２００８年１月２３日　「朝陣野という山」宮崎県

珍しい・・・のは、ママが水曜日に休み。
４人の子持ち家庭は、ママもパートに出なくては大変なんだが、仕方ないよな！
大変な分だけ幸せも大きい！
私の後輩になっている子供達は、中高一貫の私立に行っている。
家庭財政は緊迫しているが、学校に行くのが楽しい子供達を見るほうが幸せである。
でも・・・、
大変でも、「遊ぶ」事を忘れない家族でありたい。
水流渓人である事は、家族が感性豊かに暮らせる事・・・。
豊かな遊び、それを知っている家族でもある。

まぁ！短い時間でも、楽しめる場所はあるはずさ！

　水曜日休みの私、土日祭日の通常休みのママ、でもパートだけど勤務状態に理解のある、しっかりとした職場に通っているママでもある。ママの仕事は、雇用状況のしっかりした大手企業の事務・・・私でも取得できない「有給休暇」も取得出来る環境なんである。・・・で、水曜日に「夫婦山行」実現である。
　「買い物」と「子供の迎え」を控えてての「登山」である。前夜、宮崎市近郊の山を調べてみた。【手軽に登れてニューピーク】と呟きながら決めた「朝陣野839.5m」である。

田野町内のスーパーの駐車場から、山肌伐採跡の「朝陣野」と、雲に覆われる鰐塚山（右端）

 　
　宮崎日日新聞社発行の「宮崎百山」によると、この【朝陣野】は、百済王の亡命先が田野であり、王への追討軍を防ぐため、【朝から見張りの陣屋】をおいた場所がこの山ではないかと言われている・・・と記載されている。山とか岳とかつかない山もいいもんだ！なんて呑気に「道の駅田野」を目指して県道28号線に入る。前夜、ホームページの更新をしたりで、遅くまで起きていたのが原因でオット危ない運転になったりした。運転交代してもらおうかなぁ〜と、居眠りしているママを恨めしげに覗きこむ・・・。

十字路手前の伐採地からの展望。
すっきりしない視界に、雨が降りそうな気配を感じる。

　登山口から４０分で山頂と書いてあった。もう少し歩きたくて手前に駐車したが、それでも２５分で登山口に着いた。今日は、無性に足が上がらない！しんどい！と言いながら、２７分で山頂に着いた。冷たいミストサウナの中を歩くと、汗みたいに滴り落ちる。人工林ばかりが目に付いた林道からの景色だったが、登山道は、濃い自然林に覆われていた。短い登山が、低い山が、その山の価値を決めるわけでは無い。それ以上に、自然を楽しませてもらっている私が、その山の価値を語る事も必要ない。どれだけ、楽しむ気持ちを持ち、そして楽しませてもらうか・・・である。

三等三角点の立つ「朝陣野」山頂

　家で作ったオニギリが、まだなんとなく温かかった。パクパク食べた。熱いお湯を水筒から飲んだ。歩いて、そんなオニギリを食べて、お湯を飲んで何が楽しいのか？って・・・。それが、豊かな楽しみなんである。そう思うから、ここまで来た。穏やかに流れる時間に包まれると、気持ちがやさしくなる。日々の生活は、人間が作った造形の中で流れている時間だ。そんな時間の中に、素直な気持ちが持てるだろうか？元来、人は自然とともに生きてきたはずなのに、いつしか自然を犠牲にして、都合良く・・・そして、それを豊かさと錯覚して生きてきた。私は以前、友に語った事がある。「地位や名誉や金よりも・・・と言うと、それは負け惜しみみたいに聞こえるけど、より小さい火をチョロチョロと、じんわりと燃やして生きて生きたい・・。」と。友は「小さい火かぁ〜。」と自分に言うように声にした。大きい火を燃やし続けると、いつしか薪が絶える。彼の事業は、いつしかその薪が絶えてしまった。でも、それからの彼の穏やかな本当の顔が戻った気がした。毎夜、数万の浪費を重ねて自分を酒で紛らすより、与えられた少ない金でも、人は豊かになれると思っている。それは、感じる心の持ち方次第だと思う。自然の中に分け入る事が自然を愛するやり方か？でも、自然に親しむから、自然をいとおしく思う気持ちが持てるのだとも思う。さぁ、下山して、私なんざぁ〜負け惜しみしか言えない、負けた人間にしか見えない、そんな街中に身を置く事にしようか・・・っと。

山頂にてママと

下山時の分岐(登る時も通ったのだが・・・)

しばし、天気は回復傾向である。いい展望が広がった。

　あれこれ雑多な日用品を買いに行く。なんともへんてこなディスカウントストアで、ピールとつまみを買った。ママに運転を代わってもらい、助手席でグビグヒやる！なんやかや言いつつも、私も雑多な人間だ。また、自然の中に身をおきに行こう！酔うほどに、その思いは強くなり、次の休みまで毎夜酔う夜になりにける・・・である。

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