山の会の「岩組?」は、だいたい週末を、比叡のクライミングベース【麓屋】で過ごす。憧れのクライマー軍団?岩職人?・・・「庵・鹿川」のお歴々方とも親密にお付き合いしている。まぁ、所属会のNama師匠率いる岩組の事なんである。祝日、娘は友達と・・・というので、どうしても駅送迎のママも出かけられない。動けるのは・・・長男と私・・・・・。「比叡行く?」の誘いに、「いいよ!」と快く付き合ってくれた。とりあえず前夜、川キョンにはメールを入れておいた。 チト寝坊で自宅を出る。日向市辺りで雨が本降りになった。電話をかけてみると、「こっちは降っとらんヨー!」と、朝食中の川キョンの返事に『ホンマカイナー?』と先を急いだ。比叡の南面スラブが見え始める頃、電話が鳴り、「雨、待機中!」との連絡。言われなくても、これだけ濡れた路面を見ると想像がつく!正面の岩からも染み出しが見えているわいな!!まぁ、麓屋へGo!だなと、1峰、2峰、3峰と過ぎ麓屋へ行くと、すでに駐車場には庵のお歴々・・・?(◎_◎) なんだ?と向こうを見ると、アヤちゃんの「出発決定でーす!」・・・元気な声が響いた。Uターン。 久しぶりにKYさんにお会いして感動した。今日も、お二人を従え・・・西都山岳会「タエちゃん・アヤちゃん・川キョン」まで従え、かの「FYKルート」へさっそうと消えて行かれた。長男と支度をしていると、かの「庵・鹿川オーナー」であり、宮崎の岩場開拓の重鎮であられる【三澤さん】が、Nama師匠と喋っておられた。ご挨拶をして、この比叡山の初登ルートであり、しかもその三澤さんの開拓された「第一スラブ」へ向かうのは、これまた大感激であった。Nama師匠は、土・日と登っているので、「今日は、麓屋に押入れを作るわ!」と、戻って行った。
1P、濡れてニュルニュルしているが、この状態で3度ほど登っているので、まぁ!安心してガシガシ登る。1スラは、長男の写る位置辺りから左の樹林帯へ行くのだが、今日は50m直上し、2スラの取り付きへ向かう所まで登り、1スラノーマルのカンテ5−級へ行く。長男も、怖がらずリズム良く登ってきた。彼は、10歳でTAカンテルート、12歳で3KNスラブルート・3KNスラブスーパールートと登り、13歳で今回の第一スラブルートということになる。
4Pノーマル4+の終了点で、5Pノーマル4−を登る私を確保している・・・の図!
登山を始めて、家族で登るいろいろな山を目標にした。それは、山そのものであったり、コースであったり、宿泊を含んだりする形態であったり・・・。いつも次々に、家族で楽しんで来た・・・つもりだった。岩登りを始めて、当然の様に、『第一スラブを家族で登れたら・・・。』と思うようになったのも、いつもの事だった。でも、それは家族全体での思いではなかった・・・。そう気づくまでに私は、未だにそれを認めたくなくて、その計画を口にしてはママに辛い顔をされている。色んな思いや迷いがあったが、長男を誘ってここに来た。 「あ〜、靴がきつくて足が痛てぇ〜!」そのくらい話しただろうか?息子というのは、あまり喋らないもんなんだろう・・・。2Pカンテの登り始めに、「ぶら下がってみるから確保器で止めてみろ!」と、ロープに体重をかけた。息子の右腕の筋肉が張り、しっかり握り締めていた。 『息子と登る』とは、どういうことなんだろう?説明がつかないが、時折注意する私の言葉に、「ハイ!」と強い返事が返ってくる・・・。私としては『親父冥利?』みたいな感覚なんだろうか?いや、それより、その秀逸なこの岩場の看板ルートになっている『第一スラブ』には、男同士がいた気がした。 「お父さん?後、何ピッチ?」 「後2ピッチかな!次が今日の核心部になる。お父さん、落ちるかも知れないから、よろしく頼むな!」 「えー?うん!」
初挑戦の長男であり、長男と初めての第一スラブである。2時間40分で稜線を捕らえたのは、実にいいペースだった。終了点に長居はしなかった。すぐに稜線を下降路へと急ぐ。FYKルートを登っていたKYさん達や、川キョン・タエちゃん、アヤちゃん達も、終了点に上りあがった所だった。ポツポツが、ザァーと本降りになり始めた雨・・・。急いで下山し、麓屋でシャワーを浴びさせてもらった。帰路、長男が話した幕末の西郷隆盛や大隈重信の話は、テレビより興味深い内容だった。岩場で無口だった息子も、何かを成し遂げた達成感は感じていることだろう・・・。饒舌な車内、自宅もすぐに感じた。
自宅発6:50----比叡トイレ横駐車場9:00----麓屋へ----再度トイレ横駐車場9:30----1スラ取り付き9:40----亀の甲取り付きのテラス10:25----核心5+取り付き11:30----終了点12:20----稜線下山口12:55----千畳敷13:20----駐車場13:30----麓屋でシャワー----帰路14:20----自宅着16:30
Copyright (C) 水流渓人 All Rights Reserved
〔BACK〕