水流渓人「hot-news」

2008年10月15日 水曜登攀隊「ウォーターカップU〜比叡の果てルート/比叡3峰」宮崎県

前日降った雨、それを承知で3峰道路から川に下る。
決めた「ウォーターカップUルート」が登れるか確認する為だ!
私達は、岩肌にへばりつく濡れた苔に悪戦苦闘しながら・・・
滴る染み出しのしぶきを浴びながら・・・
表情の違うルートに、水曜登攀隊の初心を見た!!

   

 水曜登攀隊は、経験者にそのルートへ連れて行ってもらった訳ではない。なんだか、見よう見真似で、情報を探りながら、地図やトポに期待と想像を膨らませ、一つ一つのルートに向かった。それは、いつも始めて見る表情と厳しさであった。でも、そうすることに価値を感じ、自分達の達成感に意義を感じる旅である。多分、私も小松の親分も、最初の数回以外、「連れて行って欲しい!」と口にしなくなっている。自分達の意思で向かい、挑戦することがかけがえの無い行為に思えるからだ。連れて行ってもらう事を、いつもフォローの私が否定は出来ないが、水曜登攀隊はチームとしての存在を、このウェブサイトに記録として歩き続けている。おそらく、1日1万ページビューを越すアクセスは、宮崎の岩場を多くの人達に感じさせている事だろう。だから、正直でありたい。臆病でありたい。そして、この素晴らしい岩場を提供いただく地元の方たちや、長きに渡り交流をされ、岩場を整備されている先輩方の事を忘れてはいけない。
 「連れて行ってもらう事」・・・、すでにそれは連れて行く人の山行に他ならない。そして、それはそうでなくてはならない。じゃ、仮にだ・・・!いつも陰険なまでに土日の休みの無さを嘆く私であるが、土日が休みだったらどうだろうか?多分、自主的に行く登山しかしないと思う。山の会に在籍しているので、そりゃ今でも年に僅かな例会山行には出向くが、それは変わりない気がする。水曜に集える数人の仲間が、とても有難いが、多数になると私は逃げるのかも知れない。
  

  【ウォターカップUルート】
    1P/25m/5.10a(VI+)
    2P/35m/5.10a(VI+)
    3P/50m/5.10a(VI+)
    4P/10m/5.5 
    5P/50m/5.10c(Z)
  【比叡の果てルート】
    1P/30m/5.10a(VI+) 
    2P/25m/5.7(V+) 
    3P/30m/5.9(VI) 
    4P/50m/5.10d(5.10a・A1) 
    5P/35m/5.10c(Z) 
  
   
3峰のトンネルを過ぎた広場に駐車 林道を降りると、橋手前から植林地へ左折
 
  
川が近づくまで下降すると、左への古い道 ウォーターカップUの取り付き目印となる木(左)
  
 

濡れた苔に足元をすくわれながら・・・、それでも登攀が始まった!

 
  

 3峰のトンネルをくぐると、大きく右カーブがある。その左側に数台駐車できる空地がある。支度を整え、そこから30m先へ進むと、左へ下る林道がある。じくざぐ歩きながら、橋の手前で杉の緑林地へ左折する。古い赤テープが細い木に巻きつけてある。そこからはどう下っても良いが、あまり左へ行き過ぎない様に川へ近づくと、古い道に出くわす。しばし左へ歩くと、左上に見える白い大木を目印に歩く。3度目ともなると、最短でたどり着く。1度目から迷うことなく行き着いているが、3回とも同じ所を歩いていないのも事実だ。(アプローチ担当:水流渓人)
 登攀隊長は、もちろん小松の親分だ!岩に取り付くまでに、苔のニュルニュルを登る。そして、垂直に近い岩と立木のブッシュ・・・。今日は、ここが相当に悪く、私にとっては必死の登りとなった。それで、どうするのか?「ここから先は大丈夫でしょう!」と、小松の親分は、岩を乗り越して姿が見えなくなった。1P、途中の染み出しの草付が核心となる。

  
  

2P、右にトラバースする所は、上から滴る水がしぶきとなっていた。直上から乾いたスラブとなる。

 
 
1峰の象徴「ニードル」が、おだやかに見える。
  
 

5P、ルート核心となる5.10c。軽々フリーで切り抜ける小松の親分。

  
  
いまどき、ラコステの靴下を履く水流渓人 ウォーターカップUの終了点/中間点
  
  

 ウォーターカップUルートの終了点は、同時に次ルートへの取り付きにもなる。当初計画は、「左方カンテルート」であり、前日雨の今朝の計画は、「ウォーターカップUルート」が登れるだろうか?の、迷いながらの登攀であった。そして、小松の親分は「比叡の果てルート」へ行くと言い出した。なんせ、辛かった2段?ハング越えが記憶にある。辛いと思いながら、「暗くなっても下山出来るから、じゃ存分に楽しみましょう!」と、口から声になっていた。

 
 
2P 3Pへ

 4P/50m/5.10d(5.10a・A1)、粘った小松の親分だが、ついにA0になってしまった。でも、解決できそうだと熱く語っていた。私は、お助けスリング残置も最大利用し、腰の名刀?でなくテープアブミを駆使してやっとこさのフォローである。でも、気分爽快!!
 
 
少し手前で4Pを切ったので、私がそのまま5P取り付きへ行く。 ダイヤモンド矢筈岳?
 
 

最終5P(計10P目)へ

終了点で、満足の1枚!

 
 

 なんだか、膝が痛かったり、肘が痛かったり、腰が痛かったりする水曜登攀隊である。それでも、小松の親分は5.13を今年の目標に、本匠へも通っている。私は、目標は無いが、ぼんやり水曜登攀隊の初心である「初見チャレンジ」に思いを馳せている。【広タキスラブ】であり、【サブマリンカンテ】であり、【西岩稜ルート】であったりする。【大崩・小積の蜘蛛の糸〜中央稜ルート】の大岩壁であったりする。私がリードで取り付けない事は承知している。・・・そんな状況の水曜登攀隊でもある。
 今日の充実ぶりを、日向「お舟出の湯」の露天風呂で語った。そして、集合場所の都農神社の駐車場で、「じゃ、また来週!」と別れた。

 
  

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 自宅6:30----佐土原駅----都農神社7:30----3峰先空地駐車場発9:25----ウォーターカップ取り付き9:49----登攀開始10:08----1P取り付き10:50----終了点14:00----比叡の果て登攀開始14:15----終了点16:50----下山17:20----駐車位置17:40----帰路----日向お舟出の湯----帰宅19:30

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