるのは、私が男である事を理由には出来ない。妻であり母親であろうと、面倒な時はある!その歪みを調整する為に、自然に触れているのだろうか?

 
 

えびの岳を登るために準備をしていると・・・、鹿がつついてきた!
 
  
エゴの花 ベニドウダンツツジ
 
 


えびの岳の展望所で韓国岳をバックに・・・合成写真だぜ!

 
 
ネジみたいなグリグリな枯れ木 結構探した山頂
  
 

キャンプ場が見えてきた

管理棟を過ぎて駐車位置へ戻る

 
 

 山頂標識を探すのに、ずいぶんウロウロした。一番高い所を探す・・・。以前来た時に、山頂を確認せずにいたので「見つかりにくい場所」をイメージいすぎてしまった。なんだ!という、実に判りやすい場所にあった。少し進み、小高い開けた場所で昼食を食べる。自宅で作った弁当は、ふっとため息が出る。買った弁当にはくらべものにならない程の落ち着いた味がある。食べながら、山に居て日常の話をポツリポツリしながら、ママの感情は少しずつホグれて来た。男は、日常を外れる事で日々のストレスを発散できるのだが、女はそうはいかないものなのだろうか・・・。いつもの日常の中で、穏やかにそれを消化しほぐしていかないといけないのだろうか・・・。
 「今日は、ごめんね!」ママのその一言で、原因は聞かなくていい気もした。

 
 

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