水流渓人「hot-news」

2008年9月23日 「尾鈴/滝めぐりコース」宮崎県

  

そこには、そこにしか咲かない花がある。
次女と長男と歩く・・・。ずいぶん大きくなったもんだ!

 
  

 この時期、尾鈴では「キバナノツキヌキホトトギス」が咲き始める。ここの固有種ではあるが、いったいどんな流通経路で園芸種として売られていたりするのだろう・・・。そう言えば、綾町の物産館でも、それは間違いなく園芸種なんだろうが・・・ササユリが売られていた。山野草を楽しむことを否定するわけでは無いが、そこに育つ意義のあるものをわざわざ持ち帰えるのであれば、盗掘以外の何者でもない!果たして、売り買いされるものや、自宅で観賞用にされているものを、どう園芸種なのか盗掘なのか見分けを付けるのだろう・・・・・・。意識の高い次元で楽しむのは、決して盗掘であろうはずがない!はず! 霧島で、白いミヤマキリシマが盗掘された。比叡で、ミツバツツジを枝ごとリュックにさして歩く女性グループを見た。去年までそこに咲いていた株が、今年は無いのはどうしてだろうか?私達も同様なのだろう・・・自然を残したいなら、わざわざ自然の中を歩き回らない方がいいのだろうか?自問しながら、子育てを自然に親しむようにした私である。意識の高い感性を養うなら、本物に触れなければその感覚も育たないと信じ、子供達を自然の中に連れ出した。そこに咲く花を・・・、そこに流れる流れを・・・、そこから見える景色を・・・、そこで感じなければダメだと思った。自然を愛せば愛すほど、自然に触れれば触れるほど、私は判らなくなる。この時代に及んで、出来るだけ省エネの電気製品を作ること・・・、出来る限り燃費の良い車を作ること・・・的理論を、もう一度見直してみる事も大切な時期に来ていると思う。出来る限り使用を控えるとか、出来る限り車に乗らずに歩いてみるとか・・・進歩より後退に、何か大切なことがある気がしてならない。本末転倒という言葉、人が言い出し、人が行っている事の悲しさを、もう一度よく考え直してみるのも良いかも知れない。ただ、そう考えた人たち?が怒涛の如く群れを成して、ツアー登山する様も、どうなんだろう・・・。難しいね!!  ぶつぶつ言うのは性分です。
 そんなこんな(どんなそんな?)で、しばらく膝痛でのストレスが言わせるのか?そもそもぐじぐじと言う性格なのか?そりゃ〜ぁ私にも判らんが、こんな自然の濃い場所の近くに暮らす幸せに感謝する気持ちを忘れないでおこう!

  
   
欅谷の橋横の登山口?遊歩道口? 自然の濃い遊歩道にかかる橋を渡る
 
  

薄暗い森で、写真を写す・・・スローなシャッターなんだろう!息子の動きにあわせて見た。
私は、膝の痛みが出ないかを気にしながら歩く・・・。その前を、軽く走る息子が眩しい。

 
 
なんだか?キノコが大量に生えている。 尾鈴では、出会うのが必然!
  
 

 高度は上がらないが、往復11キロの遊歩道である。たくさんの滝を見ながら、ここに流れているのが当たり前の様に見ながら歩けるのは、田舎に住む特権である。そして、豊かさを感じる至福の瞬間でもある。
 前夜、次女と長男が「明日はどこか行く?」って聞いてくれた。同行してくれる合図だと喜んだ。ママは、体調がすぐれず、朝中止を決めたが、弁当を作ってくれた。のんびり歩こう!気持ちが和らぐと、自分に降り注ぐ自然の恵みにたくさん気づく。そして、感じる。すでに、姉の背丈を追い抜いた弟が、姉に誘いをかけて歌を歌い始めた。

 
 
遊歩道上にある「カツラ」の大木 スダレ滝が左に見えてくる。
  
 
さぎりの滝 さぎりの滝横のトンネル。声が響く事でしばし遊べる!
  
 

 沢づたいに咲く「キバナノツキヌキホトトギス」は、尾鈴固有の花。この花を絶やさない事が、今生きる私達の責任だろう・・・。ここに、当たり前に咲き誇り、咲き乱れていないといけない花だろう・・・。

 
  
沢の水で遊ぶ・・・当然の行為! 丸太橋が流されていたが、そのまま歩くのも当然。
  
  
白滝手前にかかる、立派な丸木橋 「コウガイビル」ヒルの仲間らしい・・・初見
 
 

 白滝の側で、今度はキバナノホトトギスに囲まれて弁当を食べた。3人が、同じ内容の弁当をむしゃむしゃと食べた。あれこれ話したが、すでに会話を覚えていない。3人とも、ただ落差75mの白滝を眺めながら、食べ話したという事。それにすぎない行為を、私達親子はたくさん行ってきた気がする。

 
 
キバナノホトトギス 宮崎固有 やすらぎの滝で、ロッドを降る長男。
もちろん釣れない。横で寝転がり眺めていた次女がニヤッと笑った。
 
 

 帰路は、寡黙になる。ただただ、お互いの気配だけを感じて、黙って歩いていた。それも、どのくらい親子で繰り返してきた行為なんだろう・・・。時折、長男が天体や物理を話しをする。あまり理解できない頭で、うなづきながら聞いている。質問は出来ない。でも、彼は、今いる自然を理屈で語ろうとはしない。今に対する礼儀の様な気もする。

 
  

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 自宅9:00----欅谷橋登山口9:47----すだれ滝10:44----トンネル----白滝11:37----昼食----帰路12:10----やすらぎ滝12:35----駐車場13:40----帰宅14:30

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