水流渓人「hot-news」

2008年4月23日 「黒金尾根〜祖母山」/大分県

 
 

意を決して「阿蘇・鷲ヶ峰」の登攀を計画していた・・・。

 

日向灘に朝日が昇った。予報は雨・・・。

 

 所詮、私の挑戦なんてこんなもんである。前回は、比叡の2スラスーパーなんて大袈裟な事を振りまいては、濡れた壁にスゴスゴと敗退を決め込み、1スラを登った。2・3週と、雨で山には行けず、悶々としては「挑戦」みたいな気持ちの高ぶりを自分の中に抱いたりした。自分の計画で、自分のリードで挑むつもりでいた「鷲ヶ峰」は、未だに行ったことも無い初挑戦の領域である。雨の予報に、変更した山は「祖母山」だった。なまりきった体には、それは強い刺激になるであろう・・・きついと噂される祖母の看板ルート「尾平〜黒金尾根〜祖母山〜宮原〜尾平」を選んだ。実に、大分側からの祖母・傾も初めての事・・・、行けばチャンスはたくさんあったのだろうが、なんともこの九州屈指の「縦走路」を、家族6人で!と夢みたいなものもあり、手付かずにしていた。たぶん、家族での縦走は遥かな夢みたいなものになりつつあるが、「夢」は捨てずに抱き続けたいと思っている。とりあえず、雨でも歩くつもり満々でやってきたんだよ!!

 
   

チューリップフェスタを開催している緒方町・道の駅「原尻の滝」の前。

登山口になる「尾平駐車場」(500円)

 
  
登山届ポストのある登山口 少し行けば立派なトイレがある。
ぜひ、綺麗に使用して欲しいと願う!
 
   

尾平鉱山跡から祖母・傾の縦走尾根を望む・・・今にも雨が落ちてきそう!

  
  
第1吊橋は、下を通過する。 第2吊橋を渡る女子?約2名。
  
 

しっとりとした新緑の中を歩くのは、実に気持ちいい。欲を言えば平坦であればなを結構!

  
 

津上橋を渡る。

川上渓谷の流れを眺めつつ・・・

 
 

いよいよ、黒金尾根へ取り付く。

 

急登の連続が続く。標高100mおきに設置された標識は、ペースを測るのに便利。
ぱらつく雨だが、森の中ではまだ着用しない方がペースは上がる。
たるんだ体にヘロヘロの私。なぜかタフな川キョンが、ちょいバテ!
そんな中、絶好調のじんさん。物凄いスタミナだ!!
標高1000m辺りで見ることが出来た「アケボノツツジ」に、鋭気を取り戻す。

 
 
ひたすら標高を上げるのだ! ようやく「天狗の水場」冷たい水は美味かった!
 

栂の原生林広場辺りで降りだした雨は、いよいよ本降りになってきた。(天狗の岩屋にて)

 
  
天狗岩が、ぼんやり姿を現した! 縦走路に飛び出す。
  
  

雨で、ぬかるんだ縦走路はすべる。振り返ると、尾根に抜ける縦走路の曲線がいい!

 
 
くず岩の斜面を登ると・・・ いよいよ山頂直下へ
 
 
慎重に、濡れた梯子・鎖場を通過。 そして、祖母山頂です!
 
 
視界の無い山頂 たくさんのマンサクにも出会えた。
 
 

 4時間20分もかかって、ようやく山頂を踏んだ。実に、休憩ばかり・・・。実に、ひた・・・ひた・・・としか足が持ち上がらなかった。弱音を吐いてみたら、川キョンも辛い!と言ってくれた。いつもよりずいぶん遅い歩きだ!と、じんさんにも見破られた。毎晩、何かから逃げるように飲み続けているからだと思う。何か取り付かれた様に食べてしまい、今までに無い苦しい満腹感に襲われている。アホだと自分で判っているが、判っていて繰り返すのが人間かも知れないなぁ〜!なんて、言い訳を見つけるのは上手い。
 痛い足と、力の入らぬ太腿。意欲を欠いた登りは、本当に空しいと思えた。この日、未知の登攀に苦しむ自分に、ひょっとして感動できたかもしれない。そんな不満は、強靭なクライマーが吐くセリフだぜ!と、耳の後ろから聞こえてくる。人は、目標を持ち続けることで、意欲・・・そして満足を得るものだろうか?ならば聞くが、お前の山登りは何だ?お前の仕事は何だ?家族は何だ?子供は?夫婦は?答えの出ない、悩みみたいなものを目標に持つ必要はないはずだ。なのに、いつもお前は自己の状況を嘆いてばかりいる。卑屈でケツの穴の小さい情けない男であり親父であり夫であるのだ!そんなちっぽけなお前である姿を、この大きな自然は、ひょっとして気づかせているんじゃないのか?でも、私のもっとチンケな所は、いつまでもしつこく悲観ばかりしている所だ。
 
 9合目小屋の土間のベンチに座り、弁当を食べた。じんさんが、私と川キョンの分まで弁当を作ってきてくれた。とても料理が上手なじんさんである。何品も入っている弁当は、あまり在り付けない。主婦業の上級?とおだてておこう!またの弁当を期待して・・・。いやいや本当に美味しかったです!

 
 

小屋の前にて、女子?約2名を写す!さぁ、下山だ!

 
   
宮ノ原分岐 雨に、黄金に光るヒメシャラ
 
 
朝下をくぐった第1吊橋を渡る で、下山!
 
   


原尻の滝」を見て、竹田市の温泉「花見月」へ向かう。

 
 

 鷲ヶ峰の代償に・・・なんてつまらぬ理由付けをしたが、「黒金尾根」は、本当に本物の自然を持ち、厳しい自然を私達に楽しませてくれた。来て良かったと、露天風呂から雨の降る空を眺めながら思った。そして、私がいつも感じているのは、「自然は、その懐に抱かれれば心地よいが、逆らえば牙をむく!」・・・と言うこと・・・。抱かれるなら、身を任せばいい。無理することじゃ無い。
 
 竹田の温泉でスッキリすると、じんさんと別れ自宅を目指す。すでに7時を回っていたので、腹が減り延岡のラーメン屋さんに寄った。結構な量の定食を、私も川キョンもペロリと平らげて帰宅した。また行こう!

  

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