水流渓人「hot-news」

2009年5月13日 キリシマミツバツツジ「湯之野登山口〜新燃岳〜新湯」夫婦山行

今年は、少し早い開花だとの予想を聞きつけ、早速行ってみる。

 

 なんで今まで、このキリシマミツバツツジに会えなかったのか?ヤマシャクヤクもそうだ!まぁ、浅い登山経験なのに、新しい壁を追い続けていたからなのか・・・。肩の故障は、岩へ復帰できない焦りやいら立ちをもたらしている。ふんだんに貴重な経験も出来たし、自分で登れるルートもいくつかはあるし・・・。でも、反面の安堵感も感じている。怖さと臆病さが蔓延し、逃げ出したんだとも開き直っている。激しく達成感に包まれるには「岩登りが最高!」と思っていたが、それも続けば感覚は慣れで鈍感になって来る。今は、故障せずに、じんわりと時間をかけて歩く事に新鮮さを感じている。バランス良く自然を楽しむには、「初」とか「冒険」とかというキーワードがあると、より満足は高まるが、それより忘れてはいけない「感謝」とか「優しさ」というキーワードの方がウエイトを占めて来ている気がする。
 前夜まで、体調のすぐれなかったママが、朝から気力で「登る」つもりになっていた。今年になり、今までになく風邪を引きやすいママである。今回は、1ヶ月以上も鼻水と激しい咳が続いている。登校する子供達も一緒に家を出ると、登山口へ。宮崎市内から国道10号線を高岡町へ向かう。平日だから、周辺の仕事モードの雰囲気の中の走行は、やはり落ち着かない。周りが仕事をしているのに、自分だけが遊んでいる感覚に陥る。逆に、土日を仕事している私だが、周囲の穏やかな休日モードから、強いストレスを受けてしまう。社会の流れに、少しズレながら生活するのは、すでに28年が経ち、慣れているはずだが、いまだに強いストレスを受けているのだから、やはり根本的に大きな間違いがあるような気がしてならない。しかも、それは取り戻せるものではない。
 野尻町から高原町へ左折する。御池横を通過するとき、高千穂峰の二ツ石が結構くっきり見えていたので、「曇り」予報も外れてくれるかなぁ〜なんて期待する。いつもは、霧島神宮手前から高千穂河原を目指すが、新湯だから、そのまま通過し林田温泉前経由で新湯温泉の新湯林道入口へ到着した。この新湯温泉は、何度か入浴したことがあるが、乳白色のなんとも温泉!らしい雰囲気である。洗い場が狭く、洗いにくかった記憶があるが、「登山者は駐車場に止めないで!」の標識が目につき、なんとも帰りに入浴気分をそがれてしまう!なぁんか、すんませんね!と言わなくてはならない感じで、恨めしげに赤屋根の新湯温泉を眺めながら、新湯林道入り口の空き地を利用させていただき駐車した。平日に、多い駐車車両を見ると、キリシマミツバツツジの開花状況に期待が膨らんだ。

  
   
有名な「新湯温泉」横の、林道入口に駐車し・・・ 車道を歩いて湯之野登山口へ。
   
 
キリシマテンナンショウ ミヤマキリシマもそろそろシーズン!
 
 

湯之野登山口からは、急登も無く、自然林の中をゆったり歩ける。視界が広がると、なんとも穏やかな曲線・・・。
左:新燃岳、右:中岳の鞍部へ

 
  
新燃岳への木道の隙間から「マイズルソウ」 穏やかなこの景色は好きだなぁ〜
 
 

 新燃岳の山頂に来た。湯之野口からの登山道は、ホッとする森を歩く。緩やかに標高差550mを歩くと、この山頂に立つ。高千穂峰をバックにセルフタイマーを放つ!!約10秒でシャッターで落ちるから、一瞬腹を引っこみめる必要がある?そんなこっちゃなくて、裾野に樹海を広げ、堂々たる土の塊の山は、本当に秀逸なスタイルをしている。まぁ、メタボなオッサンが、より高千穂峰を引き立てているってこっちゃね!!腹も減って来たので、先を急ぐ事にしよう!

 
 
新燃岳からの下りもツツジのトンネルだ!正面「獅子戸岳」 ゆっくり歩かないともったいないよ!と・・・ママ
 
 

霧島の主峰「韓国岳」がバックに立っている。キリシマミツバツツジの群落は、そりゃ感動したよなぁ・・・。

 
 
新湯方面へウキウキ歩く まさに「ミツバツツジのトンネル」だ!
 
 


通常のミツバツツジはすでに散っていった頃、キリシマミツバツツジの時期を迎える。
花期も違っているが、枝というか木全体の様子も違っている気がする。
もう一つの違いは、斑点の有無もある。

 
 
丸太橋を渡り、新湯林道へと入る しばらく歩いてゴールの新湯温泉
  
 

 キリシマミツバツツジの群落は、まさに圧巻だった。いつも、記録を書く度に「大感動」感あふれる大袈裟みたいになってしまう。でも、この自然の恩恵は、こんな屁みたいな文章や写真では、いくら伝えたくても伝えきれない。それは、自然にはなんの駆け引きも無いなすがままの表現があるだけで、飾っているものではない。それは、「尊さ」であり「神秘」であると思う。おちゃらけた私みたいな薄っぺらな山歩き人には、せめて「感謝」の気持を、自分の中に持つことぐらいしか出来ない。
 曇りの予報が、青い空に変わり、満開のキリシマミツバツツジが天を覆い尽くしてくれた。子供を学校に送り、ママと15km歩くことが出来た。下山後、ゆっくり走れば、子供を迎えに行く時間に間に合う!こんなに、日常に近い場所に大自然が広がり、そして楽しませてくれる。環境に感謝している。

 
  

えびの高原から韓国岳を見上げた、「文句あるか?!」と叫びたい。

 
 

 

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